丹切34号墳を観察した後、校庭のフェンスの扉を開けて、敷地外にある丹切33号墳をめざす。
高校のフェンスの出たところに丹切33号墳に続く登り道があり、そこを登っていく。
途中、眼下に丹切34号墳の墳丘(?)が見える。確かに尾根の続きであったことが想像できる。
さて丹切33号墳は、この尾根に上がったところにある。
この古墳は、ご覧の通り、磚積石室を持つ古墳で、桜井や宇陀地方でいくつか見られる形式である。
石室の玄室は、長さ3m、幅1.7m、高さ1.57mを測り、両袖式の石室であり、榛原石をレンガのように積み重ねて石室を構築している。
石室には、組合式箱式石棺が残っている。長さは1.88m、幅0.45m、高さ0.43mとなっており、大人一人は十分に入る大きさである。先の丹切34号墳の石棺よりも幾分か大きいように感じられた。はじめからなのか、頭の場所に一つ石が置かれているのが印象的であった。
発掘時には、人骨や金環が石棺の中から見つかっている。なお石室から東海地方のものと思われる須恵器も出土しており、丹切古墳群の被葬者を考えるうえで貴重な資料となるものである。
石室は、上部の方が狭くなる持ち送りとなっているが、奥壁の磚積が何ともいえず美しいと思う。
天井石は、一部しか残っていない。
丹切33号墳は、先ほどの34号墳より少し後に造られたようで、7世紀の前半に造られたと考えられている。
墳丘に上がると、写真のような榛原石がいくつか点在している。この古墳と関連したものなのだろうか?
この33号墳のある尾根上にはさらにいくつかの古墳が点在している。せっかくの機会でもあるし、このまま少し奥の方に入ってみることにした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます