王様の耳はロバの耳

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薬害肝炎 一律救済へ

2007-12-24 07:31:59 | 政治
薬害肝炎一律救済へ、首相が法案提出を表明「議員立法で」(読売新聞) - goo ニュース

昨日福田総理は「議員立法」による薬害肝炎被害者の一律救済を決めたそうだ。
「司法」と「行政」の両面では救済が難しいので「立法(議員立法)」での救済との事。
日本国の総理大臣が「薬害肝炎被害者の一律救済」を決めた事は政府和解案より前進である。
被害者原告団も総理の発言を受け入れる方向の様である。

さて21日のエントリーで書いたが今回の「議員立法」は方法論として正しいのであろうか?
支持率回復策なんて皮相な事を考えたならば患者と国民を馬鹿にしている。

そもそも「薬害肝炎訴訟」は「司法判断は地裁毎に別れ」「行政当局(厚労省)は責任を回避し」「立法府は肝炎で苦しむ少数意見を考慮せず立法救済を考えていなかった」
要するに「三権」の統合者がいないので「分立」のグルグル巡りに時間ばかり掛かって終りが見えなかった。

福田総理は大阪高裁の和解の提案を受けて言うべきであった点は:
「約1000名の薬害患者が苦しむ実態を目にし、一方厚労省による418名に上る患者リストの放置を考え合わせると総理大臣(行政府の長)としてこれまでの対応に強い憤りを感じ、その結果責任を重く受け止める。まづ薬害患者の一律救済を受け入れる。次に一万人とも言われる潜在患者の効率的治療に目を配りたい。更に350万人と言われ糖尿病についで国民病となりつつ有る肝炎患者の拡大を防止したい。場合により立法措置が必要になるであろうが、野党の協力を得てより良い法を作って欲しい。必要予算については本件に優先権を与える事をお約束します。この判断に患者原告団と併せ国民諸氏の幅広い賛同をお願いいたしたい」
と発表すれば花丸だったんだよ。

戦後初めて「自民党総裁兼内閣総理大臣」の枠をこえて「日本国総理大臣」に進化する目がでたものを!

例により福田総理は全体像を語らないからどの程度の覚悟で「議員立法」を考えているか見えない。
「民主党菅氏」は厚労省の責任明記をと述べている。「立法という立場に立てば国の誰が悪かったから税金で救済する」と明記すべきであろう。
「一律救済」は方向が決まったのであるから「責任問題は一先ず横に置いておき」なーんて法律にならないよう1千人は当然として、最低限1万人の救済を視野に入れ、将来的には350万人の治療に目が届くよう知恵を絞って欲しい。


読売新聞:
福田首相は23日午前、薬害C型肝炎集団訴訟で原告の求める一律救済に応じるため、血液製剤の投与時期にかかわらず補償金を支払うための救済法案を議員立法で今国会に提出し、成立を目指す方針を表明した。

 首相官邸で記者団に語った。20日に国が示した和解修正案では、投与時期によって国の責任の有無を判断し、補償内容を区別していたが、方針を転換した。原告・弁護団は「大きな一歩だと評価する」としており、2002年から続く同訴訟は全面解決に向けて大きく前進した。

 首相の指示を受け、与党は25日に、政調会長らが協議する。年内に法案骨子をまとめ、野党に提示し共同提出を呼び掛けることにしている。野党も基本的に応じる方針だ。(引用終り)
コメント (4)
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