この探査機については、コラムでも一度取り上げている、2006年のことだ。その時はまだ地球にたどり着いてはいなかったが、その後奇跡的に地球に帰還したことは周知のとおりである。つい最近、後継機のはやぶさ2も打ち上げられたと聞く。
なぜこの話をまた書こうかと思ったかというと、最近このプロジェクトのリーダーをされていた川口先生の講演を聞く機会があったからだ。たぶんJAXAは、各地で宇宙に関する啓蒙活動をおこなっており、川口先生もあちこちでお話をされているのであろう。実によくできたプレゼンテーションで、あっという間に講演が終わってしまった感じがした。スライドも平仮名、漢字、英語が併記されており、多分どこへ行っても(小学校でも海外でも)同じスライドが使えるように工夫されていた。まさにプロの喋りであった。
その中で特に印象に残ったのが、なぜ宇宙開発をするかという話だ。確か先生が自分で言ったのではなくて、アメリカの宇宙開発予算に対して誰かが言った話として引用されていたと記憶している。
「宇宙開発などアメリカの何の役に立つのですか?」
という質問に対して
「宇宙開発もできないアメリカに何の意味があるのですか?」
という意味のことを答えたという。
そんな青臭いことを言ったって、生きていくのは厳しいんだから現実的な選択をするしかないといわれる向きもあるだろう。特に厳しい経済状況の中で、無駄使いとも思われるプロジェクトに巨額の投資をするのは困難であるに違いない。
でも、我々は、決して最高に効率の良いエコノミックエンジンとなることが究極の目的で生きているわけではないと思う。いつも意識してはいないかもしれないけど、仕事を通して自分の持つ夢を実現することが、やはり大切なことではないかと思うのだ。効率だけを追求していくとき、全てが最適になった瞬間に、それは世の中から消えてしまうのではないかとさえ思う。世の中に何かが存在するためには「心」が必要である。それは「誇り」といってもいいかもしれない。
なぜこの話をまた書こうかと思ったかというと、最近このプロジェクトのリーダーをされていた川口先生の講演を聞く機会があったからだ。たぶんJAXAは、各地で宇宙に関する啓蒙活動をおこなっており、川口先生もあちこちでお話をされているのであろう。実によくできたプレゼンテーションで、あっという間に講演が終わってしまった感じがした。スライドも平仮名、漢字、英語が併記されており、多分どこへ行っても(小学校でも海外でも)同じスライドが使えるように工夫されていた。まさにプロの喋りであった。
その中で特に印象に残ったのが、なぜ宇宙開発をするかという話だ。確か先生が自分で言ったのではなくて、アメリカの宇宙開発予算に対して誰かが言った話として引用されていたと記憶している。
「宇宙開発などアメリカの何の役に立つのですか?」
という質問に対して
「宇宙開発もできないアメリカに何の意味があるのですか?」
という意味のことを答えたという。
そんな青臭いことを言ったって、生きていくのは厳しいんだから現実的な選択をするしかないといわれる向きもあるだろう。特に厳しい経済状況の中で、無駄使いとも思われるプロジェクトに巨額の投資をするのは困難であるに違いない。
でも、我々は、決して最高に効率の良いエコノミックエンジンとなることが究極の目的で生きているわけではないと思う。いつも意識してはいないかもしれないけど、仕事を通して自分の持つ夢を実現することが、やはり大切なことではないかと思うのだ。効率だけを追求していくとき、全てが最適になった瞬間に、それは世の中から消えてしまうのではないかとさえ思う。世の中に何かが存在するためには「心」が必要である。それは「誇り」といってもいいかもしれない。