HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

戦場のメリー・クリスマス

2012年12月09日 | ジャズ曲・洋楽・ポピュラー曲
Tさん:
「この時期なので」と レッスンに持ってきてくれたのは「戦場のメリー・クリスマス」でした。
坂本龍一教授作曲のこの曲、正確には 「映画『戦場のメリー・クリスマス』サウンドトラックの中の『メリー・クリスマス、Mr.ローレンス』」という曲ですが、「戦メリ」といえばこの曲を指す、代表的な曲です。
ちょっと東洋的なスケール(音階)や楽器が使われていて、不思議に惹き付けられる、一度聴いたら忘れ難い印象を残す曲です

Tさんの、自分でアレンジを加えたという演奏は、そんな「戦メリ」の雰囲気をよく表現していて、何より「この曲を美しいと感じている」Tさんの気持ちが伝わってくる感じがしました。
こうして、自分が美しいと感じ、好きだと思う曲を、自分の感じたままに表現するのは至福の喜びだと思います。
小さい生徒のみんなは、まだ、自分が本当はどんな曲に感じ入り、どんな音楽が好きなのか、はっきりとはわかっていないかもしれません。
けれど、ときに、「なぜだかわからないけどこの曲が好き」と、心をつかむ曲が現れることがあったら。
きっと、それはずーっと、好きでいられる曲なんだと思います。
その時の「好きだ」と思った気持ちを忘れないで、大事にしていれば。
きっとあなたは、すてきな大人の「音楽人」になれると思います


キノパパのアルペジオ

2012年12月09日 | レッスン日記(小中高生)
キノパパ:
何年か前のコンサートのときに、易しいバージョンにアレンジして弾いた「タイスの瞑想曲」を、
「もう一度 きちんと弾いてみたいのです」と また一からレッスンし始めました。
ピアノの実力が前よりずっと上がっている今は、アレンジなしの重厚バージョンでね。

キノパパさんは、アルペジオの音色がとてもきれいに弾けます。
前回のこの曲を弾いたときも シンプルなシングルノートのアルペジオを美しく弾いていましたが、今回もやっぱりキノパパらしい柔らかなアルペジオが弾けています。
今回は、楽譜通りに弾くので、左手のアルペジオは重音になっています。
ともすると騒々しくなりがちな音使いなのに、なぜ、キノパパさんは柔らかな音で弾けるのでしょうか。

その理由は、キノパパはアルペジオを「フレーズ」として捉えているからだと思います。
娘のキノッチが大学生になってから、ピアノを始めたキノ(ッチの)パパは、多分、こどもや若い人みたいに、楽譜を見て瞬時に鍵盤で弾ける、というわけにはいかないのだと思うのです。反射的には音が取れない代わり、キノパパは丁寧に少しずつー1フレーズ楽譜を読んで、一つのフレーズ、一つのアルペジオを何度も何度も心の中で歌い、イメージし、手のポジションを考え、指運びを覚え、そうして初めて、ピアノの音として再生しているのだと、ヒバリ先生は思っています。
目で楽譜を追い、とりあえず次の音、次の音と探っていったら、ゴツゴツした「音の羅列となってしまい、決してキノパパのような易しい「音色」にはなりません。
フレーズをフレーズとして、充分飲み込んでから弾いているからこその 生きたアルペジオなのです。
時間がすごくたくさんかかり、どんどん先へ進むことはできないのですが、この弾き方、この音色こそがキノパパらしさ、キノパパの良さだと、私は思っています。