冬ざれて 鏡に写る 老いの顔
(ふゆざれて かがみにうつる おいのかお)
18358 【季語】 冬ざれ 【季節】 晩冬
鍋のもの 湯気の向こうに 幸せが
(なべのもの ゆげのむこうに しあわせが)
18359 【季語】 鍋焼き 【季節】 三冬
春を待つ ボイスレコーダーの 妹の声
(はるをまつ ぼいすれこーだーの いものこえ)
18360 【季語】 春を待つ 【季節】 仲冬
今生きて 明日も遠き 春を待つ
(いまいきて あしたもとおき はるをまつ)
18361 【季語】 春を待つ 【季節】 仲冬
日向ぼこ バス一便を 見送りし
(ひなたぼこ ばすいちびんを みおくりし)
18362 【季語】 日向ぼこ 【季節】 三冬
飲み会の 最後の締めは 雑炊じゃ
(のみかいの さいごのしめは ぞうすいじゃ)
18363 【季語】 雑炊 【季節】 三冬
火事跡の 赤い鳥居の 痛々し
(かじあとの あかいとりいの いたいたし)
18364 【季語】 火事 【季節】 三冬
7月に撮影に行った明石の旧飲み屋街でその後火事が起こった。
街出れば ポインセチアの 目立つ頃
(まちでれば ぽいんせちあの めだつころ)
18365 【季語】 ポインセチア 【季節】 仲冬
冬凪や 小さき漣 キラキラと
(ふゆなぎや ちいさきさざなみ きらきらと)
18366 【季語】 冬凪 【季節】 三冬
枯れ草で 隠れんぼする 雀たち
(かれくさで かくれんぼする すずめたち)
18367 【季語】 枯れ草 【季節】 三冬
熱燗や 耳朶で冷やす 指二本
(あつかんや みみたぶでひやす ゆびにほん)
18368 【季語】 熱燗 【季節】 三冬
冬籠り 足の痛みの まだ癒えず
(ふゆごもり あしのいたみの まだいえず)
18369 【季語】 冬籠り 【季節】 三冬