WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

リカード・ボサノヴァ

2007年05月26日 | 今日の一枚(G-H)

●今日の一枚 169●

Harry Allen

Recado Bossa Nova

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 昨日の雨が嘘のように晴れ上がった。気持ちの良い朝だ。今日は長男の少年野球の試合である。仕事で応援にいけないのが残念だが、健闘を祈っている。息子が鈍くさく、チームが強いこともあって、昨年暮れまでは補欠であったが、息子も彼なりにがんばったのだろう、この春からはファーストのポジションをもらい、5番を打っている。守備や打撃はそれなりだったのだが、足が遅かったので使ってもらえなかったのだ。足が遅いことは今でも変わらないが、少なくとも一生懸命走る気迫が感じられるようになった。先日の運動会では生まれて初めて一番だった。走ったメンバーにすごくはやい子どもがいなかったのが幸いしたわけだが、これまで下から2~3番目ぐらいが定位置だった彼にとっては大躍進だ。父親の私にとってはコペルニクス的転回といってもいいほどの驚きだった。今日はローカル大会、明日は別の大会で全国大会につながる各地区の代表同士の戦いらしい。野球経験者の私は、息子の野球をみていると太田裕美の「パパとあなたのかげぼうし」を思い出す。まったく、親ばかである。

 今日の一枚は、ハリー・アレンの『リカード・ボサノヴァ』。スタン・ゲッツに大きな影響を受けたハリー・アレンにしてみれば、ボサノヴァが得意なことは自然なことなのであろう。2006年録音のこの作品は、彼のボサノヴァ・アルバムとしては6つ目の作品である。そのジャケットからみると、良く売れた前作『アイ・キャン・シー・フォーエヴァー』の二番煎じ的印象が強い。けれど、内容には前作との違いを感じる。良くも悪くも演奏がはじけているのだ。前作が夏のよそ風を感じさせたのに対して、本作はギラギラした夏を感じさせる。奔放な演奏だ。ギターのジョー・ベックという人はやはりうまい人なのだろう。ギターが全体をあおり、アレンのサックスがそれに応える。演奏がしだいに熱を帯びてくる。

 ちょっと暑苦しいサウンドだが、息子の試合の朝に聴くには悪くない。