こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ねくら~マン

2016年09月22日 01時41分32秒 | 文芸
きょうから娘の学校が始まる。
学校が終わるとアルバイトと予定が詰まっている。
妻も帰宅は10時ころ。

またひとりきりの時間が、私には始まる。

ふとあの頃が懐かしくなる。

喫茶店を経営していたあの日、あの時を。

赤ちゃんは、店の棚で寝かして、仕事をした。
子連れ狼だ。

長女から次男まで3人を、そうやって育てた。
だから、いつも家族は一緒だった。

3人目の赤ちゃんが状況を変えた。

彼は生まれた早々ひどいアトピー症状に。
額はあばた状態で、血がにじむほどひどくなった。

喫茶店はいつもお客さんのたばこにさらされている。
ピークの時間は店内が真っ白い煙に包まれた。
アトピーの赤ちゃんにいいはずがない。

そこで出した夫婦の結論。
たばこの吸えない喫茶店、『禁煙喫茶店』だった。
メニューのテコ入れをしたうえで、断行した。

結果は閑古鳥がなく状態に。

テレビや新聞がニュースにしてくれたが、反響は最初の半年だけ。よそうされた通りの結果を迎えた。

まだ嫌煙権が市民権を得ていない時代。
禁煙喫茶店は早すぎた。

あの瞬間に、
わたしのひとりぼっち人生がスタートしたのだ。

新しく選んだ仕事は弁当仕出し製造会社の調理場。
夕方5時過ぎから明け方5時前後までの深夜勤務。
もともと夜型人間だから苦にはならなかったが、
家族とのすれちがい生活はつらかった。
10年以上、懸命に働いた。
そして定年。
やっと家族と普通の関係に戻れると思ったが、甘かった。
子供たちは巣立ちゆく直前。
父親が入り込む隙間はなかった。

人の一生はひとりぼっちで始まり、ひとりぼっちで終える。

最近、よくそんなことを考える。
ネガティブな傾向の人間は、いやはや大変この上ない。(苦笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする