難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

「疾風怒濤」の青年期 難聴者の社会福祉の学習

2009年06月19日 20時57分20秒 | 社会福祉の学習
090615-070849.jpgなぜ「疾風怒濤」だったのか。
(1)音声による働きかけは言語的には不十分だったこと。
6歳になるまで自分が聞こえていないということを親も周囲も気づいていなかった。感音性難聴で全く聞こえていなかったわけではなく、サ行、タ行、ハ行の発音が明瞭でなかったので、これに関する言葉が聞こえていなかったのだろう。
「ヒコウキが飛んでいる」が「シコウキが飛んでいる」と聞こえていれば、単語や用法の獲得など混乱しただろう。
音素や音韻自体が不完全にしか聞こえなければ、思考の道具である言語を獲得するのが遅くなったとまでは言えないと思っているが。

(2)自分だけ会話の意味がわからずに取り残される孤立感が強かったこと。
弟や妹がテレビのアニメを見て笑っても自分だけ笑えないこと、家族の問いかけにも的確に答えられないこと、仲間とふざけていてもその動作に伴う言葉がわからなければピエロ的に振る舞うしかないことが日常生活でずーっと連続すると周囲に反応したり、関わることを止めてしまう。まともに関われば葛藤の底に沈む。心理的な防衛本能ではないか。

(3)難聴をどう受け止めるか身近にモデルがいなかったこと。
祖母も級友もいたが自分とは年齢も聞こえも違っていた。
なぜ自分だけ聞こえないのか。どうして周りに自分の感情を出せないのか、人と会話することに恥と恐怖感を持って過ごしていた。

児童期は本を読むことに熱中した。本は自分の世界が作れる。小学校のころ、深夜にテレビでアメリカのコメディアンのダニ・ーケイ・ショーを見ていた。字幕スーパーが会ったからだ。奥様は魔女、狼少年ケンは洋画とアニメで口も読めずつまらなかった。
青年期は、体操部で肉体でコミュニケートする競技をしていたり、自慰にふけっていた。

今思っても、非常に苦闘した時期だ。

実践的臨床心理学は、自分と相手との相互の信頼関係が確立された中で相手を理解しようとする。
そのためには、自分の理解、自己理解を重視している。

設問で、友だちについて書けという。
シャワーを浴びながら考えて、難聴者団体に入るまで友だちは出来なかったこと、自分と同じようにコミュニケーション出来る仲間の中で「友だち」が得られたこと。難聴でありながら米国に留学した友に一番影響を受けたことなど。

自由記述欄は間に合わない、昼休みに書いて出した。


ラビット 記
おばあちゃんの焼いた厚さ3センチのホットケーキ




エリクソンの発達段階 難聴者の社会福祉学習

2009年06月19日 20時57分08秒 | 社会福祉の学習
090607-082616.jpg次のレポートの締め切りが「障害者福祉論」の6月25日だが週末は出かけてしまうし、少しでも見ておこうとしたら6月20日締め切りの「心理学」があった。

レポート回答用紙の「学習の手引き」を読むと、心理学は各章ともテキストの「宝探し」では駄目みたいなことが書いてある。つまり設問の関連ページ、関連行だけ見ていても回答は書けないとこちらの魂胆を見透かしたようなことが書いてある。
出勤まで4時間しかない。とにかくテキストを読む。

この心理学は、臨床心理学でテキストも「臨床実践の心理学」とあり、第2章は「人間の成長・発達とその課題 ①成長へのプロセス」という題だ。
フロイト、ユングの理論を継承したエリクソンは精神分析的自我心理学の立場とある。エリクソンは、人間の発達を心理・社会的発達と呼ぶ。

これは、人は社会経済的な影響の中で成長し、思想もその制約を免れないと考えているので一気に関心が高まった。

エリクソンは、人の生涯を8つの発達段階に分けていて、第2章は乳児期から青年期までを解説している。
乳児期から児童期は自我の発達、アイデンティティの確立において、親、家族の愛情、働きかけが、青年期は仲間の集団などの環境が人格形成に大きな影響を及ぼすという。
http://deafjournal.org/?page_id=124

レポートの設問の一つが、青年期は「疾風怒濤」の時代と言うがどう考えるかという記述問題だ。
まさに自分の人生における乳児期から青年期は、嵐の中を一人でさまよう「疾風怒濤」の時期だった。

続く


ラビット 記
熊本名物のはるさめの麺




難聴者、中途失聴者手話講習会の行方

2009年06月19日 13時25分51秒 | エンパワメント
090612-085149.jpg行政の広報を見て中途失聴・難聴者向け手話講習会に申し込んでくる難聴者、中途失聴者は、難聴者協会の会員はまずいない。
皆、自分以外の難聴者に初めて出会う難聴者ばかりで、多かれ少なかれ、いろいろな悩みを抱えている人ばかりだ。

難聴者、中途失聴者対象の手話講習会はこうした人々が同じ難聴者等と手話を学び合う中で、抱えている問題を解決していく。
それが、自立する力を身につけるということだ。

この時、難聴者、中途失聴者の新たなコミュニケーション手段としていく手話を獲得する講習会であるが、さらに新しい役割を求められているように思う。
目の前にいる受講生は様々な問題を抱えているだろう人々だ。
福祉、就労、精神保健、教育などついて、様々な専門的支援を受ける権利を持った人々だ。ただそうした権利を有することも知らない。

難聴者向け自立手話講習会の二つの機能を考えてみた。
一つは、新たなコミュニケーション手段を身につける機能。
これは、初めて会う自分以外の難聴者が講師や助手、受講生なので、自分の悩みや問題を受け止めてもらえる人々という信頼関係の構築から始まる。

コミュニケーションは相互に通じ合うことが基本だ。筆談でもホワイトボードのコミュニケーションでも、簡単な手話表現でも通じ合うことを体験する中で閉じていた心を開いてもらい、通じる喜びを共有する。
これは、手話や読話の学習意欲にも他のコミュニケーション支援の利用の促進にもつながるだろう。

二つ目は他の専門的支援とつながる機能。
受講しながら、自分の抱えている問題を整理し、ニーズを解決する専門的支援機関のあること、そうした専門サービスを利用するために要約筆記や相談支援員がいることを学ぶ。
手話を学ぶ講習会の時間外にこうした問題に対応するのではなく、講習会の中に組み込んでいくのだ。

こうしたものを探求するには、難聴者向け手話講習会に関わった講師、スタッフ、聴覚障害者に関わる精神保健福祉士、社会福祉士などの協力が欠かせない。

何でこういうことを繰り返して言うのかというと、難聴者等支援事業を障害者自立支援法の機能訓練の制度に乗せるために、事業の位置づけ、学習目標、カリキュラムを新たに考えなくてはならないからだ。
関心のある人は連絡乞う。


ラビット 記




要約筆記のニーズに地域の違いはあるか

2009年06月19日 13時20分05秒 | 要約筆記
090717-103824.jpg要約筆記は、各地域ごとに発展してきた。

難聴者がそれぞれの地において、社会に難聴問題の理解と差別の解消を求めて同志を募った。どんな集団も集団討議が不可欠であり、難聴者の場合、要約筆記が大きな役割を果たした。
要約筆記が最初からあったわけではない。それまでは板書や筆談、大声で話し合っていたのだ。

その地の難聴者の活動の中で、要約筆記者が育っていった。その意味で難聴者協会の活動と要約筆記は一体で発展してきた。しかし、その地域の難聴者協会やその他の団体がどのような状況か、どのような活動をしてきたかで、要約筆記に求めるものは異なっているだろうか。

県下の市町村に協会や支部を設立してきたところと県組織の活動が中心の場合、社会経済活動が活発な地域とそうでもない地域では、個人派遣の量や派遣先など要約筆記の利用状況は異なる。

地域により、小規模の難聴者の集会とか企業への派遣など利用状況が違うだろう。でも、そこに必要な権利擁護の思想、通訳としての専門性は変わりないということを理解したい。


ラビット 記




NHK「おはよう日本」は字幕がない。

2009年06月19日 08時29分26秒 | 生活
090619-042351.jpg090619-065542NHK.jpg4時半に始まる「おはよう日本」には字幕がない。

7時からのニュースに字幕放送が始まった。
これは全国ネットのニュースだ。

首都圏で同じような映像を5時、6時と放送しているのに、何とか工夫できないものか。
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Wikipedia「リアルタイム字幕放送」より

NHK
* おはよう日本(7時台前半)
* NHKニュース(月~金午前8時30分 2009年度から)
* NHKニュース(正午)
* NHKニュース(午後1時 2009年度から)
* NHKニュース(午後5時) 但し、開始時刻は16:55(午後4:55)からの放送(2008年3月31日~)


ラビット 記




購入後の補聴器のフィッティングはどこで?

2009年06月19日 05時24分09秒 | 補聴器
090618-084016.jpgファンファンさん、コメントありがとうございました。

えっ、同じ湘洋中学でしたか。海の近くで、潮風と潮の匂いが心地よかったですね。クラスメートには波の音も聞こえていたはずですが、難聴の私の記憶には残っていません。
私も2年の担任の数学の岡部昌子先生には大変お世話になりました。

たくさんの課題というか、お悩みをお持ちですね。
健聴のお連れ合いとのコミュニケーションの問題。ご自分の老後のコミュニケーションへの不安。

それに、補聴器の購入後のフィッティングの体制ともし問題が起きた時にどこに相談するかという体制ですね。

一度にお話しするのは難しそうですが、私も販売店で紹介された補聴器のフィッティングを病院で受けました。
補聴器と人工内耳の併用という私の考えを理解される医師でした。病院にメーカーの技術者に来てもらい、そこで補聴器の調整を受けました。医師の考えによりメーカーが補聴器の調整をしたのです。

V社に直接補聴器の調整がうまく行かないという苦情を申し出られたのは良かったです。
V社の営業担当が購入された販売店に出向いて調整に立ち会われるとのこと。そうした営業担当はメーカーに技術の研修を受けていますので、調整を受けられて下さい。

メーカーごとに調整する機器やフィッティング方法が違いますので、他のメーカーの補聴器を調整するのは難しそうです。

2つの補聴器をお持ちで、場面によって使い分けられていらっしゃるとのこと。補聴器の装用には、何を聞くことを重視するかでフィッティングがかなり変わります。
ご家族、お仲間と話をすること、テレビを視聴したり、往来での物音を聞くこと、同じ設定では難しいので、それぞれに合わせる必要があります。

最近の補聴器は、複数の場面ごとに設定を登録して、チャンネルを切り替えることで1台の補聴器で聞き分けられるようになっているのもあります。販売店、病院で相談されてはいかがでしょう。

なお、最新のデジタル補聴器と言えども、テレビや換気扇の音を消したり静かな環境で聞くとかの環境整備、ゆっくり話してもらう配慮は不可欠です。
アメリカでは静かに話が出来るホテルやカフェ、レストランのリストを難聴者協会が作って、公開しているくらいです。

また、続きを書くことにします。


ラビット 記
勤務先近くの市民菜園のひまわり。日に日に大きくなる。