![]() | 吉原手引草 (幻冬舎文庫) |
松井今朝子 | |
幻冬舎 |
これは別に、「曽根崎心中」のために読んだわけではありませんが。
たまたま、廓のお話だっただけです。
時代劇マニアなくせに、
時代小説を読んだことがなかったのですが、
これはおもしろかったです。
引き込まれて読んでしまいました。
遊郭から忽然と消えた花魁葛城。
彼女をとりまく人々が、
吉原を、葛城を、事件を、それぞれ語ります。
虚と実が交錯する色里で
はたして事件の真相は浮かんでくるのか―――
結局、最後まで葛城は出てきません。
はじめは、いったい何の話なのか
まったく提示されないまま始まり、
花魁をめぐる人々の語りから、
しだいに明らかになっていく事の真相。
ストーリーの構成がおもしろいです。