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関東鉄道に全線乗車 20年来の希望果たす

2023-02-26 21:21:48 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
国交省への要請行動を行った2月24日が連休の谷間だったため、そのまま週末を利用して、長年乗りたかった関東鉄道に行くことにした。もともと未乗車だったが、2004年公開の映画「下妻物語」でモデル舞台になって以来、ずっと行ってみたかった。深田恭子さんが芸能界で地位を確立するきっかけともなった作品の公開以来、20年来の希望だった。

2月25日朝9時過ぎ、都内のホテルをチェックアウトし出発。東京駅から、常磐線快速で龍ケ崎市へ。隣接する関東鉄道佐貫から11:35発、龍ケ崎行で11:42、龍ケ崎へ。折り返しとなる11:50、龍ケ崎発佐貫行きで戻る。

竜ヶ崎線キハ0・310系


キハ0・310系に掲げられた「関東鉄道開業100周年記念」ヘッドマーク


龍ケ崎市から常磐線で取手へ。取手からは、常総線に乗ることにする。構内に入り、1992年に衝突事故があった取手駅構内を見る。



12:29取手発下館行き列車は、2018年に登場した関東鉄道では最新の5020系だ。5010系とよく似ているが、前照灯が従来型(非LED)で下部にあるのが5010系、LEDで上部にあるのが5020系というところで見分けられる。

関東鉄道は、ローカル私鉄では大変珍しく、取手~水海道(17.1km)が非電化ながら複線だ。常総線全体(51.1km)からすると3分の1程度だが、日本の鉄道では複線化するほど列車密度の高い路線はたいてい電化されるので、非電化・複線自体が珍しい。JRであれば、北海道の函館本線(新函館北斗~東室蘭)、室蘭本線(三川~沼ノ端)、九州の筑豊本線(折尾~若松)あたりがあるが、ローカル私鉄ではかなり珍しいと思う。

だが、複線化が必要である理由はすぐにわかった。取手~水海道間では反対列車と次々にすれ違う。ほとんどの列車が1~2両編成だが、列車本数がとにかく多いのだ。乗客も、発車直後の西取手で大勢が降り、大勢が乗ってくるなど、めまぐるしく短区間での利用が繰り返される。これは大都市近郊に見られる利用形態で、取手~水海道に関する限り、幹線と言っていい。

編成を短くする代わり、列車頻度を高めていつでも乗れるようにすることで新たな需要を喚起する(フリークエンシーサービス)。関東鉄道は、これに見事に成功している。



常磐線は、取手~藤代間に交直切替のためのデッドセクションがあり、事実上、取手までが直流区間。心理的にも「ここまでが首都圏の北限で、ここから北は東北」という意識があり、東京への通勤圏の北限となっている。地域住民の生活実態がどうであれ、取手を首都圏の北限と見なせるならば、取手発の常総線と、取手より北の龍ケ崎市駅に隣接する佐貫駅発の竜ヶ崎線を持つ関東鉄道は、関東と東北にまたがる営業エリアを持っていることになる。

途中、つくばエクスプレスとの乗換駅・守谷を経由し、水海道へ。ここでは12:58から13:06まで8分停車する。水海道を出ると単線になり、乗客もその乗降も一気に減り、ローカル線然とした姿になる。幹線とローカル線の2つの顔を持つという点でも、常総線は興味深い路線だと思う。

「下妻物語」の舞台になった下妻駅でも13:34から13:38まで4分停車。この4分を利用し、下妻駅を撮影する。「下妻物語」の痕跡らしきものを探したが、さすがに19年も前の映画にまつわるものは見られなかった。最近は「聖地巡礼」をする人もほとんどいないのかもしれない。



2023.2.25関東鉄道常総線 下妻~大宝


下妻を出ると、残りはあと少しだ。終点・下館には定刻通り13:58着。1時間30分の旅が終わった。

<全線完乗達成>関東鉄道竜ヶ崎線・常総線

ここまでで、私鉄全体の完乗達成率は78%を超えた。2023年は久しぶりに「新規完乗5路線」の目標を掲げている。達成のため幸先のよいスタートを切った。

<参考>1992年6月2日  関東鉄道取手駅列車衝突事故当時のニュース映像


<事故当時のニュース記事>
常総線暴走事故30年 被害者、今も祈る安全 関東鉄道、教育と対策徹底(「茨城新聞」2022.6.2付け)

関東鉄道では過去、このような事故も起きている。忘れないようにしたい。

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