少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

運命について(2)

2007-10-12 22:45:11 | 写真
写真だって同じこと。

いい写真や悪い写真。いい絞りに悪い絞り。あと0.1秒ずれていれば世紀の大写真になったかもしれない。あのカメラを使えばよかったのに。

それが方法論である間、あなたが選んだそのやり方がよかったのか悪かったのか、決してあなたはその本当の答えを知ることはできない。

なぜって、物事に完璧なんてないのだから。誰ものぼりつめることなんか出来はしない。

だれかが、それは正しいやり方だ。と言うかもしれない。

でもその瞬間に、いやそんなことはない。という声が聞こえてくる。どんなに技術を積んでも、それが人間の選択である以上、そこから悩みはきえないのだ。

だから、僕は赤い糸を信じたい。自分がその被写体に向かい、その撮影条件で、そのカメラで、まさにそのタイミングでシャッターを切ることを決めたのは、実は僕ではない。それは赤い糸であり、神であり、タオであり、コスモスなんだと。大きな、大きな営みの中のほんの一コマに過ぎないのだと。誰かが写真は縁だといったっけ。そう縁なんだね。神様が僕の人差し指を上からそっと押してくれているんだね。そら、今だってね。

そう考えたとき、いやそう信じることができたとき、僕は悩みから解放される。だってそれは僕の選択ではないのだから。

でも、この話には落ちがある。どうすれば、その赤い糸を見ることができるのかということ。それはね、とことん悩むことなんだね。逃げようと思ったその悩みに正面から向かうものだけに、神様はちょっとだけ赤い糸の端っこを見せてくれるんだよ。なんてこった。