●今日の一枚 67●
Jim Hall & Pat Metheny
3連休も今日で終わりだ。今朝、73分57秒の長いこのアルバムをしばらくぶりに聴いた。嵐も過ぎ去り、天気の良いさわやかな朝だ。こんな朝にぴったりのアルバムだ。穏やかな気持ちになり、時間がゆっくりと流れていった。
年齢こそ大きく違うが、互いに尊敬の念を失わない2人のギタリストによる1998年録音盤だ。ジム・ホールはいわずと知れたジャズギターの巨匠、ジムを敬愛するパットの才能はいまや誰の目にも明らかだ。才能溢れる2人の競演ということでテクニックの応酬となる可能性だってあるわけだが、そうならないところがこの2人のすごいところだ。パット・メセニーは数種類のギターを使い分けカラフルなサウンドを志向するが、ジム・ホールの落ち着いたギターがサウンドに安定感を与えている。ギター・ワークは違っても「歌心」の部分では共通しており、安心してしかも心地よく聴くことができる作品である。
アルバムタイトルはあえて2人の名前だけのシンプルなものにし、アメリカ盤にはライナーノーツもつけなかったということで、ジム・ホールの言によれば、「ふたりのギタリストが、ただ演奏しているだけ、そんな場面を浮かび上がらせたかったんだ」とのことである。