はなこのアンテナ@無知の知

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ネット社会の怖さ

2011年01月14日 | はなこのMEMO
先ほどネットを見て驚いた。

ある有名ホテルのアルバイト従業員が、有名人カップルのデートをツィッターで中継したのが、ホテル従業員にあるまじき、顧客の個人情報漏洩行為として、問題になっている。しかも、過去に何度も顧客情報を流している常習犯らしい(どうもネット上の非難の内容を見てみると、単なるセレブのゴシップ流出だけでなく、誰それが誰と会った等、スパイもどきに要人の情報もツィッター上に載せたことが、特に問題視されているようだ)

確かに、アルバイト従業員の女子大生のやったことは、ホテルで働く人間の行為としては責められても仕方のないことだろう。その行為がネット上で話題となった後の、ホテル側の対応も早かった。支配人名で謝罪文が出た。

しかし、ネット上の炎上は止まらない。女子大生の個人情報がネット上に晒されたのだ。氏名はもとより、出身高校、在籍中の大学名、学部学科名、所属サークル、自宅住所、さらには、つい先日の成人式の時に撮影したと思われる振り袖姿の写真まで。

彼女の行為は、ホテルの信用を著しく毀損した。誰もが知る著名人は、このホテルの利用を今後避けるかもしれない。しかし、だからと言って、その代償に無力な一般人を、ここまで晒し者にするのは許されるのか?誰が、誰の許可の下に、そのような懲罰行為をする権利があるのだろうか?今回の一件で直接的被害を彼女から受けたと言える「ホテル側」や「ネット上で行動をリークされた著名人」が訴えるならともかく(企業側で<派遣も含めて>従業員のモラル教育が徹底できない以上、今後はこの種の行為に対する懲罰制度を法的に整備する方向に動いて行くのかもしれない)

特に、成人式の晴れ着姿の写真をネット上に公開したのは誰なのか?SNS内の限られたメンバー間で公開されていた写真なのだろうか?だとしたら、近しい人間が、友人を晒し者にしたと言うのか?もし、そうだとしたら、背筋が寒くなるような話だ。まさに”薄っぺらい人間関係”である。

私も自分が立場上知り得た情報を、どこまでネットで公開するかについては、かなり気をつけているつもりだ。特に公人でない個人に関する情報、たとえ公人であっても公開されていない情報に関しては気を遣う。

つい先日も、ネットにおける個人情報保護の難しさについて言及した記事を読んだばかりだ。個人が何気なく発信している情報を、例えばビジネス目的で緻密に蓄積するシステムが既に存在する。そこで蓄積されたデータは、企業のマーケティング等に利用されている。自分では気をつけているつもりでも、自分の情報(特に、日々、どのような情報にアクセスしているのかの指向性)はかなりの確度で、他人に知られるのがネット社会なのだ。そして、その対抗措置として、監視の目をくぐりぬけるシステムも、NPOによって開発されているらしい。

情報化社会は、自宅にいながらにして世界を知る利便性を私達に与えたが、同時に自分のプライバシーが世界規模で侵される危険性をもたらした。しかもネットの住人は時として集団で悪意を増幅させ暴走する。その暴走を速やかに止めることができるスーパーバイザーはいない。それだけに私達ひとりひとりの自制心が求められるのだが、それが最も難しいことなのだ。今回の一件は、そのことを改めて思い知らされた怖いケースだと思う。
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