こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

父親です

2020年08月08日 01時47分51秒 | つぶやき
娘が母親と話しているのが耳に入った。
「お父さんと違うタイプの人がいいの」
いま付き合っている相手がそうなのだろう。
私はB型典型(自分で思い込んでいる)の、
自己中、無責任男だから娘が選ばないのは賢明だ。
「いつかわかるって。一緒に家庭を築ける相手が、
あなたの父親と同じタイプだって」
「それはないよ」
「お母さんがそうだもの。私が選んだ相手は、結局私の父親タイプだった」
「うそ」
「今にわかるわ、あなたにも。一緒にいて一番落ち着ける人は父親に似てるって」
妻の言葉が耳に心地よい。
「よくケンカしてるじゃやん」
「喧嘩なんかしてない。ううん、13も違ったら喧嘩にならないの、それにお父さんは優しすぎるんだよ。だから40年も一緒にいてる」
耳がこそばゆかった。
私が優しい?
そうは思わない。優柔不断男の間違いだろ。(笑)

優柔不断の父親が育てた4人の子供。
まともに育ったのが奇跡かも知れない。
それぞれいろいろ問題はあったが、
いつの間にか解決していた。
親がいなくても子は育つだったのかも。

男の子とキャッチボールすらまともに出来なかったのを思い出す。
一緒に泳いだ記憶もない。
酷く運動オンチだった私に普通の父親にはなれなかったのだ。

ただ一度だけ、
子供と真正面からぶつかったことがある。
女の子が小学生のころ、
友達に誘われて悪いことをしてしまった時だ。
「悪いことをしたと分かるな。
悪いことをしたら罰を受けなくちゃならないんだぞ」
いっぱしの父親になっての説諭、いや行動が先行した。
「お父さんも悲しいから、一緒に畑を耕そうか」
よく分からない罪滅ぼしだった。
しかし、父親と無言で畑の土を掘り起こしていたら、
娘は涙を流していた。歯を食いしばっていた。
悔いているというより悔しかったに違いない。
自分が悪いことをした自覚がない年頃だったのだ。
ひくひくと嗚咽しながら娘は父親と畑仕事をやり続けた。
あれが親らしいふるまいだったのではなかろうか。

いまその娘は立派な社会人になっている。
結婚し家を手に入れ、娘二人の母親にもなっている。
あの時の涙が彼女を変えたのかは定かではないが、
父親の真似事をやってのけた貴重な思い出になっている。
コメント
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