Sちゃん(小3):
「わたしね、『トルネコ』の、最初のほうだけ両手でやってきたよ!でも、ずっとクロスで弾くの大変だった!」
Sちゃんは、レッスン室に入るとすぐに、両手をクロスの形にして言いました。
そうだった。
「ドラゴンクエスト」の本から、新しくやる「武器商人トルネコ」は、高音部で伴奏が弾かれ、低い音でメロディーが流れる、という曲です。
ヒバリは最初にこの楽譜を見たとき、てっきり左手でメロディーを弾いて、右手で伴奏をつけるんだと思ってました。
でも、よく見ると、音符にふっている指番号がヘンだ・・・
そうか、いつもと違って左右の役割が逆になったら、生徒の皆さんには弾きづらいでしょうから・・・という配慮で、楽譜を編纂した人がわざわざ、メロディーを右手、伴奏を左手、という形にしてくれてるんだ。
でもそのためには、右手をヘ音記号の低いほうの位置に、そして左手を、ト音記号の高いほうの位置に置いて・・・つまり両手をクロスして弾かなきゃいけないのだ。
小学校3年生のSちゃんには、ものすごく大変なポーズになってしまいます。
「そうだねえ・・・ずーっとクロスしたまま弾かなきゃいけないもんね。疲れるよね?」
「うん。でもお母さんが、かっこいいねって言ってた」
「そうか。かっこいいか・・・ ねえ、左手でメロディー弾いて、右手で伴奏するのって難しい?そうすれば、クロスしないでいいんだけど」
「こう・・・?」
Sちゃんは やろうとしてみましたが・・・
「ムリ!ムリ!ムリ!全然できない。こんがらかっちゃうし」
そうか。やっぱり無理だったか・・・
そのとき先生の頭に、いい考えがうかびました。
「そうだ。もっとずーっと左に寄って。」
とピアノの椅子を低音部の方へずずーっと引っ張りました。
「右手の練習するときは、こうやって左の方にズレて、それでまっすぐの手で弾くの。それから、左手の練習するときは」
今度は、ピアノの椅子をずーっと高音部の方へ押しやります。
「うーんと高い方の場所に座って、まっすぐの手で左手を練習する。これなら疲れずに、曲が覚えられるね。そして、左右それぞれ上手に弾けるようになったら、そのとき初めて、真ん中に座って、両手をクロスして、全部一緒に弾くの」
「両手いっしょに練習しなくていいの?」
「そう、初めのうちはね。弾けるようになってから合わせるのでいいから」
「わかった」
Sちゃん、この曲気に入っているようなので、すごくしんどいけど がんばってマスターしてくれると思います。
あまり無理せずに、練習の仕方を工夫していこうね。
「わたしね、『トルネコ』の、最初のほうだけ両手でやってきたよ!でも、ずっとクロスで弾くの大変だった!」
Sちゃんは、レッスン室に入るとすぐに、両手をクロスの形にして言いました。
そうだった。
「ドラゴンクエスト」の本から、新しくやる「武器商人トルネコ」は、高音部で伴奏が弾かれ、低い音でメロディーが流れる、という曲です。
ヒバリは最初にこの楽譜を見たとき、てっきり左手でメロディーを弾いて、右手で伴奏をつけるんだと思ってました。
でも、よく見ると、音符にふっている指番号がヘンだ・・・
そうか、いつもと違って左右の役割が逆になったら、生徒の皆さんには弾きづらいでしょうから・・・という配慮で、楽譜を編纂した人がわざわざ、メロディーを右手、伴奏を左手、という形にしてくれてるんだ。
でもそのためには、右手をヘ音記号の低いほうの位置に、そして左手を、ト音記号の高いほうの位置に置いて・・・つまり両手をクロスして弾かなきゃいけないのだ。
小学校3年生のSちゃんには、ものすごく大変なポーズになってしまいます。
「そうだねえ・・・ずーっとクロスしたまま弾かなきゃいけないもんね。疲れるよね?」
「うん。でもお母さんが、かっこいいねって言ってた」
「そうか。かっこいいか・・・ ねえ、左手でメロディー弾いて、右手で伴奏するのって難しい?そうすれば、クロスしないでいいんだけど」
「こう・・・?」
Sちゃんは やろうとしてみましたが・・・
「ムリ!ムリ!ムリ!全然できない。こんがらかっちゃうし」
そうか。やっぱり無理だったか・・・
そのとき先生の頭に、いい考えがうかびました。
「そうだ。もっとずーっと左に寄って。」
とピアノの椅子を低音部の方へずずーっと引っ張りました。
「右手の練習するときは、こうやって左の方にズレて、それでまっすぐの手で弾くの。それから、左手の練習するときは」
今度は、ピアノの椅子をずーっと高音部の方へ押しやります。
「うーんと高い方の場所に座って、まっすぐの手で左手を練習する。これなら疲れずに、曲が覚えられるね。そして、左右それぞれ上手に弾けるようになったら、そのとき初めて、真ん中に座って、両手をクロスして、全部一緒に弾くの」
「両手いっしょに練習しなくていいの?」
「そう、初めのうちはね。弾けるようになってから合わせるのでいいから」
「わかった」
Sちゃん、この曲気に入っているようなので、すごくしんどいけど がんばってマスターしてくれると思います。
あまり無理せずに、練習の仕方を工夫していこうね。