こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ぎりぎり~まい

2016年05月11日 23時59分57秒 | 文芸
朝日新聞阪神支局の女性記者から

新聞が送られてきました。

この間の伊丹市の表彰式会場で

取材を受けたものが

まとめられてきじになっていました。

「一生に一度の初恋」談義でした。

受賞者が熟年世代の男性ということで

興味をもたれたそうです。

しかし、

娘か孫のような女性記者を前に、

もうアガってしまいました。

いやはや大変!

なんとか最後まで取材に付き合えましたが、

性格は死ぬまで変わらないんだなと

実感させられました。

やっぱり

こせこせ文章を書くしか

僕には残る余生を送れないみたいですね。

てなわけで、

やっとこさかき上げました。

原稿用紙三十枚、

久しぶりの枚数です。

某公募への応募原稿だけど、

深夜二時にパソコンに向かってスタート!

翌朝の九時まで寝ずのチャレンジでした。

徹夜はこたえますね

この年になると。

若かりし頃は

二日三日連チャンもへっちゃらだったのに。

でも、なぜ徹夜をするかと言えば、

根が怠け者だからです。

公募の締め切りぎりぎりでしか

その気にならないという性格。

時には消印当日の朝から書き始めて

夕方五時前に郵便局に駆け込む始末。

これじゃあ推敲する暇もない。

いつも荒っぽい一発勝負にならざるを得ないのです。

それでも、

やめられない、投稿の魅力。

三〇枚の原稿を大型封筒に入れて

慌てて郵便局へ。

「はい。二五〇円です。

あと、こちらで出しておきますね」

「はい。おねがいします」

郵便局窓口の女性の

優しい口調に

(これは、運がいい。採用されるかも)

と、捕らぬ狸の皮算用しました。

とにかく、

締め切り日が消印だから

なんとかセーフでした。

この間なんか

必着を消印と思い込んでいて

「アウト!」

悔しかったなあ、本当に。

でも、

これがB型いて座の男の

バタバタ人生なんでしょうか?

下記は朝日新聞の掲載記事です。
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小説(1995年作品)帰って来たヒーロー・12

2016年05月11日 02時32分12秒 | 文芸
「お前にやって、まだまだやりたいことがあるんやろからな」
「「……兄貴……?」
 誠が開きかけた口を兄は遮った。
「そやけど、誠よう。いつかは必ず、ここへ戻って来い!お前にとって、町では見つけられん安らぎがあるんは、お前が生まれ育ったふるさと、ここにしかあらんのやからな」
 そう。兄が言う通り、ここふるさとは心を安らげてくれるものがあった。東京で殺伐たる中での暮らしを体現してきたあとだけに、誠はその優しい安らぎを独り占めするさ中にあった。

 宮入の時間まで、境内への道沿いに屋台を鎮座させて、氏子らはつかの間の待機に、興奮を徐々に高めつつあった。
 時間が来た。宮入である。周旋が本殿から急ぎ足で帰って来た。神主を挟んで役員が全員頭を揃えた、最後の打ち合わせが終わったのだ。
「さあ、用意はええか!
 澤田と兄が、若い連中に気合を入れる。
「呼吸(いき)を合わせるんやぞ!一発勝負や。N地区の男の意地と気合を見せタロやないか!奉納で情けない姿見せんなよ!」
「お、おうー!」
 若い衆だけではない。担ぎ手総勢の顔が興奮して赤く染まっている。彼らの覚悟は容易なものではない。
 兄が話していたが、ここ二年続けて、本殿の正面で屋台を差し上げて奉納する最高の場面で無様なさまを展開している。屋台を落とすという、あってはならない事態をみせてしまったのだ。
 氏子五地区の中で最大重量の屋台だった。それだけに豪壮華麗さは抜きんでている。それを歴代の地区を代表する男衆がプライドを駆使した奉納差し上げを見せつけて来たのである。
 それが落ちた!恥をかいた男たちは翌年に復活を賭けて臨んだ奉納の場で、再び落とした。三度目の正直だ。男衆の意気込みが異常な熱を帯びているのは、そういう伏線があったからだ。
「今どきの若いもんは頼りにならんのう。いっちょうわしらが出張ってやらにゃあ!」
 皮肉だけではない。引退を決め込んでいた中年の男たちが、今年は顔を揃えた。この様相が青年らを刺激し、相互の鼓舞につながっている。
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