難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

小泉・竹中「改革」の犠牲者か?自立支援法の中心人物

2009年06月16日 20時23分25秒 | 生活
090615-225922.jpg090615-225942む.jpg一度直接話したことがある。
コミュニケーション支援事業の応益負担は呼吸に課金するようなものだと話したら、会場から近寄ってきて、「それは間違っている、現行法のサービスを低下させることはないのだから」と言われた。それが最初で最後だ。
しかし、その後、コミュニケーション支援事業の有料化が全国のあちこちで噴出したのだ。

障害者自立支援法の成立に「力を尽くした」と報道されているが、障害者自立支援法を巡って、多くの障害者団体が反対の声を上げている時に事件は起きたのだ。何があったのか、事件の全容の解明を求める。
障害が重くなればなるほど自己負担も重くなる応益負担の障害者自立支援法。これに数百億円もの「利益」を生み出した事業者に加担した二重の原罪。

障害者自立支援法自体が三位一体改革の産物なので、彼女も小泉・竹中改革の犠牲者だということを聞いた。

言うまでもなく、一番の被害者は障害者自身だ。
まじめな低料第3種郵便物を発行している障害者団体まで迫害されるのはおかしい。障害者福祉が権利でなく、利権に使われたら、むなしい。


ラビット 記




法要の要約筆記

2009年06月16日 13時49分09秒 | 生活
090716-123502.jpg告別式が12時からなので早めに着いて、同僚に挨拶した。
要約筆記者と落ち合うと、勤務先の社長や同僚とかも来た。しばらくして先に焼香を済ませると食事が出された。
その後、僧侶の読経があるのかと思っていると親族のみのようで、私たちはそれで辞すことになった。

2時間もかけて来てもらった要約筆記者が書いたことは少なかったが、何か話されても大丈夫という安心感があったのは良かった。
要約筆記者も礼服を着ていたのでそれほど目立つことはなかったが、私が要約筆記者を同行していたことが同僚にもわかってもらえたと思えた。

社会生活で要約筆記が溶け込むには、利用を増やすことも必要だ。


ラビット 記




今日は遠方の法事に要約筆記の派遣を。

2009年06月16日 11時03分56秒 | 要約筆記事業
090616-093009.jpg入社以来の同僚に不幸があり、法要に会社の上司や多数参列すると思われたので、要約筆記者の派遣を依頼した。

家から電車を乗り継いでもうすぐ着くが4時間もかかる。居住地で広域派遣の制度があるわけではないが、派遣センターが先方の派遣センターに取り次いでくれた。
こちらのセンターも先方の県も各市と要約筆記者派遣の契約をしていないと出来ない。

着いた。


ラビット 記





新型インフル、フェーズ6に。テレビに字幕はない!

2009年06月13日 20時16分44秒 | 生活

090612-081254.jpg
090612-080922.jpg2009年6月12日の朝のテレビ。

12日、世界保健機関WHOの新型インフエルエンザの世界的大流行の段階フェーズ6にあるという発表を受けて、NHKが解説をしていたが字幕放送も手話放送もなかった。

民放は、冬季スポーツ上村愛子選手の婚約と日本人ピアニスト辻井伸行さんのコンテスト優勝の報道などばかりだったが、字幕放送はない。

北朝鮮の人工衛星発射の際も、新型インフルエンザの厚生労働大臣の緊急記者会見も、字幕もテロップもなかった。

こうした緊急時の放送の対象に聞こえない人は入っていないということか。普段から対象に入っていないと緊急時にも対応できないのに。

総務省の「視聴覚障害者向け放送番組のあり方」研究会の時にも、放送事業者は何時起こるか分からない緊急時のために字幕入力者を待機させられないと書かれたのはショックだった。結局、聞こえない人の安全はカネなのか。国民全体ではない、聞こえない人にだけということだ。差別も極まれりだ。
待機させるのに幾らかかるのか、スーパーハイビジョンの開発にかけている金は幾らなのか。視聴者が納得しない金額なのか。
BPOに訴えられても、裁判になっても抗弁できるのか。日本の放送事業者はテレビ番組のユニバーサルデザイン化と合理的配慮をしないことを国連の障害者権利条約に基づく機関で調査されても説明できるのか。

現場でもいろいろ努力されているだろうが、その説明が欲しい。対応について相談して欲しい。また犠牲者が出てから対応するのは絶対に困る。


ラビット 記




人工内耳友の会、新会長に。NHKの「人工内耳」

2009年06月13日 19時41分27秒 | 人工内耳
090613-160313.jpg第23回人工内耳友の会【ACITA】の定期総会と全国懇談会が埼玉県所沢市で開かれ、新会長に松田法夫氏がなった。前会長塩田辰樹氏は副会長として、運営を補佐するとのことだ。来年は浜松大会になる。

アトラクションに城西大学川越高校、中学校の和太鼓「欅」の演奏があった。
人工内耳と補聴器で聞くと、かなり勇壮な太鼓の音でも不快感を起こすような大きさにもならず、かといって割れた音でもない。
これは前の補聴器だったら、必ずボリュウムを下げたりしなければならなかった。
それだけ、人工内耳も補聴器も進歩している。

明日14日には、NHK「ろうを生きる 難聴を生きる」で人工内耳が取り上げられる。19:30-19:45。
再放送は19日(金)12:45-13:00、21日(日)19:30-19:45、26日(金)12:45-13:00

このところNHKでは人工内耳に対する誤解を招くような形で取り上げられているので、そうした懸念や誤解を解く内容であると良いのだが。


ラビット 記




参議院本会議で著作権法可決

2009年06月12日 13時14分59秒 | 生活
090612-084732.jpg本日6月12日午前中の本会議で、著作権法改正案が可決されたとのことだ。

昨日には、参院文教委員会で可決していた。

法律が施行されるのは2010年1月1日からとなっており、その前に施行のための政令やガイドラインなどが交付されので、これに視聴覚障害者や多くの障害者のニーズを反映させる細かい詰めが必要になる。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>ビデオの会議録は
>http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_rm.php?sin=3293&on=1244752733&si=a98157356d125db1698ebd901231e4444&ch=y&mode=LIBRARY&un=583cb193c91511cd40c8784e5135f7b1&pars=0.6525421154180211
>です。
>37条改正にかかわる部分は開始後1時間25分ー1時間48分の間です。他に付帯決議が最後のほうにあります。
>





国会図書館のデジタル化はアクセシブル目的に

2009年06月12日 13時06分38秒 | 生活
090612-084706.jpg国立国会図書館の図書がデジタル化されるにあたって、障害者・高齢者の読書のアクセスが容易になるように期待する。

障害者の権利条約の審議の過程で、WFDのリサ代表が図書の手話によるアクセシビリティを訴えていた。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆さま唐突ですが、緊急を要する補正予算の有効活用につきまして下記のような投稿をいたしました。5月31日付朝日新聞朝刊「声」欄に掲載されました拙稿を下記に引用します。
これを機会に国立国会図書館の電子図書館が諸外国の国立電子図書館同様に障害者・高齢者をはじめとする読書が困難なすべての人に配慮したものになるように、緊急に行動を起こす必要があると考えておりますが、下記投書の内容についてご意見を頂ければ幸いです。
お忙しいところをお読みいただきありがとうございました。草々
デイジーコンソーシアム会長河村 宏
e-mail hkawa@daisy.orgwww.daisy.org
―――
以下、掲載された投書の文章です。

デジタル化は教科書優先で
福祉団体役員  河村 宏 (東京都調布市 62)

 予算約126億円がついた国立国会図書館のデジタル化を本紙社説が支持した(25日朝刊)。適切な形式のデジタル図書は多くの障害者や高齢者に優しい。発達・学習障害などで「読める」教科書がない子どもたちも国内に多数おり、デジタル化には教科書整備を優先すべきではないだろうか。
 私も携わる日米欧豪の非営利団体はデジタル録音図書の国際標準規格「DAISY(デイジー)」を開発、無償提供し図書のデジタル化を進めてきた。デイジー図書は文章に音声・画像がつき、検索が容易で、視聴覚障害のみならず発達・学習障害児を含む人々が自力で読める。

 日本では視覚障害児のために拡大教科書は予算化されているが、発達・学習障害児にも有効なデイジー版教科書はボランティア頼りで、供給が足りていない。

 教科書のデイジー化は昨年の著作権法改正で認められ、国会図書館がデイジー版教科書を提供するための法的環境は整った。「読める」教科書のない子どもたちや高齢者の存在に心を配った蔵書のデジタル化を切に望む。




法律専門雑誌の「障害者雇用」特集と難聴者

2009年06月12日 02時11分50秒 | 生活
画像-0035バラ.jpg法律専門雑誌で、「障害者雇用」特集がブームとあった。


聴覚障害は目に見えない。難聴者や中途失聴者の雇用に置ける差別は、本人が差別されていることが分からないこともある。普段、同僚が何気なく話していることが聞こえないし、話していることも気づかないことがある。同僚も、普段の会話や配慮がまさか「差別」になるという意識はないだろう。

職場の会議で、同僚や上司が筆記してくれたら、嬉しい反面、会議に加われないので、迷惑をかけているという心理が働く。「会社の経営が厳しいので通訳を毎回依頼する予算がない、私が書いてあげるから」と言われれば若い社員ほど、「でも会議の内容をきちんと把握して意見も言えるためには通訳が必要です」とは言えない。会社は配慮してあげているという意識を持っているからだ。これも間接的な差別になるだろう。


ラビット 記
---------------------------------
「EU労働法政策雑記帳」の「障害者雇用ブーム」より
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-bf3e.html
著者については
http://homepage3.nifty.com/hamachan/
最近の発言は
http://homepage3.nifty.com/hamachan/nhkmakeworkpay.html

ここのところ、障害者雇用がちょっとしたブームのようです。『法律時報』4月号が障害者権利条約を特集していたかとおもうと、
http://www.nippyo.co.jp/magazine/5015.html

■特集=障害者権利条約と日本の課題
障害者権利条約の概要――実体規定を中心に/川島 聡
障害者権利条約における差別禁止と差別の三類型/東 俊裕
障害者権利条約と労働/松井亮輔
障害者権利条約と教育――障害者主体のインクルーシブ教育と盲・ろう・盲ろう教育/長瀬 修
障害者権利条約と自立生活/藤井克徳
障害者権利条約と実施措置/山崎公士
〈資料〉障害者の権利に関する条約〔日本政府仮訳文〕

『労働法律旬報』5月下旬号が「障害者の権利条約と障害者雇用」という特集。
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/536?osCsid=71be8647970d4ea3fba71667342bc262

〈特集〉障害者の権利条約と障害者雇用
 *障害者権利条約とわが国の障害者の一般雇用施策関係法の問題点と課題[山田耕造]―6
 *ドイツの障害者雇用の現状と検討課題―日本法への示唆[小西啓文]―22
 *アメリカの障害者雇用[永野秀雄]―32
 *EU均等法と障害のある人・家族・支援者の雇用―英国コールマン事件を契
機とする均等待遇保障の新展開[引馬知子]―43
 *裁判に見る日本の障害者雇用の現状[清水建夫]―53

そして、来週初めに発行される『季刊労働法』も、障害者雇用特集です。

特集 障害者雇用の方向性を考える
障害者雇用の現状と法制度 田口晶子
障害者雇用の法理 山田省三
障害者雇用の今後のあり方をめぐって 松井亮輔
差別禁止法における「障害」(disability)の定義 長谷川珠子
イギリス障害者差別禁止法の差別概念の特徴 長谷川 聡
フランスの障害者雇用政策 永野仁美
日本における障害者雇用にかかる裁判例の検討 小西啓文 他

これだけまとめて読むと、大変勉強になると思います。



1年半後の人工内耳調整

2009年06月11日 20時02分05秒 | 人工内耳
090611-193802.jpg昨日、人工内耳装用後1年半後の聴力検査を行った。その後マップを再調整した。
その聞こえは、自動感度調整ASCと騒音抑制機能ADROの組み合わせで感度S5、ボリュウムV9で聞いているが、少しわくわくする。
人工内耳を補聴器装用の併用に馴れ始めたころほどでもないけれども。

一日、おやということが続いた。
1)勤務先のテレビはアナログで字幕はないが、「つばさ」の話が少し分かるような気がした。

2)反響しやすい狭い会議室で上司の声が聞こえた。

3)うるさい事務所で上司の矢継ぎ早の指示が分かった。

4)道路の反対側を歩く男の足音がすぐ側を歩いているように聞こえた。

5)電車がトンネルを通過する際も、人工内耳を外したり感度を下げなくても済んだ。


失敗もある。昼休みに椅子に横たわって仮眠をしていたが、席に戻ってからうん聞こえないなと気が付いたら人工内耳がない。慌てて寝ていたところに戻ると人工内耳が落ちていた。
帰宅時、駅のホームでの待合室でうん聞こえないなと思ったら、コイルのマグネットが壁にくっついていた。

すぐ気が付かないととんでもないことになる。


ラビット  記




法律専門雑誌の「障害者雇用」特集と難聴者

2009年06月11日 07時45分50秒 | 権利
画像-0035バラ.jpg法律専門雑誌で、「障害者雇用」特集がブームとあった。


聴覚障害は目に見えない。難聴者や中途失聴者の雇用に置ける差別
は、本人が差別されていることが分からないこともある。普段、同
僚が何気なく話していることが聞こえないし、話していることも気
づかないことがある。同僚も、普段の会話や配慮がまさか「差別」
になるという意識はないだろう。

職場の会議で、同僚や上司が筆記してくれたら、嬉しい反面、会議
に加われないので、迷惑をかけているという心理が働く。「会社の
経営が厳しいので通訳を毎回依頼する予算がない、私が書いてあげ
るから」と言われれば若い社員ほど、「でも会議の内容をきちんと
把握して意見も言えるためには通訳が必要です」とは言えない。会
社は配慮してあげているという意識を持っているからだ。これも間
接的な差別になるだろう。


ラビット 記
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「EU労働法政策雑記帳」の「障害者雇用ブーム」より
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-bf3e.html
著者については
http://homepage3.nifty.com/hamachan/
最近の発言は
http://homepage3.nifty.com/hamachan/nhkmakeworkpay.html

ここのところ、障害者雇用がちょっとしたブームのようです。『法律時報』4月
号が障害者権利条約を特集していたかとおもうと、

http://www.nippyo.co.jp/magazine/5015.html

■特集=障害者権利条約と日本の課題

障害者権利条約の概要――実体規定を中心に/川島 聡
障害者権利条約における差別禁止と差別の三類型/東 俊裕
障害者権利条約と労働/松井亮輔
障害者権利条約と教育――障害者主体のインクルーシブ教育と盲・ろう・盲ろう
教育/長瀬 修
障害者権利条約と自立生活/藤井克徳
障害者権利条約と実施措置/山崎公士
〈資料〉障害者の権利に関する条約〔日本政府仮訳文〕

『労働法律旬報』5月下旬号が「障害者の権利条約と障害者雇用」という特集。

http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/536?osCsid=71be8647970d4ea3fba71667342bc262

〈特集〉障害者の権利条約と障害者雇用
 *障害者権利条約とわが国の障害者の一般雇用施策関係法の問題点と課題[山
田耕造]―6
 *ドイツの障害者雇用の現状と検討課題―日本法への示唆[小西啓文]―22
 *アメリカの障害者雇用[永野秀雄]―32
 *EU均等法と障害のある人・家族・支援者の雇用―英国コールマン事件を契
機とする均等待遇保障の新展開[引馬知子]―43
 *裁判に見る日本の障害者雇用の現状[清水建夫]―53

そして、来週初めに発行される『季刊労働法』も、障害者雇用特集です。

特集 障害者雇用の方向性を考える

障害者雇用の現状と法制度 田口晶子
障害者雇用の法理 山田省三
障害者雇用の今後のあり方をめぐって 松井亮輔
差別禁止法における「障害」(disability)の定義 長谷川珠子
イギリス障害者差別禁止法の差別概念の特徴 長谷川 聡
フランスの障害者雇用政策 永野仁美
日本における障害者雇用にかかる裁判例の検討 小西啓文 他

これだけまとめて読むと、大変勉強になると思います。



1年半後の人工内耳の聴力検査

2009年06月10日 21時21分35秒 | 人工内耳
090610-082336.jpg今日の夕方から人工内耳の装用後1年半後の聞き取り検査を行った。
右側にデジタル補聴器を装用し、左は人工内耳を自動感度調整とADOROの設定をした。S(感度)が5、V(ボリュウム)が6。

「あ」+「あ行のオン」(アハ、アマ、アサなど)2音節の聞き取りは、1年後の45%が1年半後は53.6%に、「ら」や「ぬ」などの単音節が35%が41.7%に、「ねこ」や「かむ」など単語は84%で変わらず、文や章は95%が93.3%にという結果だった。
単語や文章は変わらなかったが、子音の聞き分けが少し向上したと言えるだろう。もっとも、防音室内で聞くのだから「試験データ」でしかない。

実際の生活場面では今までは聞こえなかったマスク越しの声とか、字幕のないニュースの音声とか聞こえるようになっている。勤務先の会議は依然として難しいが。

検査後、低音域をもっと強調し、環境音などを35~60dBだったのを45~70dBが入るように(お意味がよく分からないが、小さな音は聞こえなくなり、やや大きい音も入ってくるようになるとのことだった)マップを調整したので、また違って聞こえる。

自分の声がよりリアルに分かるなった気がするのでゾクゾクする。自分の声がどのように発せられているかを自覚出来るので、発音だけでなく声の強弱や早さも気を付けることが出来る。

次回は7月23日。


ラビット 記




今後の難聴者支援と要約筆記のあり方

2009年06月10日 15時30分30秒 | エンパワメント
090608-164400ピンクトラオムラント.jpg難聴者は聞こえない、話されている言葉が分からない、書いて欲しい、書いて伝える人、要約筆記が必要という理解はこれでいいのか?

難聴者は普通に社会の中で生活している。難聴者は、多くのニーズと様々な課題を持っている。
これを解決するには、要約筆記さえあれば良いとは言えない。

要約筆記は派遣事業が制度化されてから25年以上の歴史を持つが生活の中で要約筆記が身近に利用されているとは言えない。特に、まだ個人利用が多いとは言えない。
これは、要約筆記自体の社会的認知の遅れ、市町村で派遣制度が身近になかったということも技術が実用レベルになかったということもあるだろう。しかし、難聴者の意識もあるのではないか。

優れた要約筆記者がいれば自分はどの生活の場面でも社会のどんな分野にも対応出来る自信を持って、「使い倒す」人は少ない。
難聴者がやはり、難聴者が要約筆記を使うようになるには、それだけの理解と自覚が必要だ。とどのつまりはそうした意識に達していないということではないか。
聞きにくいのもあるが、難聴者は聞こえなくなると難聴者になるのではない。難聴という機能障害を持った人が、いろいろなことを経験したり学んで難聴者になる。

難聴者は、いろいろな支援を必要とする。情報バリアフリーの環境、相手とのコミュニケーションの取り方、補聴器機の使い方、福祉制度、セルフ・エスティームなどについて学ぶ中で、自立する力を身につける。

難聴者と関わる社会資源の人々、介護福祉士、ケアマネージャー、民生委員、保健師、学校教員、PTA役員、スーパーやデパート、電気店の店員などに難聴と難聴者の問題を理解してもらい、耳鼻科医、行政、情報提供施設、難聴者協会、補聴器専門店など専門機関につなげる役割を持つ人々が必要ではないか。

全国要約筆記問題研究会のホームページに、「報告書「要約筆記奉仕員の今後のあり方について」」が発表されている。
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/katudo/reportarikata.pdf
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/katudo/reportarikata2.pdf


ラビット 記




明日は、人工内耳装用後1年半の聴力検査。

2009年06月09日 21時03分56秒 | 人工内耳
090608-164226ブーゲンビレア.jpg人工内耳の装用を開始してから、ちょうど1年6ヶ月と1週間。

人工内耳の聞こえ方は、こうだ。
「あー」と声を出しながら、左の人工内耳だけで聞く。
当然、左から聞こえる。少しこもるがちゃんと「あー」と聞こえる。

右のデジタル補聴器のスイッチを入れて、だんだんボリュウムをあげていくと真ん中で聞こえるようになっていく。しかし、ボリュウムを最大にしても右側から聞こえるということはない。
人工内耳と補聴器のバランスが取れているのか、脳の仕組みか、理由は分からない。

真ん中から「あー」と聞こえるが自分の声に色が付いたようだ。声が震えているとか声の銚子とがよく分かるからだ。

人工内耳のメリットの一つが、自分の声が聞こえるようになることだ。
他の人の声がわからなくても自分の声は分かる。自分の声が分かるということは、何をしゃべっているか、どのようにしゃべっているかが分かると言うことだ。
それはコミュニケーションに大きな効果をもたらすのだ。どのようにしゃべると相手がどう反応するか分かるからだ。

こういう口調で話すと相手のうなずきが多くなるとか、好感を持たれるとかが分かるのだ。生来の難聴だと相手の声が聞きにくいのもあるが、自分の声に対する相手の反応の経験の蓄積が出来ない。これは、聞こえる人に比べて大きなハンディだ。

やはり、声の持っている情報(プロソディ)が多いことを実感する。要約筆記や字幕の文字では、意訳したとしてもすべては反映されない。顔を見ずに声だけで会話する電話でも、相手の声の強弱、話し方、息づかいや周囲の音で受ける言葉の意味が分かる。だから100年以上も電話という通信手段が使われているのだろう。


明日の聴力検査では、言葉の聞き取り検査があるが、どれだけ向上しただろうか。この間、あまり聞き取りの練習とかはしないできてしまった。


ラビット 記





爆笑問題と盲ろう教授福島智

2009年06月08日 23時50分07秒 | 生活
大熊由紀子さんからのメールから。
先週の爆笑問題の予告編で放送されていた。

ラビット 記
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【9日、福島智さんが、なんと、「爆笑問題」に登場】
あす、9日(火)午後11時~11時30分
NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養
「私は ここに いる~障害学・福島智~」
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20090609.html
からサワリを。
目が見えず、耳が聞こえない東大教授・福島智。
爆笑問題の二人は、当初一体どうやってコミュニケーションをとればいいのか戸惑っていたが、やがて福島と徹底的に議論を繰り広げるようになる。(略)

智さんについては、
★「えにし」のホームページhttp://www.yuki-enishi.com/
目次右側、上から10番目
「目からウロコのメッセージの部屋」の下から2番目
「障害者は、目に見えない刑務所に無実の罪で」
★「えにしの会2003」でのスピーチ、
http://www.yuki-enishi.com/enishi/enishi-2003-02.3.html
をどうぞ。


母校で難聴にまつわる事件が発生

2009年06月07日 14時41分01秒 | 生活
グーグルで「難聴」や「難聴者」に関するニュースを受けているが、母校の名前が出てきてびっくり。さらに、難聴という言葉もあって驚愕した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090606-OYT1T00036.htm?from=navr

その母校でいじめがあっても学校側が対応せずに、子供が心因性の難聴になったことは、当時自分は難聴で苦しんでいたので人ごとではない。

もう卒業して42年になるが、中学入学時に親に買ってもらった補聴器をつけるのが恥ずかしくてつけていなかった。2年生になって担任の岡部昌子先生が数学のテストプリントにいつも「補聴器をつけることは恥ずかしいことではない、先生の授業も分かるようになって成績も向上するから」と朱書してくれ続けていた。ある日補聴器を付けていったら涙を流して喜んでくれた。突然指名するのでミサイルと呼ばれて恐れられていた先生だが生徒想いだったのだ。社会主義者の山川菊栄さんを扶養するなど、進取に富んだ先生だった。

新聞には、1年前の秋葉原無差別殺人事件の検証記事が掲載されている。犯人が職場でもネットでも劣等感や孤立感を深めていったことが事件の背景にあるという。
人間としてのコミュニケーション出来ない就労環境や最低限の生活レベルすら維持できない劣悪な労働収奪体制が背景にあったことは想像が固くない。

難聴者も見て分からない障害であり、話せるが聞こえないという理解しにくいコミュニケーションの障害から劣等感や孤立感は常に持っている。

教育の場における、いじめを誘発しない、豊かなコミュニケーション、多様な価値観の醸成は見えない障害に対する想像力と理解を助けるだろう。

高齢者が社会に急増している今、難聴に対する理解は教育にも求められているのではないか。

ラビット 記
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難聴に関する Google ウェブ アラート
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