今月の初めころから「韓国でディーゼルエンジンの排気浄化に用いられる尿素が主たる輸入先に中国からの輸出規制を受けて不足が深刻化している」と報じられています。韓国発のニュースは「日本が出来て韓国がなぜ出来ない?」とか「日本は上手くやっている」とうらやむ調子の記事が中心の様です。
レコードチャイナは中国の企業かと思いましたが、新橋に本社を置く日本の企業の様です。それはさて置き、「韓国の尿素不足」をレコードチャイナがドイツのニュースを参照して(それを日本語訳して)記事にしている点で信用できるのでないかと思い読んでみました。
韓国では自動車向けに用いられている工業用尿素の97.6%が中国からの輸入品だったといい、目下の品不足は日本からの個人輸入で凌いでいるようですが長期化すると価格の点でも商流の点でも問題が大きくなりそうです。日本では尿素の原料であるアンモニアが生産されているので、日本国内で必要な量の尿素を生産できるとの情報も載せてありました。
なんとも韓国らしいやり方で「輸出入が平時のペースで行われている時は低コストで良いでしょうが、不測の事態が発生すると大きな問題が生じます」。日本でもレアメタルが中国の輸出規制に会い大変な1年を過ごした事が有りました。いろいろ学習する事が多い中国との関係ですね。
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中国が輸出を制限したことで尿素不足が深刻化した韓国は5日、大統領府も参画する「尿素不足対策チーム」を発足させた。
レコードチャイナ:
ドイツメディアのドイチェ・ベレによると、中国が輸出を制限したことで尿素不足が深刻化した韓国は5日、大統領府も参画する「尿素不足対策チーム」を発足させた。
担当官によると、チームの役割は経済及び外交分野の対応メカニズムを構築して、国内産業と物流業界の協力の仕組みを作ることで、韓国としては中国など主要な尿素輸出国と外交ルートを通じての協議も行うという。
中国税関は10月、化学肥料と関連29品目の輸出品検査を実施すると発表した。同措置は事実上の輸出禁止と見なされている。尿素は化学肥料の一種である窒素肥料の成分でもある。
尿素製造にはアンモニアが使われており、アンモニアは石炭や天然ガスから抽出される。中国はオーストラリアとの外交問題がきっかけで同国からの石炭輸入を事実上禁止し、自国内における炭鉱事故の発生で安全検査を強化したことなどから自国産の石炭も不足。そのため21年には電力不足が発生したという。中国による尿素輸出の事実上の禁止も、石炭不足が波及したとみられている。
ドイチェ・ベレによると、21年1-9月において、中国が輸出する尿素の47.5%はインド向け、14%に相当する56万4000トンが韓国向けだった。尿素はディーゼルエンジン車の排気の浄化にも用いられているが、韓国で自動車向けに用いられている工業用尿素の97.6%が中国からの輸入品だったという。韓国における工業用尿素の価格は9月、前年同月比で80%上昇してトン当たり483ドル(約5万5000円)に達した。
韓国で尿素不足がとりわけ深刻化したのは、尿素を自国で生産していないからだ。日本では尿素の原料であるアンモニアが生産されているので、日本国内で必要な量の尿素を生産できるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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