王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

「薬害肝炎訴訟」 和解協議決裂へ?

2007-12-21 06:37:44 | 政治
薬害肝炎訴訟 和解協議決裂へ 国が新救済案、原告拒否(産経新聞) - goo ニュース

今朝も昨日朝行なわれた舛添厚労相の「謝罪と救済案の発表」幾らの間もおかず原告団の「和解案拒否」のTV画面を見た。

何とも論評のし難い問題である。
原告団に近い立場から見れば「福田総理は政治的決断をしたとは思われない」
厚労省の薬事行政を担当する官僚と厚生族の思惑を越える事が出来なかった。

福田総理と与党に近い立場から見れば「実質(金銭面で)解決なのに何故原告団は受け入れないのか?」という所であろうか。

細かい話は置いて「総理による政治解決」とは何であろうか?
14日のエントリー「薬害肝炎訴訟 和解案を提示」で書いた事を繰り返す。
戦後の日本は政治の統合者が不在になり「司法」「立法」「行政」の三権分立が強調され、今回の件の様に「行政の怠慢」により国民の生命が「重大な危機」に晒されても「行政側が過失を認めない限り」「司法側に過失を認めさせた範囲でしか(損害が)救済されない」
「立法府も役人の現時点の過失を追及したり遡及して解明する様動かない」
「三権の統率者が不在であるからグルグル回りをしているだけである」

舛添厚労相の口から発表された「政府による和解案」は「司法判断に沿った」とか「反しない形」であった。
つまり「政治責任の統括者として政治判断をしなかった」という事である。
原告団の主張する「一律救済」であるが「薬害エイズ」「ヤコブ病訴訟」一寸違うが「ハンセン秒訴訟」で前例が無いわけではない。

一部に「一律救済」では患者数に限度がなくなるとの批判がある。しかしそうであろうか?
今回の対象は直接救済800人ほど、間接救済200人の計1000人程度と言われる。又これを受け入れれると今後の対象は1万人との話もある。
約千人に掛かる経費は約170億円、一万人なら1700億円に過ぎない。
繰り返しになるが日本に金が無いわけではない。又金の問題で患者を切り捨てるという話でもない。金が無ければ冗費を節約して捻出するか、予算から優先順序を付けて充当すればよい。米軍の再編費用3兆円とか防御ミサイル網構築1兆円なんかは後回しで良くないか? 昨日昼のTVでは農林省の独立法人に4000億円?程のプール金があるとか!

無駄と垂れ流しは止めなければならない。

福田総理は「国民の生命と財産を守る」との立場から「超司法的判断をすれば」日本国総理大臣(内閣総理大臣では無く三権を統合調整する機能を持つ)としての貫目を示す事になった機会で有ったのに「福田総理と原告団」双方に残念な事である。

又長い裁判になるのであろうか?
大阪高裁の再和解の斡旋はあるか? 目が離せない。

産経新聞:
薬害C型肝炎訴訟で、舛添要一厚生労働相は20日、大阪高裁から提示された和解骨子案の中で国と製薬会社が責任を認める対象から外れた被害者の救済のため、「訴訟活動・支援に基づく和解金」名目で30億円を支払うことを表明した。同日大阪高裁に「提案」として伝えた。舛添厚労相は「事実上の全員救済。政治決断だ」としているが、原告側が求めた「全員一律救済」をそのまま受け入れたものではなく、原告側は「被害者が線引きされた」と反発。和解協議を打ち切る意向を示した。

 舛添厚労相が同日午前、厚生労働省での記者会見で明らかにした。会見での説明などによると、現在の原告約200人に加えて、新たな提訴者を800人程度と推計。政府は計約1000人に総額で約170億円を用意する。


 そこから、昭和60年8月~63年6月に製剤を投与された国と製薬会社が責任を取る範囲の被害者には「和解金」を支払い、その範囲から外れると見込まれる約300人については30億円を支払う。30億円は財団を立ち上げた上で、運用は原告側に一任する。


 提案は、汚染製剤の投与時期に応じて患者への補償内容を線引きする大阪高裁の和解骨子案の受け入れを前提に、その枠組みの範囲内でつくられた。枠組みの踏襲について法務省関係者は「政府の立場では、司法判断の骨子案は無視できない」としている。


 和解骨子案では、責任認定の範囲から外れた被害者への救済額は「訴訟活動・支援に基づく和解金」名目の8億円となっており、大幅な上積みになる。30億円について、舛添厚労相は「名目がどうこうではない。全員を救済するために支払うもの」と述べた。あわせて「薬害を発生させたことに、被害者に心からおわびします」と謝罪した。


 厚労相会見を受け、原告・弁護団も記者会見。弁護団代表の鈴木利広代表は「要求が受け入れられなかった。和解交渉にかかわる当面の活動はやめる」(鈴木利広弁護代表)と協議の打ち切りを明言。次回、高裁から意見聴取を求められた際に「協議に応じない」旨を通告する。(引用終わり)
コメント (2)
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