戦国時代、武田信玄ほど智,勇に勝れた武将はなかったという。40歳を過ぎるころには信州もその支配下になっていた。天下統一は信玄だろうというその勢いは病を得てしぼんでしまう。息子勝頼は父信玄の偉大さが重荷であった。もし信玄の息子でなかったら天下に力をとどろかす人物になったかもしれないという。彼は父以上の英雄を夢み、戦いは力に任せ一直線に攻めた。無茶な戦い方であった。当時の武将たちは相手の力をはかり、陰で手を結んだりする硬軟の攻め方をした。その父を乗り越えようとする若さの力みが命とりになったのである。
偉大な父を持つとつらいのである。わが身を考えると小島よしお風に「そんなの関係ねえ」となってしまう。