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東電刑事裁判、経営陣2人を「無罪」とする不当判決が確定/福島原発告訴団等の声明

2025-03-07 22:08:07 | 原発問題/福島原発事故刑事訴訟

東電強制起訴、旧経営陣の無罪確定へ 福島原発事故で最高裁上告棄却(毎日)

私自身も、福島県民に参加者を絞って、2012年6月に発足した福島原発告訴団発足から関わり、12年半にわたって支援を続けてきた福島原発事故刑事訴訟について、最高裁は3月5日付で、1~2審の無罪判決を不服として検察官役の指定弁護士が行った上告を棄却する決定をしました。日本の歴史上最大の被害を出した福島第1原発事故の刑事責任は、誰ひとり問われることなく終わることになります。

告訴・告発運動を担ってきた福島原発告訴団と、検察審査会による強制起訴以降の裁判支援運動を担ってきた福島原発刑事訴訟支援団は、この決定を受け、共同で声明を発表しました。福島原発刑事訴訟支援団ホームページから全文をご覧いただけますが、念のため、当ブログでも、全文をご紹介します。

印刷に適したPDF版をご希望の方は、福島原発事故刑事訴訟支援団ホームページからダウンロードできます。

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東電刑事裁判、最高裁の上告棄却決定に抗議する声明

被害者を踏みにじり、次の原発事故を準備する最高裁を許さない!

2025年3月6日

福島原発告訴団

福島原発刑事訴訟支援団

東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問う東電刑事裁判において、最高裁判所第2小法廷(岡村和美裁判長)は3月5日付で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された武黒一郎、武藤栄両被告について、検察官役の指定弁護士の上告を棄却し、1~2審の「無罪」の判決を維持する決定をしました。

最高裁第2小法廷は、三浦守裁判官を除く裁判官3人(岡村和美裁判長、草野耕一裁判官、尾島明裁判官)全員一致として「業務上過失致死罪の成立に必要な予見可能性があったものと認定できず」「発電所の運転停止措置を講じるべき業務上の注意義務が認められない」とし、被告人を無罪とした第1審判決を是認した原判決の判断は「不合理な点があるとはいえない」と最悪の決定をしました。

私たちは、東京電力との深い関係にある草野耕一裁判官が裁判の公正を妨げると考え、事件の回避を求めてきましたが、3月21日の定年退官の直前の判断に強い憤りを禁じえません。一方で、2022年、東電民事裁判の最高裁6.17判決で、少数意見を書いた三浦守裁判官が事件を回避したことにも驚きました。

そもそも、第1審判決は、地震本部の長期評価に基づいて東電設計が算出した15.7メートルの津波高をもとに、東京電力が常務会で津波対策を承認していながら武藤らによって先送りした事実が公判で明らかになり、予見可能性は十分立証されたにもかかわらず、東京地裁永渕健一裁判長が握り潰した不当判決でした。

この最高裁の決定は、本件の双葉病院から避難の途中で亡くなった被害者とその遺族をはじめ、万余の人々の生活と人生を壊した、日本最大の公害事件である福島第一原発事故の全ての被害者と被災者を踏みにじるものです。

さらに、人災事故を引き起こし、国民の生命と財産を窮地に陥れ、甚大な被害をもたらしながら、原子力発電事業者は何らの責任も問われず免責されるという法的前例をつくり、むしろ、新たな原発事故を準備するものです。

決して許されるものではありません。満腔の怒りをもって抗議するものです。

私たちは、2012年、福島原発告訴団を結成し福島地検に告訴して以来、事件が移送された東京地検における不起訴処分と検察審査会の起訴議決を経て、市民の力で強制起訴を勝ち取り、2016年の福島原発刑事訴訟支援団結成、2017年から東京地裁の37回の公判の中で多くの真実を明らかにしました。2019年東京地裁の不当判決。2021年からの控訴審と23年の控訴審判決、さらに23年から24年にかけての最高裁で上告審と13年にわたる道のりでした。

私たちは、改めて無念の死を遂げた被害者、その遺族、そして被災者の14年の想い、これまでの道のりの中で鬼籍に入られた多くの方々の想いを、決して忘れることはできません。

私たちは、兄弟姉妹関係の東電株主代表訴訟はじめ、全国で裁判を続ける仲間の皆さん、各地に生きる原発事故被災者の皆さんと共に、今も続く過酷な福島原発事故の被害に真摯に向き合い、原子力行政におもねる司法をも変えるためにも、これからもあきらめずに活動を継続して参ります。

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(関連資料)

最高裁決定

最高裁決定に対する指定弁護士のコメント(PDF版のみ)

東電刑事裁判の歩み

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3月6日に開かれた福島原発刑事訴訟支援団・福島原発告訴団の記者会見、及び検察官役の指定弁護士の記者会見の動画がyoutubeで公開されました。

東電刑事訴訟指定代理人記者会見

東電刑事訴訟支援団、東電告訴団記者会見


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