こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

沿線散歩

2015年01月12日 00時02分08秒 | 文芸
沿線散歩

 定年退職後、しばらくして「ハッ!」と気づいた。何にもないのだ、自分のすること、したいことが。家族の嫌みに耐えながら、ゴロゴロするのも空しいだけだ。これは大変だぞ。まだ十年以上も生きていかなければいけないのに、どうする?
 ふと近くにある赤字ローカル線の駅へ行ってみた。廃止寸前までいきながらなんとか生き残った路線で、高校時代は毎日利用していた。学校まで五駅。懐かしい駅舎を見て回ってみようと思いつき、側道、あぜ道、農道と、田圃地帯のど真ん中を線路に沿って歩いた。時折、レールバスが一両、とことこ走る。のんびりとした風景が続き、目的の駅にたどり着いたときには焦燥感がなくなり、晴れ晴れとした気分になっていた。
 ローカル鉄道の沿線散歩は今も続けている。浮世の憂さを忘れて四季折々の田園風景を満喫、何とも贅沢なひとときである。
(二〇一四年五月掲載文)

血液型相性度?

 B型夫とAB型女房。相性はバツグンで理想的な家庭が築けると、血液型占いに夢中だった友人に言われたことがある。結婚生活三十一年。授かった子供は四人で男女半々。確かに彼の言うとおりだったようだ。
 ところで、子供らの血液型はAB型三人にB型一人。つまり、わが家はAB型に支配されているのだ。B型の次男は肩身の狭さからか、ついに家を出てしまった。残った私は、成長した子供らと妻の一斉攻撃を受ける羽目に。B型男のいい加減さが、AB型勢には許せないのだろう。
「お父さん、考えもなしにしゃべらんとき」
「B型って無責任なんやて、自覚せなあかんよ」
「へ理屈言うたかて、あかんもんはアカン」
 と、もう言いたい放題。あの相性の良さはどこへ行ってしまったのだ?待てよ。子供たちがみんな巣立てば、私と妻の二人きり。夫婦の相性は原点に戻るかもしれないぞ。
(2014年1月掲載文)
コメント
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