難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者総合支援法の意思疎通支援事業は今年度の実施が必須。

2013年04月04日 19時47分14秒 | 障がい者制度改革
4月1日から施行された障害者総合支援法。
コミュニケーション支援から意思疎通支援事業に変わった。これは市町村の役割と都道府県の役割が明確になった他、国が示した全国共通の仕組みとして都道府県と市町村の実施すべき実施要綱案まで提示したり、通訳者の派遣の範囲も幅広くされている。
余りに大きく変わったので、今年度からの施行は無理で、来年度からと考える向きもあるが、行政的には今年度からの施行は必須だ。

理由は、従来までのメニュー事業の奉仕員派遣事業とも違って、法律上必須事業となっているからだ。これまでも要約筆記者派遣事業は市町村の必須事業だが実施率は50%台にとどまっていた。
しかし、意思疎通支援事業は市町村が実施できない時は都道府県が実施するとなっているので、実施は避けられない。

また、障害者基本法で手話が言語と位置づけられ、意思疎通を仲介するものの養成、派遣をしなければならないと義務付けられている。さらに、障害者差別禁止法の上程と施行が閣議決定されている。いかにグレードダウンした形であっても国や地方公共団体の実施は避けられない。

障害者総合支援法を国会で成立した時に、衆参両院で付帯決議で、手話が言語とされたことを踏まえたコミュニケーション支援事業の拡大、個人利用以外の広域的な派遣、複数の居住地の聴覚障害者の集まる場への派遣が決議されている。

このため、厚生労働省は昨年6月から局長通知で、意思疎通支援事業の内容を知らせ、障害保健福祉主管課長会議を10月、今年2月と2回も開いた他、昨年12月には事業の詳細を全国に通知をしている。3月27日には、都道府県と市町村が共通に実施すべきものとして、実施要綱案(モデル要綱案)まで示しているのだ。
25年度の地域生活支援事業の予算は10億円アップの458億円だが従来の経費をカットし、さらに必須事業を優先的に補助するとしている。

ここまでして、来年度から施行はあり得ないだろう。

ラビット 記