はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

今年前半を振り返る~映画鑑賞記録(寸評付き)

2015年07月08日 | 映画(今年公開の映画を中心に)
 今年も既に半年が経過した。時間が過ぎ行くのが、年々加速度的に早まっているのを感じる。実感的な1年の長さが、自分の年齢分の1だから(幼い時の1年はすご~く長く感じられたような…)、仕方ないのか?horori

 今年も前半を終えたので、この時点で映画鑑賞の振り返りをしたいと思う。日々忙しい方には「ヒマなんだねえ」hiと呆れられそうな鑑賞数だが、一番の趣味なので、何と思われようと、これもまた仕方ない。なお、テレビでの視聴は含まれていない。6月に突出して多いのは、上映作品が粒揃いであったことと、ボランティアの仕事が比較的ヒマだったからだ。

 私独自の基準でRatingしてみた。★1点、☆0.5点。私基準で★★★☆以上の作品なら、「見て損はない」でしょうか?ご参考までに。基本的に映画大好き人間なので、評価は全般的に甘めかもしれない。「どんな作品にも創られた意味がある」「創り手の思いが込められている」と言うことでwink

 青色は邦画、オレンジ色は邦画以外のアジア映画、残りは洋画等。

 
【1月 10本】

①ホビット 決戦のゆくえ ★★★☆:基本的にファンタジーは苦手なのだが、このシリーズは楽しい
②サンバ ★★★☆:移民社会フランスの現状を描いて興味深い
③海月(くらげ)姫 ★★★:朝ドラ女優能年玲奈が、まんが原作の不思議少女を演じたが、それ以上に女装美少年を演じた菅田 将暉の美形ぶりが印象強烈だった
④薄氷の殺人 ★★★☆:中国映画なのだが、日本のテレビのサスペンス・ドラマを見ているような印象。良くも悪くも中国が普通の国になってしまったことを実感させる
⑤Trash ★★★☆:ブラジルのスラム街の子供の過酷な現状も、スティーブン・ダルドリー監督が描いたら、ただの悲劇ではなく冒険活劇になってしまう
⑥ジミー、野を駆ける伝説 ★★★★:常に庶民に寄り添って来たケン・ローチ監督が描く、ひとつの民衆史
⑦ジャッジ 裁かれる判事 ★★★★:アイアンマン俳優ロバート・ダウニーJRと老優ロバート・デュバルが魅せる演技対決
⑧ビッグ・アイズ ★★★★:アート好きには興味深い題材、映画好きには食指が動かされるキャスティング
⑨神様はバリにいる ★★★☆:バリに実在する破天荒な日本人実業家を、豪快な男を演じさせたら今、右に出る者がいない堤真一が、"らしく"演じる
⑩深夜食堂 ★★★☆:小林薫演じる、深夜営業専門の食堂店主が常連客と繰り広げる、食にまつわる味わい深い物語。人気テレビドラマの映画化



【2月 12本】

⑪KANO 1931 海の向こうの甲子園 ★★★★☆:戦前、日本領だった台湾で実際にあった逸話を感動的に描く。当時の日本人も概ね好意的に描いて、この作品が台湾発と言うのが何だか面映い
⑫はじまりのうた ★★★★☆:ニューヨークを舞台に、英女優キーラ・ナイトレイがミュージシャンの卵を演じて、とにかくキュート!"音楽の力"を改めて感じさせる1本
⑬トレヴィの泉で二度目の恋を(Elsa & Fred) ★★★★:風変わりで自由奔放な老女も、シャーリー・マクレーンが演じればどこかチャーミング。周りの目を気にせず、老いても楽しく生きることをけっして諦めない姿勢は見習いたい
⑭ナショナル・ギャラリー 英国の至宝 ★★★:3時間は長過ぎ。DVD視聴向き
⑮ミュータント・タートルズ ★★★☆:タートルズの4兄弟の強い絆とキャラの明るさが見所
⑯おみおくりの作法 ★★★☆:「おくりびと」の英国版と思って見たら、意外な幕切れにとにかく驚いた
⑰フェイス・オブ・ラブ ★★★★:何よりアネット・ベニングの、知的で、美しく年を重ねた女性の魅力に目を奪われる。熟女に翻弄される(もちろん、演じている役柄だが)エド・ハリスは哀れにすら見える
⑱リトル・フォレスト 冬・春 ★★★★:この映画の本当の主人公は、東北地方の峻厳かつ美しい四季折々の姿?(夏・秋編もある)
⑲ドラフト・デイ ★★★☆:アメフト界のドラフトを舞台に繰り広げられる息詰る駆け引きを描く。地味だが意外に面白い
⑳劇場版ムーミン 南の島でバカンス ★★★☆:北欧人のないものねだりな南欧への憧れが、ムーミン一家の何ともマイペースな冒険物語を通して描かれているのが、そこはかとなく面白い
(21)きっと星のせいじゃない ★★★★:所謂"難病もの"なのだが、演じる若手俳優の清潔感と、ひと捻り加えたストーリー展開で後味良し
(22)シェフ~三ツ星フードトラック始めました ★★★★☆:本当のグルメって何だろうね?グルメ・サイトって何なんだろうね?グルメ評論家ってどうなんだろうね?今の時代、シェフも大変だ。フードトラックでの米大陸横断の旅は、一味違ったロードムービーで楽しい



【3月 8本】

(23)ヴィチカン美術館 ★★★:カメラは肉眼では見えないものを映し出す
(24)アメリカン・スナイパー ★★★★:気鋭のスナイパーの、兵士としての勲功と、ひとりの人間としての苦悩を通して、戦争の悲惨を描く。声高に反戦を訴えているわけでもないのに、心にズシンと来る
(25)妻への家路 ★★★★:国家の横暴に翻弄される人ひとりの人生。そして歴史は繰り返される
(26)イミテーション・ゲーム ★★★★☆:ドイツ無敵の暗号エニグマ解読の陰に隠された一人の天才の悲劇。ここにもまた戦争の悲惨
(27)ソロモンの偽証 前篇・事件 ★★★★:宮部みゆき原作小説の映画化。全国からオーディションで選ばれた子供達の、瑞々しく力強い演技に圧倒される
(28)くちびるに歌を ★★★★:歌の力、合唱の力で励まされる心、癒される心、そして救われる心
(29)博士と彼女のセオリー ★★★★:若くして難病に冒された、現代の知性を代表する博士の、あまりにも人間臭い半生
(30)暗殺教室 ★★★☆:人気漫画の映画化。担任教師は宇宙からの侵略者?!そんな荒唐無稽な設定でも、最後はほろりとさせられる?!



【4月 6本】

(31)バードマン ★★★☆:なんだかんだ言って、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の創造力、構想力は彼ならではのもの。こんな映画を作れるのは彼しかいない
(32)ソロモンの偽証 後篇・裁判 ★★★☆:宮部みゆき原作小説の映画化の後篇。後篇に入ってのパワーダウンが何とも惜しい!
(33)ナイト・ミュージアム3 ★★★☆:大好きなミュージアムを舞台にした、ハチャメチャな物語。ミュージアムは「おもちゃのチャチャチャ」かい?(笑)本作を最後に、ロビン・ウィリアムスの新作がもう見られないのが寂しい。
(34)セッション ★★★★☆:ドラムを武器に繰り広げられる、まさに命とプライドを賭けた師弟対決に、アドレナリンが出っ放しのハイテンション・ムービー。はぁー、疲れた!
(35)海にかかる霧 ★★★★:韓国映画の徹底したエログロ描写。こればかりは邦画も太刀打ちできない。良くも悪くも甘ちゃんの日本人は、あそこまで冷徹に、そして生々しく人間を描けない。見た目は同じアジア系でも、それぞれの国の長い歴史の中で培われたメンタリティの違いは大きい。それが、彼我の映画の違いに色濃く反映されているのを感じる
(36)Search あの日の声を探して ★★★★☆:旧ソ連チェチェン共和国で起きた内戦の惨劇。どこにでもいるノンポリ青年が、軍隊で徐々に人間性を失ってゆく過程は恐ろしく、戦乱の絶えない土地で生きる民族が、その過酷な環境に適応して生き抜いて行くと言う事実には言葉もない



【5月 8本】

(37)ビリギャル ★★★★:たったひとりの「恩師」との出会いが、子供の人生を変えることだってある
(38)ブラックハット ★★★☆:タイトルは「凶悪なハッカー」を意味する。今や凶悪なハッカーは良心の呵責一切なしに、自らの欲望の赴くまま、世界を混乱に陥れる
(39)Mammy/マミー ★★★★☆:カナダ映画界の若き俊英グザビエ・ドランが放つ、強烈で濃密な母と息子の物語。
(40)駆込み女と駆出し男 ★★★★:離婚は実は昔の方が多かったんだとは初耳。駆け込み寺を舞台に繰り広げられる、一筋縄では行かない男と女の物語
(41)寄生獣 完結篇 ★★★★:これもまた人気漫画の映画化。しかし、なかなかどうして、人間存在の意味に斬りこんだ深い物語なのだ。
(42)イニシエーションラブ ★★★☆:華やかなりしバブル期の男女の恋愛模様を、現代の若手俳優が、当時の懐かしい音楽、ファッション、風俗の中で演じる。果たして"通過儀礼の恋"とは?映画に騙されない為には、一言一句聞き漏らさないこと!(笑)
(43)シンデレラ ★★★☆:英国の鬼才ケネス・ブラナーが演出する、誰もが知るお伽話の主人公は、その風貌と精神性が何とも現代的(米国的?)なシンデレラ!
(44)リピーテッド ★★★☆:ニコール・キッドマンとコリン・ファースの二大アカデミー俳優を擁してのサスペンス。でも、何か物足りない。アカデミー賞を獲って以降のニコールの出演作に、ハズレが多いような気がするのはなぜ?シャーリーズ・セロンと何が違うのか?



【6月 14本】

(45)サンドラの週末 ★★★★☆:貧すれば鈍する。ともすれば、そうなりそうなところを、ギリギリのところで踏ん張って生きているサンドラは美しい。そんなサンドラを、今やフランスを代表する名女優マリオン・コティヤールが、体当たりで演じているのが魅力的。地味だけど、心に残る珠玉作
(46)アドバンスト・スタイル ★★★★☆:若い男性がニューヨークの路上で始めたスナップ撮影が、シニア女性の魅力の再発見に繋がった。そのスナップ撮影のモデルとなった女性たちを追ったドキュメント。静止画像から動画になった彼女達は、その肉声と立ち居振る舞いで、さらなる魅力を振りまいている
(47)チャッピー ★★★★☆:ロボットが人工知能を備えたら…現実に近づきつつある夢物語を、「弟9地区」の監督は彼独特のタッチとカリカチュアで描く
(48)エレファント・ソング ★★★★:前出「マミー」で監督を務めたグザビエ・ドラン主演作。嘘とも本当ともつかない言葉で周りを煙に巻く男を主人公に、ある人物の失踪をきっかけに行き詰る心理劇が展開する。元は舞台劇と言うこともあり、絶え間ない台詞の応酬に、こちらも集中力を要する。で、ちょっと疲れた
(49)トイレのピエタ ★★★★☆:人間は誰もがいつか死ぬと分かっていても、少なくともこの日本において、それを日々身近に感じることは殆どない。だから明日と言う日も必ず来るのだと根拠もなく信じて、ダラダラと生きたりするのだろう。だから死期を知って初めて、死が恐怖として迫って来るのだろう。死から遠いはずの若者ならなおさらである。そして死を意識して初めて、生についても真剣に考えるものなのだろう
(50)あん ★★★★☆:残念ながら差別はなくならない。そこに人間がいる限り。人間の歴史は、差別との闘いの歴史でもある
(51)海街diary ★★★★☆:これも漫画が原作。美しい4姉妹の物語。何が一番美しいって、すべてを寛容に受け止める4姉妹の心の柔らかさである。
(52)予告犯 ★★★★:これも漫画が原作。もう日本の優れたストーリーテラーは、漫画界にしかいないのか?それはともかく、本作はフィクションながら現実世界とシンクロして痛々しい。人の尊厳を傷つけることの罪の大きさについて、今一度考えずにはいられない作品だった。誰もが少しでも他人を尊重し、思いやれば、社会はどれだけ生き易くなるだろう?
(53)しあわせはどこにある ★★★:中国へと自分探しの旅を、いい大人がするものかと思った時点で(だってアラフォーの精神科医だよ)、作品世界に入り込めなかった
(54)ターナー ★★★☆:映像は美しく、ターナーの絵画を思わせる色調で、彼の作品世界が持つ空気感をよく伝えていた。が、しかし、主演俳優の風貌がどうにも好きになれず(確か、カンヌで男優賞を獲ったはず)、さらにヴィクトリア朝時代の階級制度や男尊女卑の色濃く残る雰囲気もどうにも好きになれず、後味が悪かった。映画は忠実に時代を再現しただけなのかもしれないが…とは言え、ターナーと言う画家の先見性は、この作品を見ればよく分かる 
(55)マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆:老境の監督が撮ったとは思えない迫力と力強さを持ったアクション大作だった。CG全盛の時代にあって、実写に拘った心意気も評価したい。さらに主演女優のシゃーリーズ・セロンのチャレンジ精神にも敬意を表したい。汚れ役でも、"男前キャラ"な彼女は美しい
(56)愛を積む人 ★★★★:原作は海外の小説らしいが、舞台を北海道に置き換え、深い夫婦愛を描いている。本作でも人を許す、受け入れる、心の寛容さが描かれていて、考えさせられた
(57)ハッピーエンドが書けるまで ★★★☆:父子3人がプロの作家なんて、話が出来すぎと思いながらも、母役ジェニファー・コネリーの美しく年を重ねた大人の女性らしさと、娘役のリリー・コリンズの愛くるしさが何とも言えぬ魅力を放って、物語の中心で輝いていたのが印象的。珍しく違和感のない母娘のキャスティングだった。
(58)グローリー ★★★★☆:マーティン・ルーサー・キング牧師と、彼が生きた時代背景を丁寧に描いた作品で、米国史の一端を学べる。既にアフリカ系米国人の大統領も生まれているのに、未だ人種差別問題に苦しむ米国社会。今回、本作を見たのをきっかけにキング牧師について調べたら、"I have a dream"で始まるあの名演説を、キング牧師が行ったのが若干34歳の時だと知って、心底驚いた。凶弾に倒れた牧師の夢が、死後50年近くを経ても未だ実現していないのは本当に残念だ。




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