難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

NHKのIP配信番組のアクセシビリティは?

2008年09月14日 23時39分53秒 | 放送・通信
080803-202829.jpg080914-NHKIP232450.jpgNHKが12月よりIPで番組の配信をするという(朝日新聞9月14日付け)。

著作権処理に多くの経費をかけて処理したとある。しかし、アクセシビリティの対応をどうしたのか、記事にはない。
過去の字幕放送の字幕データが使えるのか、PCでの視聴だけなのか、クローズドキャプション方式で見られるのか。字幕放送機能のあるデジタル放送テレビに接続してみるのか、説明が足りない。障害者権利条約に署名した政府の総務省もきちんと指導すべきではないか。

視聴料に聴覚障害を持つ理由の割引は不要だ。障害の有無に関わらず、コンテンツにアクセスできるようにするのがNHKの社会的使命ではないか。

天下の朝日新聞も記事の掘り下げ方が浅い。次回の記事に期待したい。


ラビット 記




デジタル補聴器の音は遅延する?

2008年09月14日 20時10分49秒 | 補聴器
080910-125105.jpgダビンチは、人工内耳と合わせて聞くにはとてもフィットした。しかし、もう2年くらい前に生産中止している。メーカーにも在庫はなく、市中在庫のみという。

後継の最新機種を同じようにセットしてもらって、聞いたがかなり聞こえ方が違う。メーカーの担当者が一所懸命調整していたが不思議がっていた。

人工内耳と一緒に聞いている時に「横から」何か聞こえた。初めは何の音か分からなかった。話すと横から何か音がするのだ。目の前で何を話しているのかさっぱり分からず、これは聞こえないと言って返してしまった。

後で聞くと、デジタル補聴器の遅延ではないかという。入力された音がデジタル補聴器で処理されて出力されるまでにタイムラグがあるということなのか。
確かにデジタル補聴器を付けた右耳から聞こえた。人工内耳より音が遅れて聞こえるということなのだろうか。音質の違いがそう聞こえたと思っていたが。
これはきちんと確認したいが今のダビンチは調整不足を感じるが「ズレ」は感じない。また、新しい課題か。


ラビット 記




病院の文字の呼び出しは難聴者のため?

2008年09月14日 19時56分41秒 | 生活
2008914195647.jpg080914-193938.jpg規模の大きい病院の呼び出しは文字で示されるようになっている。しかし、呼び出された後は、聞こえないといっても戸惑うか、大きな声を出すだけだ。
これは、文字表示で呼び出すのが聞こえない人のために導入されたシステムではないことを物語っている。文字表示すれば何度も声で呼び出す必要がなく、呼んだ呼ばれていないというトラブルをなくすためのものだ。

回転すしチェーン店でも受付は客が入力し、待ち時間が自動で表示されている。ご丁寧に呼んだがいなかった人の番号まで表示されている。

文字表示されて、一見バリアーがなくなったかのように見えるがその意味が理解されなければ意味がない。
文字表示システムのバリアフリーとその後の接客対応も啓発しよう。

ここの回転寿司は希望のネタはマイクにしゃべるシステムなので応答が聞こえないとお手上げだ。いつも紙に書いて店員に渡すことにしている。
病院は、筆談ボードを持参して書いてもらおう。実際に使ってみることで理解されるし、対応方法も学んでもらえる。


ラビット 記




レポートの締め切りが!聴覚障害者の受講保障。

2008年09月14日 12時15分01秒 | 社会福祉の学習
080903-124628.jpg通信教育の後期スクーリングが近づいてきたので、日程を選定して申し込んだ。
さらに、要約筆記の費用の負担を依頼するファックスを送った。前期は、学校の返事は手配をすることは出来ないというものだった。理由も検討の経過の説明もなかった。
しばらくして、「学園から手配することは、申し訳ございませんが難しい状況です」と返事があった。今回も、理由も検討したかどうかの説明もない。

前回のスクーリングで、最前席に座られた初老の男性がいた。イヤホンの着いた薄いブルーの箱型の機器をしきりにいじっている。聞くと補聴器だという。私以外にも難聴の受講者がいたのだったのだ。

難聴に限らず、様々な障害を持ったものが社会福祉を学び、資格を持って当事者支援サービスや施策形成に関わることは重要だ。
こういう資格を得るためのあるいは地域コミュニティの中に専門知識を持ったボランティアリーダーやコーディネーターを養成する学校法人だ。
その社会的使命のために学校法人としての様々な支援を得ているはずだ。その施設が障害を持っている受講者に対して、学習保障の負担をしないといことは差別にあたるのではないか。
なるほど、補聴器対応のワイヤレスマイクの使用や前方の席の確保などの受講に伴う配慮はしてくれるが費用の負担は頑として鼻から受け付けない姿勢はいかがなものだろうか。

障害を持つ生徒、学生に対して、学校側が入学や通講を許可するが他の生徒と平等に扱うため、特別な配慮はしませんということが多い。これは、何もしないという時点で差別に当たる。
コミュニケーションの障害を持つものの支援は言葉による支援、要約筆記や手話通訳、音訳者などが必要だ。いずれも周囲の状況に応じて、音声や文字、視覚情報を文字、手話、音声で伝えるという「通訳行為」を行う人が必要だ。物理的な位置の配慮だけでは解決されないのだ。

学校関係者も毎日利用しているだろう駅のエレベーターやエスカレーターは交通事業を経営する事業者が社会的役割を認識して費用を負担して設置している。車いすの乗客が利用する際には社員が誘導や補助をしたり階段昇降機の操作をしたりする。つまり人的支援もしている。

教育権は学校教育だけではなく、社会教育、職業教育も含まれることを学んだ。障害者権利条約は障害を持つものは誰しもその権利を奪われない。教育はインクルージョンが基本理念だ。もちろん学校教育だけではなく生涯教育も対象にしている。
本学園の受講は学校法に規定された法人が行うれっきとした学校教育だ。

学園は、聴覚障害を持つものに通訳者の派遣費用を負担すべきだ。


レポートの締め切りを失念したと焦ったが、よく見たら、来月だった。

ラビット 記
写真は、国立身体障害者リハビリテーションセンター