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三陸沖でM7.3、宮城北部で震度5弱

2011-03-09 22:04:48 | 気象・地震
平成23年3月9日11時45分頃の三陸沖の地震について(気象庁報道発表)

今日の昼前、東北地方を襲った地震についてコメントしておこう。

M7.3、震源深さ8kmという数値を見る限りでは、最大震度5弱ですんだのは奇跡に近い。震源が沖合に離れていたからこの程度だったのだと思う。2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(気象庁資料)は今回より地震の規模が小さかった(M7.0)にもかかわらず、最大震度6強を記録した。今回の地震も、内陸部の直下型であれば震度5強~6強でもおかしくない規模だったと考えられる。

一般に、地震波は震源から地表に向けて逆円錐形を描きながら伝播していくから、震源が深いほど揺れの伝わる範囲は広く、浅いほど狭くなるが、今回の地震は震源深さが8kmとごく浅い場所だったにもかかわらず、身体に感じる地震は北海道から近畿地方までの広範囲に及んだ。いかに今回の地震のエネルギーが巨大だったかがうかがえる。

発震機構は西北西-東南東方向の逆断層型。2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震とずれの方向まで全く同じであることが気になるが、震源地が大きく離れている上、地震の規模も今回のほうが大きいため余震とは評価できない。偶然の一致としか現時点では考えられないが、発震機構が(ずれの方向まで含めて)全く同じM7以上の地震が東北地方で3年足らずのうちに2度も発生したという事実は重視すべきだと思う。余震は今後、中規模のものが2~3ヶ月はじゅうぶんあり得るので、津波も含めて警戒してほしい。

さて、気になる宮城県沖地震との関連について述べよう。先ほど「報道ステーション」(テレビ朝日系)では、某大学地震研究所の助教が「想定震源域からは大きく外れており、関係はない」と発言していたが、とんでもない誤りだ。宮城県沖地震の想定震源域を示した図(PDF)に今回の震源(冒頭に紹介した気象庁報道発表資料の9ページの星印がわかりやすい)を落とし込んでみれば、どのあたりかわかると思う。確かに今回の震源は、上記想定震源域図の中の「A区域」からは大きく東に外れているが、「B区域」と比較すれば、ぎりぎり東側の縁に位置しており、想定震源域の外れで起きた地震といえるのである。将来、宮城県沖地震が「B区域」を震源として発生したとき、長期的前兆現象のひとつだったと評価される地震になるだろう。

その宮城県沖地震だが、過去6回、26~42年周期で発生しており、平均では37年周期である。前回、1978年6月からすでに33年近く経過しており、周期性だけに着目すれば明日起きてもおかしくない。今回の地震を見る限りでも、次の発生まで時間はそれほど残されていない。該当する地域では今すぐ備えをしてほしい。

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