こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

欠点が奇跡を生む

2020年08月11日 02時55分10秒 | つぶやき
畑に二人の孫を連れて行った。
幼稚園で何か野菜が一つ要るらしい。
ところが畑でしっちゃかめっちゃか。
「虫がコワイ~~!」「カエルいやや!」
仕方ないので車に待機させることにした。
もう一人の孫は、
平気な顔で野菜の収穫を手伝ってくれた。
年子でこの違いである。
いくら何でも上の孫の虫嫌いは大仰すぎる。
でも、それが彼女の個性なのである。
どうしようもない。

そうそう、私だって
人見知りであがり症という個性、
いあや欠点の持ち主だった。
そんな子供がクラスで注目の人になることだってあるのだ。
そう、あれは奇跡だったのかも。
欠点がみんなの注目を浴びるという奇跡だった。

小学校3年の国語の時間だった。
席順で巡ってくる教科書の音読の番がやってきた。
昔ばなしだった。
指名される前に、
もうドキドキドキと心臓の鼓動が早くなった。
顔がひきつるのも分かった。
無類のあがり症のせいだった。
「むかし昔……」
気付いた。自分の声がおかしいのを。甲高く、しかも震えている!
ビブラートがかかった声。
(またからかわれる)
ところが、読み終わると歓声が起こった。
「すげーやん」
級友だけではなかった。
先生までも、
「上手に読めました」

自分の欠点が特技を生んだ瞬間だった。
甘い震え声は私の唯一の武器となった。

後に弁論大会、アマ劇団へと
階段を登る布石となったのだと思う。

今その声が聴きに瀕している。
部分入れ歯の数がふえたおかげで、
言葉に息漏れが顕著になるばかりである。(あ~あ~。ため息)
コメント
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