難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

全難聴青年部の就労マニュアル作成のプロジェクト

2007年01月04日 15時07分38秒 | 就労

就労マニュアル表紙全難聴青年部は、「中途失聴・難聴者就労マニュアル」を作成し、平成15年度全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)助成事業として、2004年5月に全難聴から発行された。現在は全難聴webからダウンロードできる。
http://www.zennancho.or.jp/info/archive.html

全難聴青年部が企画から実態調査や各地の事例収集、取組の提案まで行ったものだ。
実際に働いている難聴者、中途失聴者自身が作成したということ、中途失聴・難聴者の就労問題に的を絞ったこと、プロジェクトとして各ブロックが分担して、メーリングリストも活用し、短期間に完成させたこと等大きな意義がある。

構成は「最初に、聴覚障害者の職場でのおかれた問題点を抽出し、その解決策を図式入り等で提示する。その後の章では、解決策の参考となる事項や聴覚障害者の理解のための知識を盛り込」(国際難聴者会議への報告論文より)まれている。
http://www.zennancho.or.jp/international/7th_congress/j_article_kiyonari.html

第1章 聴覚障害者の職場実態
第2章 聴覚障害者に適した職場環境とは?
第3章 聴覚障害とは?
第4章 聴覚障害者とのコミュニケーションについて
第5章 情報保障について
第6章 職場用補聴援助機器について
第7章 雇用・定着支援のための制度・助成金について
第8章 困ったときはこちらへ
第9章 差別する法律から、差別をなくす法律へ

「マニュアル」作成に向けて全国に職場実態に関するアンケート調査を行い約160名からの回答を得た。マニュアルに結果が掲載されているが、職場での情報保障は皆無に等しく個人での取り組みが多い結果となっている。聞こえない事で差別を受けている実態も浮き彫りになった。

中途失聴・難聴者のいる職場での対応不足は、その人生の大半を占めることや生活基盤であることから、明らかに基本的人権侵害であり、差別である。

ラビット 記