安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【鉄ちゃんのつぶや記 臨時号】祝!郵政民営化法案否決

2005-08-08 22:57:15 | その他(国内)
 郵政民営化法案が圧倒的大差で否決された。その差17票。可決でも否決でもその差はわずかだと見られていたから予想外の大差である。庶民のなけなしの金融資産を取り上げて財界とアメリカに売り渡し、郵政労働者の雇用と労働条件を徹底的に破壊する世紀の悪法、郵政民営化法案は、文字通り「叩き潰された」のである。それも、国鉄職員1047名を路頭に迷わせた中曽根「大勲位」の息子・中曽根弘文参院議員が反対に回るというおまけまで付いたのだ。

 しかし、私にはこの日が来るのではないかという予感があった。5票差で法案が辛うじて可決された7月5日夜のことである。NHKに緊急出演した与謝野馨・自民党政調会長が、番組の中でこんなことを語ったのだ。「この自民党の内紛を単なる権力闘争としてしか見ていないとすればそれは違う。自民党の中で、社民主義とまでは言わないけれども、社民的な考えがベースにあり、市場原理主義的なものに対する反発があった…(この大量の「造反」には)自民党内の思想的対立が反映されている」。

 思えば自民党という政党は、元々、軽武装、経済復興優先主義の「吉田自由党路線」と再軍備、改憲路線の「鳩山民主党」が合同してできた政党であり、吉田路線(ハト派)と鳩山路線(タカ派)とが時として激しく対立しながら政権維持のために寄り合ってきた政党だった。この対立は最近15年くらいはずっと抑え込まれてきたが、小泉「構造改革」路線があまりにも市場原理主義的であり、グローバリズムに忠実でありすぎるために、自民党内からも「脱落」する者が現れ、それが一定の勢力を形成するまでに成長したのが今回の「大量造反」の背景だろう。

 それに加えて昨年頃から、中身の空っぽな「三位一体改革」による地方切り捨てに対し全国知事会が反対の声を上げたり、全国政令都市市長会が政府への非協力を決議するなど、切り捨てられ、踏み付けられる地方の不満は頂点に達していた。そうした不満が、今回の郵政法案採決でついに爆発したのだ。衆議院での採決の際、反対票を投じた自民党議員が中国、九州地方など特に経済状況の悪い地方出身者に集中していたことがそれを物語っている。そうした切実な地方の声を、とうとう自民党議員たちも無視できなくなったのである。同時に、でたらめな民営化政策に対する市民の闘いが自民党内「社民派」の脱落を促したという面も見落とすことができない。

 だが、自民党内反対派の組織「郵政事業懇話会」会長である綿貫民輔・前衆議院議長は、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会会長」「神道政治連盟国会議員懇談会会長」の肩書きが示すように、決して私たち市民の仲間ではない。その上、自民党は80年代以降、徐々にグローバリズムへ梶を切ってきた勢力であり、国鉄闘争に見られるように反労働者性を持っている。いつまでも彼らが私たちの共闘相手であるとは考えられない。様々な政治的立場が混在し、「同床異夢」状態にある現在の民営化反対運動を、労働者の立場に立った反対運動へと質的に変化させるために、私たちのもう一段の取り組みが必要とされていると言えるだろう。

 さて、最後に小泉くん。郵政民営化法案否決は確かにキミにとって大きな痛手だろう。しかし、市民の反対の声を無視してイラクに自衛隊派兵を強行し、首切り・賃下げを押し進め、貧富の差を拡大させ、社会を不安に陥れたキミのせいで僕ら庶民はもっともっと苦しんでいるのだ。キミにはこれからきっちりツケを払ってもらう。「自民・公明で過半数を取れなかったら退陣」するとキミは言った。そのセリフを僕らは決して忘れない。この手に与えられた清く正しい1票で、必ずキミに引導を渡してやるから首を洗って待っていろ。

 しかし、何はともあれこんなにめでたいことはない。さあ、今夜は祝杯だ!

 (2005/8/8・特急たから)

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