難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

出版のユニバーサルデザインと難聴者の場合

2008年09月06日 18時18分17秒 | バリアフリー
視覚障害者関係者から、以下の案内を頂いた。

難聴に関わる情報、メディアというと放送だ。放送事業者は我々が呼びかければシンポジウムとかに参加してくれるが、逆はない。今年から我々の強い要望により、字幕放送と解説放送を制作する方々と懇談会が始まったが、積極的なものではない。どうしてだろうか。字幕放送、解説放送は放送事業者の収益に寄与するどころか、減らすものとしか見ていないのだろうか。少なくとも、経営者はそうではないか。
だとすれば、放送法に示される放送事業者の社会的使命はどうなるのだろう。

一方、テレビの広告CMの取り組みの方が積極的だ。
「国際ユニバーサルデザイン協議会 IAUD余暇のUDプロジェクト」がテレビのコマーシャルに字幕を付ける取り組みを進めている。
明日、同プロジェクトのアンケート調査の呼びかけに、東京都中途失聴・難聴者協会が協力して開かれる。

平成5年、全難聴は社団法人広告主協会、社団法人広告業協会にテレビの字幕放送の普及に協力を呼びかけた。両法人の理事会で協力していただく旨決定されたということだ。あれから15年だ。


ラビット 記
----Forwarded Messag
下記セミナーの転載許可をいただきました。
どうぞ周りのかたにご案内ください。

デジタル情報ビジネス研究委員会/出版UD研究会共催
「出版社のための出版 UDセミナー2008」
                          日本電子出版協会事務局  

      ★ユニバーサルデザインが出版業界を救う!★     
          第2回/全4回
「見やすい教科書をつくる~教科用特定図書普及促進法で変わる教科書製作~」

2015年には、日本国民の25%が65歳以上となり、読書の習慣が定着していて、 時間やゆとりをたっぷり持っている「元気な高齢者」が増えます。しかし、高齢者には、視力、聴力、認知力の衰え、手足の不自由など「スペシャルニーズ」があります。

そこで「読みやすい」「手にとりやすい」出版物がこれからの大きな市場になると考えられます。 さらに、一昨年の「バリアフリー新法」や今年の「教科用特定図書普及促進法」のように、さまざまな利用者のニーズへの配慮を支援する法的な整備も進んでいます。

そこで大切になってくるのが、「読者のスペシャルニーズ」を具体的に分析し、それに応える実践的な方法を見出して実現してゆくことです。私たち出版業界は何を対策すべきか、何に留意をすべきかを知る必要があります。
そこで、「ユニバーサルデザインが出版業界を救う!」をテーマに4回のセミナーを企画しました。

今回のセミナーシリーズでは、これまで長年にわたり、一般の出版物があまり考慮していなかったニーズを持つ人たちを対象に取り組まれてきた研究やサポート技術について、その当事者や研究者を講師として招き、「文字の見えにくさ」「色の見えにくさ」「認知・発達障害」をどうサポートすることができるのかを一緒に考え、また「目に頼らない読書」の可能性にも着目してみたいと
思います。毎回、テーマごとに、前半は参加者が体験できるワークショップや、読者のもつ特性に関する解説をおこない、後半で、具体的に出版社が実践している出版事例を紹介します。

第1回は7月28日に100名を超える方々を集めて「iPodやケータイで"耳から
読書"~オーディオブック普及の可能性をさぐる~」と題して開催いたしました。

今回は第2回目、「見やすい教科書をつくる~教科用特定図書普及促進法で変わる教科書製作~」の案内をいたします。

【セミナー内容】
■宇野和博(筑波大学附属視覚特別支援学校教諭)
「教科用特定図書普及促進法から教科書のUDへ」
今年6月10日に衆議院で「教科用特定図書普及促進法」(教科書バリアフリー法)が可決成立しました。著作権法一部改正やこの法律の成立に深くかかわってこられた宇野和博氏に、拡大教科書等のバリアフリー教科書を安定供給していくためにはどのようなシステムが考えられるのか。また検定教科書自体のUD化をどのように考えていけばよいのかについて弱視当事者であり、弱視の生徒を教えている教員の立場から語っていただきます。

■中野泰志(慶應大学経済学部教授)
「見えにくさ体験+見やすさをつくるヒント」
なぜ弱視の児童・生徒たちに「拡大教科書」が必要なのかを知るために、「見えにくさ」を疑似体験してみることが有効です。弱視(ロービジョン)の人たちは、一人ひとり目の状態によって、見え方が異なるという特徴をもっています。それぞれの見え方の特性にあわせてどのように工夫すれば「見やすさ」を生み出すことができるのか、 ロービジョンと生活環境の研究を専門とされている中野泰志氏といっしょに、考えていきましょう。

■金子純朗(教育出版株式会社)
「教科書会社が制作する拡大教科書」
今年春、教科書を発行している教育出版は、小学校国語と中学校音楽の拡大教科書を発行しました。教科書会社自身が検定教科書とともに「拡大教科書」も同時発行するのは、これまで光村図書の国語の事例しかなく、広がりをみせるうえでも画期的な試みだと思います。今回は、教育出版で拡大教科書を制作するプロジェクトを担当している金子純朗氏に、企画の経緯や制作秘話などを語っていただきます。

※セミナーのあとに名刺交換や具体的な情報交換・商談などのために、懇親会も設けました。奮って、ご参加ください。

【開催日】 平成20年9月24日(水)
        18:00~20:00(セミナー)
        20:00~21:00(懇親会)
【参加費】 会員社    無料
      非会員社   無料

【場所】 日本教育会館 9階 飛鳥の間  
     東京都千代田区一ツ橋2-6-2
     Tel:03-3262-7661  地下鉄「神保町駅」A1出口徒歩2分
     地図: http://jec.or.jp/koutuu/

【申込方法】 別紙申込み用紙にご記入の上、9月19日(金)までにE-mail、FAX、
ホームページ  http://www.jepa.or.jp/ からお申し込み下さい。
各社先着順とします。定員を満たしご受講いただけない場合に限り、前日までに事務局からご連絡を差し上げます。連絡のない場合は直接会場へお越しください。

【問合せ先】日本電子出版協会 事務局
      〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-9 -2 鶴屋総合ビル4F
      E-mail:sampei@jepa.or.jp
      Tel: 03-3556-5224 Fax:03-3556-5259
      URL: http://www.jepa.or.jp

デジタル情報ビジネス研究委員会/出版UD研究会共催
「出版社のための出版UDセミナー2008」今後のご案内
 第3回:「色の見え方は血液型といっしょ~カラーユニバーサルデザイン~」
 第4回:「UDマーケティング
       ~"わかりやすさ""使いやすさ""ここちよさ"がキーワード~」

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平成20年 月 日
日本電子出版協会 事務局 行
Fax:03-3556-5259
E-mail:seminar3@jepa.or.jp

    ★出版社のための出版UDセミナー2008★
第2回「見やすい教科書をつくる     
    ~教科用特定図書普及促進法で変わる教科書製作~」

参加申込書

■会 社 名:

■所属・役職:

■ご 氏 名:

 E-mail:


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聴覚障者偽装が及ぼす影響

2008年09月06日 14時28分12秒 | 生活
080906-084600.jpg080906-02級84512.jpg北海道の耳鼻科医による聴覚障害の「偽装」が捜査当局の手が伸びて、また報道されている。

聴覚障害の認定の「偽装」、嘘の認定はもちろん論外だが、支援が必要な難聴者に対して認定されにくくなるということがあってはならない。

難聴という障害が見えない障害であり、身体障害者福祉法では聴覚障害は音の可聴だけで判定される仕組みが問題だ。
介護保険法で介護の判定を受けるのも日常的な生活動作が出来るかどうかで判定されており、難聴者にとって、聞こえない機能障害が家族や近隣の人との対話を妨げて、対人的孤立を招き、電話やテレビが聞こえないという社会的孤立を生んでいる。そのことが自律的な生活に大きな支障を与えているということに行政関係者、医療関係者、医師は自覚すべきだ。

音の可聴という機能の障害で障害を見ることは、障害者権利条約で明確に否定されている。
日本政府は、権利条約に署名しており国際的な約束をしている。厚生労働省は、聴覚障害の重さを認識し、施策の転換を図るべきだ。


ラビット 記




要約筆記奉仕員養成講習会終了にあたって

2008年09月06日 09時02分51秒 | 要約筆記事業
080827-085112.jpg要約筆記奉仕員養成講習会の終了にあたって、難聴者の立場から、考えた。

講習会の内容が奉仕員講習会のカリキュラムに沿ったものだとすれば、要約筆記が難聴者のコミュニケーション支援の手段の一つであることは学ぶだろう。しかし、聞いた言葉をその場で文字にして書くことの難しさも感じているだろう。
聞こえない人の大変さを理解しても、自分がそれを支えるだけの力を持っていることに自信がないので、終了後の活動に参加する人が少ない。

そうした人たちに終了後も難聴者とのつながりを持ってもらい、要約筆記社への道をあゆんでもらうために、何を話したらよいだろうか。

一つは、難聴者の困難なことに挑戦しているを実感として感じてもらえるような話。もう一つは、難聴者が何を一番に求めているかということを理解してもらう話。最後に、コミュニケーションの成立はどのように出来るかという話をしたい。

難聴者は人と一緒にいても「一人」でいる。テレビを見ていても聞こえない言葉が続けば何か分からなくなってしまい、聞く気持ちが萎えてしまう。高齢者の場合は、子供夫婦や孫に聞き返すのも遠慮してしまう。一緒に見ている家族が笑っても追従笑いしかできない。これは寂しい。コミュニケーションの断絶状態にいつもいる。
所々しか聞こえない、ところどころ聞こえないことがある。これが「孤立」につながること、補聴器で聞いたりしても自分だけの力ではどうしようもないこと、しかし、難聴という障害は理解しにくいために理解を求めるのも難しい。
地域でも職場でも家庭の中でも難聴者は寂しい思いをしながらもみんな負けないで我慢して生きている。

何で、我慢するのか。それは聞こえないのは自分のせいだと思っている人は多い。また、確かに難聴なのは自分だが聞こえの問題を自分だけでは解決できないこともすぐには解決できないことも分かっている人もいる。
そうした時、難聴者は自分が苦しんでいることを理解してくれる人を求める。
いま聞こえなくて毎日が大変だが自分のことを理解している人が同じ会社にいる、同じ地域にいる、家族にいるということが「我慢する」支えになる。
これは、要約筆記が出来る出来ないに関わらず、理解してあげること、理解していることを伝えることは出来る。
要約筆記奉仕員養成講習会を終了したばかりの人がもちろん明日から要約筆記が出来るわけではないが、少なくとも難聴者のいろいろな問題は学ん出いるはずなので、自分という存在が難聴者の支えになることを理解してもらおう。

難聴者が困難を感じているのはコミュニケーションが出来ないことだ。そのコミュニケーションを成立させるにはいろいろな方法がある。静かなところで話をするのもそうだし、ゆっくり話をするのもそうだが、筆談が難聴の程度に関わらず有効だ。確実に伝わるし、書くという行為はけっこう負担だがそれを自分のためにしてくれているという気持ちも伝わる。
難聴者には、書かなくても大丈夫、聞こえますという人もいるがそれでもはなしながら書くということを繰り返していると書いたものを見ることが自分には全部伝わっているという安心感になる。
要約筆記が出来なくても、筆談することで難聴者とコミュニケーションすることが出来るし、気持ちの安定につながる。

要約筆記者になるということは、難聴者にその場の聞こえを文字で書くことにより保障するという非常に難しい仕事なのですぐにはできないこと、しかし
そのことにより難聴者の社会の中で生きる権利、一人の人間としての尊厳が守られることを伝えたい。


ラビット 記