人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

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●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【コミック】からかい上手の高木さん 1巻【一部ネタバレあり】

2014-06-26 21:36:24 | 書評・本の紹介
からかい上手の高木さん 1巻(ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

当ブログの「書評・本の紹介」カテゴリでは、いつも重い本、お堅い本の紹介がほとんどなので、たまには肩の力を抜いてマンガの紹介でもしてみよう。少年サンデー誌上で読み切りとして連載された同名の作品を単行本化したもので、作者は山本崇一朗。コミックは6月に発売されたばかりだが、ネットで早くも話題の作品。「自分もこんな甘酸っぱい青春を過ごしたかった」と多くの男性諸氏が悶絶、憤死…しているとかいないとか。

ストーリーは至って単純だ。小学校高学年~中学生くらいの頃、女子への恋愛感情をうまく処理できない未熟な男子が、好きな女子にわざと意地悪をしたり、甚だしい場合はわざといじめたりといったことを身近に見聞きした方がいると思う。本作は、ひとことで言えばこれの男女逆バージョン。隣の席の男子、西片を好きになった女子、高木さんが、西片をひたすらからかい、意地悪をしまくる。

とにかく、高木さんのいたずらの徹底していること。授業中でもお構いなく、1日何十回も西片をいたぶっては「ぷくく」とドヤ顔で笑い、「いい反応するわ」「これだから西片からかうのやめらんない」とのたまう。西片はそれが悔しくて、今日こそは高木さんに恥をかかせてやろうと復讐を誓い、反撃に出ようとするが、いつも高木さんに「返り討ち」にあってしまい、やられっぱなしの毎日…。

高木さんのいたずらが悪意のない、遊びレベルのものであるために、読者は読後に嫌悪感を抱かずにすむ。山本先生の作品を私は初めて読んだので、他の作品は知らないが、主人公・西片、ヒロイン・高木さんには名字だけで名前も設定されていないようだ。2人は彼氏彼女の関係ではなく、名前で呼び合う関係にはほど遠い状況なので、これでも問題ないのだろう。

巻末の「おまけ」では、西片とじゃれ合う高木さんを見て、2人の関係を疑った女子のクラスメートが、トイレで高木さんに「西片くんと付き合ってるの?」と聞く。これに対し、高木さんは「付き合ってない」と答える。問いただした女子のクラスメート(ユカリ・サナエと呼ばれていた)はそれを聞いて、それ以上の追及はしないで終わらせているが、「三度のメシより恋バナ好き」のこの年代の少女たちが、そんなんで納得するもんなんだろうかと、私はふと疑問を抱いた(もっとも、この作品はそんなよけいな詮索をするよりも、高木さんにいじられまくる主人公・西片に感情移入して楽しむものだろう。読み進んでいくうちに、西片に感情移入した男性読者の多くは、自分が高木さんにいじられ、遊ばれている感覚になってくる)。

私も多くの読者同様、「こんな甘酸っぱい青春、してみたかった」という感想を抱いた。とはいえ、今、そんなふうに思えるのは、とりもなおさず自分が「大人だから」。もし自分が中学生で西片と同じ立場だったら、恐らくは毎日、高木さんの「攻撃」をどう回避するかで精一杯で、そんな状況を楽しむ余裕なんてまったくなかっただろうな、とも思う。

読者によって、本作は合う/合わないが大きく分かれる作品であるように思う。子どもの頃、西片のようなヘタレ人生を送っていた男性読者にとっては、この作品に甘酸っぱさと同時にほろ苦さも感じるかもしれない。

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