王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

国際収支 2005年度 黒字

2006-05-16 11:56:26 | 経済
経常黒字 3年連続最高 昨年度 所得黒字「貿易」上回る (産経新聞) - goo ニュース

産経新聞によれば日本の2005年度国際収支(速報)が財務省から発表された
国際収支の仕組みが分かっている方には自明の理なのであろうが項目と金額の羅列で全体が良く分からない

爺はざっとその仕組みをPCで調べてみた
日銀によれば「国際収支統計は、一定期間における一国のあらゆる対外経済取引を体系的に記録した統計」です
その主な項目は
まず経常収支の項目がありその傘の下に
その1:貿易・サービス収支
その2:所得収支
その3:外貨準備収支
という構成の様だ

従って新聞の記事を追うと経常収支がまず出てくる

海外とのモノやサービスの取引を示す経常収支の黒字額は、十八兆九千二百十三億円となり、三年連続で過去最大を更新した。貿易黒字の減少分を所得収支の黒字幅拡大で補う構造変化が加速しており、安定した経常黒字国に体質転換を果たした日本経済の姿が浮かび上がっている
経常収支の黒字幅は前年度比七千百十六億円、3・9%増と、四年連続で黒字が拡大した
(そこで所得収支の)内訳をみるとその1に当たる貿易・サービス収支であるがまず貿易収支は原油高騰による輸入の大幅増で、その黒字は27・1%減の九兆五千八百八十八億円にとどまった 黒字縮小は四年ぶりだ
これに輸送や旅行などのサービス収支の赤字二兆三千六百五十六億円を差し引いた貿易・サービス収支は、24・5%減の七兆二千二百三十二億円となった
これに対しその2に当たる、直接投資や証券投資の収益で構成する所得収支は30・3%増、十二兆五千六百三十四億円の黒字へと大幅に伸び、経常黒字の拡大に寄与した。背景には、日本企業の海外支店が国内本店へ送金する収益や、国内投資家が購入する外国の株式・債券を組み込んだ投資信託の配当や利子が、いずれも大きく増えたためだ。企業は収益を重視した効率的な海外投資を拡大させ、国民も貯蓄から投資へと資金を移しており、この流れが定着・拡大した結果といえる

輸出増大による貿易黒字で経常黒字を稼ぐ国から、貿易黒字が減っても所得収支の黒字を稼ぎ出す国への転換を意味し、「日本は成熟した債権大国の道を歩んでいる」(大和総研の取越達哉シニアエコノミスト)との見方が広がっている

まあ難しい話を抜きにすれば
その2:所得収支   12兆5634億円 の黒字
その1:貿易収支    9兆5888億円 の黒字
   :サービス収支 -2兆3656億円
その他          -8653億円
合計         18兆9213億円 の黒字

確かに輸出で稼ぐ事が日本の唯一の生きる道と教わり信じてきた者からすればさま変わりだよなー
こうなると円高阻止をして日本の輸出業を助けるという根拠がはっきりと疑わしい
それにしても分かりにくい表現と記事の書き方である ああ くたびれた







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出生率 目標1.39

2006-05-15 13:53:54 | 少子化問題
出生率 2050年に1.39 政府目標 (産経新聞) - goo ニュース

産経新聞によれば川崎厚労相が14日千葉のタウンミーティングで政府の2050年に於ける出生率を1.39とし人口国は1億人とする(政府見解を)と述べた

2005,6年の出生率が1.29で来年は更に低下が見込まれている 人口が増加に転じるには出生率2.1以上でなければならない(夫婦2人で2.1人の子供が生まれると言う事)であるから1.39は現実的な目標値だそうな
  
でもそうかな 爺は考えた この数字はどこかで見た そうだ爺が少子化問題その5で書いた様に平成14年の「人口問題研究所」の日本の将来推計人口の数字の中位を追認しただけではないか

しかもその推計も2007年1億2千7百7拾4万人を最多に推計したが既に2005年末には減り始めている 予測より2年早い!
川崎厚労相(政府)の真意は何だろうか? 答えて曰く「このぐらい(一・三九)あれば年金などのシステムは回していける」と、将来の財源不足が指摘される社会保障制度への深刻な影響は避けられるとの見通しを示した

そう そうなのだよ 2004年の年金抜本的改革(とやら)の際、公明党の坂口厚労相が隠したのが出生率1.29 なのだ 100年安心の年金プランと説明するため出生率「07年に1・31で底を打ち、その後1・39まで回復する」と述べた事が下敷きになっている この時国家的統計を誤魔化し年金支払いの辻褄合わせをしたと批判を浴びた

05年の推計ではこれより2年人口減が早まっているのである 官僚にしてみれば川崎厚労相の発言により現行年金給付法をしばらく変えずに引き伸ばすことが出来る

爺が何度も述べているように「少子化問題」の核は徴税基盤、社会保障の基盤、国防の基盤である人口が激しく減ってゆくのに国策の全ては「人口が順調に増える」そして「今使った分は後の世代が負担する」という戦後60年の人口増の前提の上に立っている事である 添付写真(日本の人口分布図)の様に年齢別構成は60-64歳を最多に減ってゆく この年齢より上の方は税も社会福祉も今のままで良いが60歳以下はこの負担を担いきれない

本来国政レべルでの討議とはこの人口が減るとの冷厳な事実に「税金は毎年減る」「先の世代が使った借金は後の世代が受け継がない」この為に国民全体に最も被害の少ない政策を立案することなのである
もう少し具体的に言えば国地方合計1000兆円の借金の整理の道筋、当面毎年20兆円に上る国債償還費10兆円の新規国債をどう処理するかである
社会保障費が圧縮される為、少子化対策の費用が必要なら消費税率の値上げをほのめかすなど噴飯ものである 子供が大事と決めたならば農水産業、建設業、金融業その他にばら撒いている補助金を取りやめ子供に振り向ければ良いのである 必要なら防衛費を半減しても

官僚主導を超える大臣と国策を国民に提示できる日本国総理大臣を選びたいものである
写真は人口分布図
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スペイン土産

2006-05-14 09:09:51 | 社会
知人が先月末スペイン旅行にいった 晩酌の肴にとの事で瓶詰めを頂いた
写真がそれである どうやらイベリコ豚のパテ(レバーペースト)の様である
イベリコ豚と言えばスペインのイベリア半島西部地方でドングリや牧草とかなにやら自然に近い餌を与えられて育った黒豚で近頃TVの料理番組で評判の奴だ!
こちらはパテだけど全く臭みが無くてビールもウイスキーにも良く合う

一瓶幾ら位の品か知りたくて聞いても余りはきとして答えなかったが後日当人の旅行記でなんと70センツ(1ユーロ=100センツ≒142円)だから100円前後だ 6個も貰って3000円位かと思ったが600円 重かったろうがお値打ちだ! 近所のスーパーでプラスチック容器入りのイカの塩辛が300円するから安いよねー

写真の容器の下敷きは現地スーパーマーケット(Super Mercad)の買い物袋で店の名は El Corte Ingle's と書いてあるから直訳すれば「英国の生地屋」であろうから(勝手に想像すれば)100年以上も前に出稼ぎに来て土着してしまったのだろう 日本の銀座にも英国屋という仕立て屋がある ここは英国人の子孫がやっているわけでないからスペインのスーパーもスペイン人が英国品を扱っていたのかも知れない どっちでも良いけど面白いなーと思った 

ついでに頼んで買ってきてもらったスペイン中心の世界地図を眺めると英国なんて目と鼻の先 米国の西海岸だって庭先みたいなもんだ
ともあれ 旅行中はユーロ一本で事足り値段の割には食べきれぬほどの量の食事にありつき(日本の現状と比べ)そんな豊かに見えないけど皆楽しそうに暮らしているそうである 

過日東アジアの地域単位通貨の記事でユーロに触れた
11日ユーロのドル高傾向についてフランスの財務相が以下のように述べた
[パリ 10日 ロイター] フランスのブルトン経済財務産業相は、最近のユーロ/ドルの動きが「小さな変動」に過ぎないという見方を示した。
ブルトン財務相は「フランス輸出の3分の2近くがユーロ圏内。ユーロ/ドルの上昇は、原材料調達価格が下落するということでもある」と述べた

米国がドルの垂れ流しで崩壊する時巻き添えを食わない様な経済体制とは上記の様な状態を言う 
総論で東アジア地域単位通貨の創設は良いことである しかし主役の一人である日本はその前に国地方負債残高1000兆円を整理する事に筋道を立てねばならない ドルが崩壊する前に円がこけては話しにならないのであるから
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最近の円高ドル安

2006-05-13 07:45:23 | 為替 ドル 株式
NY円、71銭円高の109円96~110円06銭 (読売新聞) - goo ニュース

4月に入ってから円高ドル安が続いておりGW過ぎて一層加速しているように見える
昨日NY円は週末110円/ドルをつけて終了 週明けの東京市場でどう動くであろうか

アメリカ経済は経常収支は中国よりの輸入過多により猛烈赤字、財政収支はイラク戦争(10億ドル/週といわれる戦費)に足を突っ込みひどい赤字 中国に元高を求めても聞き入れないし、イラク戦争は足を洗える様な状態ではない

過日の記事(米軍再編)と重複するが2001年クリントン政権では2000億ドルほどの財政黒字がブッシュになってから赤字続き 2002年と3年度合計で5350億ドル 2004年度 4120億ドル 2005年度 4270億ドル 2006年度 3900億ドル(これはアフガン・イラク戦費未計上)の赤字財政である
補正予算が組まれ5000億ドル前後の赤字となろう

このような状態だからドルは対元、円、ユーロに対してドル安基調である 緩やかにドル安が続きある水準で止まれば米国にも元、円、ユーロにも望ましい
日本は小泉総理指導の下03年春から04年3月まで35兆円ものドル買いを続けた(財務官とその責任を見てね

これはそのまま35兆円の国債発行残高になって後世に付けとなって残る 買い支えたドルは財務省証券に買い換えて(借用証になって)ドルはアメリカに帰っていって(イラク戦争で使われて)しまったのであるから 証券を売るとアメリカから強く怒られるのだ

今回の動きが先月21日ワシントンで開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の合意に沿ったものか、石油も金も高止まり日本円でも買って儲けようとの投機筋の動きか、来週が楽しみである

谷垣財務相と渡辺財務官がどんな手並みを見せるか? 見せないか?
円がどんなに高くなっても輸入品はその分だけ安くなる 特に原油代金は安くなる
輸出が大変と騒いでも2005年実績で輸出超は8兆円 大手は生産の拠点を海外に移している 為替の先物予約あり 円建て・ユーロ建て決済あり、為替で損が出ても知れている 騒がずに1ドル/100円位まで静観できるか 今回は元とドルとの関係が加わってさらに興味が深い
谷垣氏もここで10兆円ほど静かに売って国債償還に努力するなら新時代の首相後継としての芽がある 

でも小泉総理の指導の下、無理だろうな 無理だよ
来週以降 皆で為替相場を見守って行きましょう ドルの買い支えは止めて 後世への借金になるだけ 円高になっても日本人は飢え死になんかしないから 輸入品は安くなるのだからね


写真は100ドル紙幣
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国家の品格論 総集編

2006-05-12 09:31:01 | 国家の品格論
数学者の藤原正彦さんのベストセラー「国家の品格」(新潮新書)の発行部数が11日、202万部に達した。新潮社がこの日、5万部の増刷を決め、昨年11月の出版以来半年弱での200万部突破となった。同社によると、養老孟司さんの「バカの壁」の200万部到達よりも58日早く、新書の最速記録という。(朝日新聞)
藤原先生 おめでとう御座います 「国家の品格論」を書いた甲斐があります

  「国家の品格論」も長きに亘りました 先の第七章 下 で終わりにしようかと思ったのですが 何か先生の提言が爺には違和感を残しましたのでおさらいです

「経世済民」と言う言葉がある「正しい方法で世を治め民を救う」が原義であったが今では「経世」は「政治」に置き換わり「済民」が「経済」という語に置き換わり 「政治と経済」の様に分けて使うが二っは車の両輪のような物である
「政治」を分かりやすく言えば人々を導き国家100年の計を示すこと 「経済」は人々を衣食住で困らぬようする事であろう

日本国家100年の計は明治維新以降の富国強兵 これは昭和20年外国軍による日本占領という有史以来の失政を明らかにして77年で幕を閉じた 敗戦以降腹いっぱい食べたい このための産業立国はバブル崩壊と金融機構の壊滅で平成12年には成り立たなくなった わずか55年の計であった 

今 20歳の若者の、30才台働き盛りの夫婦の、40歳代の分別盛りの人々の心が落ち着かないのは国家が10年後には、20年後にはと自分の身に当てはめて先の有り様を想像しても何も脳裏に浮かぶ物が無いからである それどころか年金の支払いは遅れ、額は減る 健保も大丈夫か、医療は? 雇用は?老後は? 明るい展望が無い
政治家は個人で、政党は団体で国家100年の計を明示する責任が有るにも関わらず予算の範囲でやり繰りの辻褄を合わせる官僚の頭脳を超えることが出来ない

今明治維新以降138年の誤りを反省して国家100年の計を建てるには以下の4点を糺さねばいけない
① 少子化問題
2005年昨年の1億2千7百7拾余万人を最多に日本の人口は減ってゆく
これを現実視して税も福祉も「経費は後の世代が負担する 世代間の助け合い」なる虚言に騙されてはいけない 従って国債地方債残高合計1000兆円もの負債を後世代には残せない 残してはいけない
② 家族の問題
家庭の崩壊は勿論親子の関係が崩壊している 交通遺児、親が離婚した子供、片親が外国人、未婚の母の子供、結婚しない男女の間の子供 新しい社会は全ての子供を受け入れる体制を整えなければならない 子供がいて人がいて日本の国が維持されてきたのである 子供を大切にしなければこの国に未来は無い
③農業の問題
主食の自給率は40%を割り 主食の総量30%を残飯として廃棄している日本
世界中でその日の食事に困る人が大勢いると言うのにドルをばら撒き食材を買いあさり食べ放題・飲み放題はいつまでも続かない
食えなければ飢え死にするのであるから日本農業の再生は緊急の問題である 農業人口384万人(平成11年)平均年齢65歳 (参考までに昭和40年1200万人)若い農業従事者が減る一方と言う事である
若い農業従事者(百姓)と分かったら若い娘達が携帯(電話)の番号教えてーと後を追いかけるような農政を行わねばならない 農地の優先わりあて、無料使用など
方策はある
④土地の問題
前項の農地の問題とも関係するが土地の私有が進み細分化され(というより零細化され--100坪ほどの土地にマッチ箱みたいな家が5棟も建ち分譲されている姿を想像してください)これで良いのか? 食う寝る所に住む所と落語のセリフがある
一家が住む所くらい廉価で提供されねばならない 銀行ローンでマンションを買い払えぬからと言って部屋を取られローンが残るとは非道であろう 契約と言うがその様な契約がおかしいはずである

藤原先生の提言 「情緒と形」 形の中核「武士道精神」も国を憂うお気持ちの一つであろう しかし今の日本には他人の頭のハエを追っている余裕は無い 又「腹は正直」で空腹を高楊枝で二日と騙すことは出来ない 人は幼児期の記憶を引きずる 先生は幼児期満州からの引き上げで「食うや食わず」の極限生活を体験したはずである 爺は内地にいたが配給しかなく痩せこけていた 先生はその記憶を(余りの辛さに)すっかりそぎ落とし「たかが経済」であり爺は今でも「餓死は惨い死」と思う 
先生の著書が200万部も売れるのは日本の先行きを憂う人が大勢いることだ

この思いが国内に満ちるとき1億2千7百7拾余万人の誰かの遺伝子に働きかけ「眠れる政治の天才性」を目覚めさせる 信長、秀吉、竜馬、吉田松陰等だれも松下政経塾など卒業していなかった
上記4点セットに方向性を与え統合できる方が日本国の指導者である
 
コメント (8)
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