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楽天、チーム創設9年目で初の日本一達成(&2013年シーズン総括)

2013-11-04 20:49:27 | 芸能・スポーツ
東北楽天日本一 創設9年目、快挙 MVP美馬(河北新報)

2013年プロ野球日本シリーズは、パ・リーグ覇者の楽天がセ・リーグ覇者の巨人を4勝3敗で破り、球団創設9年目にして初の日本一を達成した。近年まれに見る面白い日本シリーズは、最終戦までもつれ込んだ。今年3月まで東北(福島)で生活していた当ブログ管理人にとっても、被災地を元気づけるこの日本一は嬉しいことだ。

日本一に貢献したのは、なんと言っても田中をおいて他にいない。レギュラーシーズンからクライマックスシリーズ、そして日本シリーズ第2戦に至るまで1度も負けず、26勝は驚天動地の数字だ。

楽天の、今シーズンのリーグ優勝、そして日本一の要因を分析してみよう。



上の表は、昨シーズンと今シーズンのパ・リーグのチーム打撃成績。



この表は、昨シーズンと今シーズンのパ・リーグのチーム投手成績である。これだけではわかりにくいので、上の2つの表から楽天だけを抜き出したのが、以下の表である。

楽天のチーム打撃成績(2012年と2013年の比較)


楽天のチーム投手成績(2012年と2013年の比較)


打撃成績を見ると、注目すべきは各球団ともチーム打率はほとんど伸びていないのに、本塁打が大幅に増えていること。一方、投手成績を見ると、昨年はチーム防御率2点台が3球団あったが今年は1つもなくなっている。これは紛れもなく、日本プロ野球機構が極秘に実施していた統一球変更の影響である。投手には受難の1年だったといえるが、投手にとって、この統一球変更は労働条件の一方的な不利益変更に当たるわけで、こうしたことを労働組合(プロ野球選手会)との事前協議のないまま一方的に行ったことに対し、日本プロ野球機構はやはり責任を取らねばならないだろう(全員が同じ条件になるのだから問題がない、という言い訳はできない。ハーラーダービーのように単に他の投手との勝利数の比較が問題になるだけのものはともかく、防御率のように投手の年俸査定に大きな影響を与える指標に統一球変更は明らかな不利益を及ぼすからだ)。

その中でも、本塁打の増え方を昨年と今年で比較すると、楽天が最も著しい。昨年はわずか52本と、パ・リーグでダントツの最下位だったが、今年は97本とほぼ倍増。順位で見ても3位に浮上している。チーム打率でも昨年の4位から2位に浮上。打点は昨年より130点も増えた。2年続けて成績の振るわなかったオリックスは今年、対昨年比で打点が61点の増にとどまっており、統一球変更の影響をいかに上手に活かすことができたかが今年の勝敗を左右したようだ。

楽天は、昨年と比べ盗塁と犠打が大幅に減少しているが、そのぶん、本塁打が増えることでカバーできた。ただ、本塁打が増える中でも盗塁を増やした球団(西武)、犠打を増やした球団(ソフトバンク)もある。今年はシーズンを通して打線が好調だったから問われなかったが、打線の勢いが止まったときにどのようにして着実に得点し、勝っていくかは来年以降に向けた課題だろう。

一方、投手成績を見ると、「本塁打」(被本塁打)が100本を超えたのは楽天、西武の2球団。この両球団は打撃成績部門のチーム本塁打数は100本に満たないので、本塁打を打つより打たれる方が多かったことになるが、注目すべきなのは失点数。楽天は2番目に少ない537点で、529点のオリックスとともに他の4球団を大きく引き離している。本塁打を打たれてもソロが多く、大きなダメージを受けなかったことがデータから読み取れる。

楽天は、投手のチーム勝利数が昨年より15勝増えているが、田中投手がひとりで24勝を挙げたことを考えると、それ以外の投手に関しては昨年とほとんど変わらなかったということができるだろう。全体として、今年の楽天は打線が好調で「打ち勝った」イメージが強かったが、データを見る限りではそれがある程度、裏付けられたといえる。

全体として、今年の楽天は本塁打を倍増させた。相手打線には連打を許さず、断ち切ることでダメージを最小限に抑えて頂点をつかんだ。ただ、盗塁や犠打の減少、田中投手の抜ける穴を誰が埋めるかなど来年に向けた課題も浮き彫りになった。日本一になった後の優勝監督インタビューで、星野監督が楽天の戦力について「巨人に劣る」と発言したが、その評価は客観的で正確であるといえる。楽天が来年、リーグ連覇を果たせるかどうかは正直なところわからない。上記のデータ分析結果を見る限りでは、今年の優勝が盤石なものと判断する材料はないからである。

とはいえ、楽天の優勝は被災地、東北を元気づけた。球団創設当初は「(ダルビッシュ有投手の出身校の)東北高校より弱い」「パのお荷物」などといわれた時期もあった。だが、かつて当ブログ管理人の出身地の福岡でも、球団創設当初のダイエーホークスは涙が出るほど弱かった(今では信じられないが、あまりにふがいない連敗に、王監督がファンに卵を投げつけられる事件まであったほどだ)。そのホークスも、南海の福岡移転による球団創設(89年)から初のリーグ優勝(99年)まで10年かかった。単なる看板の掛け替えではなく、全く新しい土地に本拠地を移した球団が、地域に慣れ、地元の人たちにとけ込んで優勝を成し遂げるためには10年程度の時間が必要であることを物語っている。その意味で、東北楽天は今、ようやく本当の意味で東北の球団になった、といえるのかもしれない。

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