線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

黒森神楽探訪②

2007年02月11日 23時51分46秒 | おまつり
岩手2日目。ちょっと早起きして、目の前の浪板海岸を散歩!

【浪板海岸】

今日の神楽はやはり6:30p.m.からなのだが、神楽衆は浪板地区の門打ちで家々を権現様を奉じて廻るのだ。
わたくしは…門打ちも見たいと思っていたが、せっかくここまで来たので、宮古市の黒森神社へは行っておきたかった。しかし足がない。そこでレンタカーを借りることにした。そこで宮古まで電車移動しよう…と時刻表を見ると、8:00台の1本を外すと10:00になってしまうので、早起きして8:00台に乗った。

【浪板海岸駅】

何とも懐かしい感じの駅。ホームには、こんな案内表示があった。

【ホームの案内板】

浪板海岸から宮古までそれでも40分くらい?乗った。結構な距離だ。そして宮古へ。



さて宮古駅前でレンタカーへ。実は…わたくし人生発のレンタカー。どのくらいかかるのかな?とドキドキしていったら、6時間で保険料なども入れて7,600円。んん~高っ!まあ、タクシーに乗ることを思えば、まあいいかと言い聞かせて、岩手なのになぜか秋田ナンバーのバンを借りたのであった。

さて、まず黒森神社へ。修験道の山なので鬱蒼とした杜、深山幽谷のようなところか?と想像していたら、案外市街地に近く、里山といった雰囲気であった。

【黒森神社】

一帯は確かに山なのであるが、かつての史跡、建物跡等がある中で、その中心に鳥居があり、参道を行くと、弁天池を渡って、神社拝殿にたどり着く。かつて修験の聖地であったのだが、今では神道色のある建物になっている。まず神楽に敬意を表し、参拝した。しかし、わたくし的には拝殿よりも目に入ったのは大きな榧の木、それから樅の木だ。樅の木の北限は何でもここなのだそうだ。

さて神社脇に目をやると「薬師水」という湧水が目に入った。そしてその水源は、その裏の杉なのだそうだ。「祖母杉」「祖父杉」の2本があるといい、130m程上だということで行ってみた。「祖母杉」は太く、2本に分かれていて、味のある姿をしていた。一方「祖父杉」は枯れ果てていた。

さて先を急がないと!せっかく宮古へ来たので、「宮古魚菜市場」へ行ってみた。さすが、日本海側と太平洋側とでは売り物が違う!と思ったー。毛ガニやホタテ貝が目に付いた。

【宮古魚菜市場】

さて、どうしても行きたいところがあった。岩泉町の龍泉洞という鍾乳洞だ。岩泉を目ざして北上する。
龍泉洞へは10数年前に来たことがある。しかもマイカーでだ。今思えばよくそんな無謀なことしたな…と思った。

さて10数年前のころの風景が目に入ってきた。そして期待の中に入ると、ああ…懐かしい。神秘的な青…、ゴウゴウと音を立てて流れる水の豊かさ…。そして順路に従って歩いていく。あの3つの地底湖は透明度が世界一とのこと、あまりにも深くまで見えるので、全身にキーンと緊張感が電気のように走った!

やはり鍾乳洞はいい!お土産屋で「龍泉洞の水」を買ってしまった。カルシウム分が含まれるので口当たりのいい水だ。

さてその後、海岸近くまで戻ると小本地区。ここに「小本温泉」がある。レンタカーだけど「はいっちゃおう!」…いい感じ。

【小本温泉】

帰り際、おじさんとおしゃべしりた(ちなみにこの方、結構名物おじさんらしい)。
「どちらから」と聞かれ「長野からです」と答えると、「ほおーっ」と、ビックリした顔をされた。そして「黒森神楽を見に、大槌町まで来ました」と言うと、「黒森神楽?あーウチでもやるんだよ。北廻りのとき。駐車場で舞い込みして…」と、神楽の話で、一瞬もりあがった。今度はここへ見に来てもいいかも。

さて、南下してふたたび宮古駅へ行くまでに、一応「三王岩」「浄土ヶ浜」の駐車場(笑)、宮古の雰囲気を撮ろう!と港へも行ってみた。

【宮古港】

ちなみに住所に「鍬ヶ崎」の地名が目に入った。そうだ!宮古というと《鍬ヶ崎甚句》がある。
♪~鍬ヶ崎には尾のない狐ヨードッコイショ 
  わしも二三度だまされたヨーサホイホイ
  わしも二三度だまされたヨーサホイホイ

さてレンタカーを返し、電車の待ち時間まで、宮古駅前をうろつく。宮古へは、実は学生時代に龍泉洞の帰りに来たことがあった。確か駅周辺に車を停めて、南部民謡のテープでもないかな?と、うろつきまわったことがある。駅前から少し行ったところの2階にレコード店があったはず!と記憶をたどり、再び行ってみると…あらら「閉店」だ。だんだん「レコード店」というものはなくなってしまうんだ。しょうがなし、近くの書店で「東北お祭り紀行」と「岩手の名水」という本を買ってみた。ちょっと宮古を感じた30分だった。

さて5時過ぎに再び民宿に戻り、夕食をいただく。
そして夜神楽2晩目におじゃまする。

==============================================
夕べとはちがうアングルに場所をとった。
同じ神楽宿で2日に渡って行うのは、現在では少ないのだそうだ。そのため、1日目とはちがう演目をたくさん演じられるとのこと。楽しみだ。

①【打ち鳴し(座揃い)】(6:37~6:47)
②【龍天】(6:55~7:10)
③【岩長姫】(7:11~7:30)
④【三番御神楽】(7:35~7:57)
⑤【狂言】<鍛冶屋>(8:12~8:55)
⑥【山の神舞】(9:01~9:40)
⑦【手踊り】(9:52~9:58)
  ・おいとこ ・真室川音頭 ・おこさ節
⑧【浦島】(10:07~10:47)

【山の神舞】は昨日とちがう方が演じられていた。【狂言】は岩手弁で楽しい雰囲気で、観客とのやりとりもあって面白かった。【手踊り】は民謡の踊り。かつては三味線を弾いたこともあったそうだ。【浦島】は、いわゆる浦島太郎ではあるのだが、ちょっとストーリーが違う。また最後には《遠島甚句》が歌われた。


【龍天】


【浦島】

これまたあっという間の4時間半だった。名残惜しい気持ちで、神楽宿をあとにして、民宿まで帰った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする