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茨城県北部で震度5強

2011-11-20 23:51:14 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第59報)- 平成23年11月20日10時23分頃の茨城県北部の地震について -(気象庁報道発表)

「気象・地震」カテゴリで地震の解説記事を書くのは久しぶりになる。東日本大震災の震源域やその周辺区域で、気象庁が報道発表を行う震度5弱以上の地震は10月は1回も発生せず、11月もこれまで皆無だった。本来なら「余震活動が順調に減衰し、収束に向かっている」と書きたいところだが、事態はそう単純ではない。震度4以下の余震はたびたび起きているし、なにしろ東日本大震災は1000年に1回といわれるほどの規模なのだ。これから一本調子に余震が減少するとは考えにくく、向こう1年くらいは油断できないと思う。

さて、報道発表の中身を見よう。表題から、気象庁がこの地震を東日本大震災の余震と見ていることは明らかだ。震源は茨城県北部、震源の深さ9km(暫定値)。地震の規模はマグニチュード5.3(暫定値)、発震機構は北東-南西方向に張力軸を持つ正断層型(速報)。茨城県日立市で震度5強を記録した。マグニチュードの割に揺れが激しいのは、例によって震源が浅かったためである。

発震機構が逆断層型で発生した東日本大震災と逆向きのエネルギーである正断層型となっていること、張力軸の方向が北東-南西でプレート境界とほぼ並行であること、震源深さが東日本大震災及びその一連の余震と同様、きわめて浅いことなどから見て、今のところ、当ブログも東日本大震災の余震という扱いで差し支えないと考えている。

注目すべき資料としては、リンク先報道発表資料の5ページ前半の震央分布図と後半に掲載されている「上図矩形内の時空間分布図(A-B投影)」だろう。これを見ると、余震全体の規模は小さくなりつつも、中規模の余震は次第に南に移動している。8月頃からは、むしろ茨城県など北関東が余震活動の中心になりつつあることがうかがえる。今後も、この地域では余震活動が活発な状態が引き続くと考えられるので、首都圏を含め、十分警戒を続けてほしい。

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