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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

宇陀地方の古墳巡検⑧ ~向坊1号墳~

2024-06-01 23:00:50 | 古墳紀行
 今回は、近鉄の室生口大野駅のすぐ北側にある向坊1号墳を紹介。
 この古墳については、駅のホームからも古墳の姿を望むことが出来る。これだけ駅前にある古墳というのも珍しい気がする。
 
 

 古墳へは、室生口大野駅を出て、少し線路に沿って西へ向かい、線路の下をくぐって、反対側にすぐ右に曲がると、変電所の前を通って古墳のある広場に出ることが出来る。(はじめこの道がわからなくて、少し北に上がってから、変電所の上から古墳のある場所に向かった。)

 

 向坊1号墳は、室生口大野駅のすぐ北側にあり、目の前を近鉄電車が行き交っている。ただ、駅前とは言え、まず人通りはないような場所にあるが、広場には大きな説明板が立てられている。

 
 
 古墳自体は丘の斜面を利用して造られているようであり、古墳の羨道部の下は崖のようになっている。

 

 そして、古墳の天井石はむき出しになっており、その下にある石室の開口部は、笹で覆われており、笹こきしながら、石室の中に降りていくことになる。

 

 石室は横穴式石室で、玄室には入ることが出来る。もともとの石室は5mほどの長さであったと考えられているが、羨道については、すでに一部底石を除いて失われており、残っている玄室は長さ2.5m、幅1.9mほどである。

 
 
 ただ、古墳としては直径10mほどの円墳なのだが、石室に使われている石材が、この古墳の規模にしては、似つかわしくないほどの大きさである。
 
 

 古墳の石積みとしては、下部にドーンと大きな切石を配置してその上に細長い石を一段か二段に積んでいる。目地とかは合っていなさそうである。
 そして、この古墳の珍しいのは、石を割るための矢穴が残っていることである。
 

 わかるかなあ。現地では確認できたのだが、写真だと上手く映っていないかもしれない。

 

 この古墳の左右の下部に使われている切石は、もともと1枚の石ではなかったかと考えられている。
 確かに側面の石がそんなに厚みがないので、そう考えるのが妥当な様な気がする。

 

 そして、この古墳に使われている石材は、室生火山岩、通称榛原石であり、この辺りで産出する石材である。

 

 考古学者の河上邦彦氏は、石材の産出地に近い古墳であり、高度な石工技術、切石風の石室があることから、被葬者を室生の石工集団の長ではないかとしている。
 
 

 なるほどという気はする。ちなみにこの向坊1号墳が築造されたのは7世紀の中頃と考えられている。また、発掘調査では、刀子やガラス玉などが見つかっている。

 また向坊1号墳のすぐ東には、向坊2号墳と呼ばれる古墳があったらしく、古墳の存在をの匂わせるような石材が置かれてあった。

 
 
 横穴式石室を持つ古墳で8mほどの円墳だったようである。

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