法務問題集

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憲法 > 国民 > 精神的自由権 > 検閲の禁止 > 札幌税関検査事件

2011-06-20 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
・最判昭59.12.12(札幌税関検査事件)理由三1
 憲法21条2項前段は、「検閲は、これをしてはならない。」と規定する。
 憲法が、表現の自由につき、広くこれを保障する旨の一般的規定を同条1項に置きながら、別に検閲の禁止についてかような特別の規定を設けたのは、検閲がその性質上表現の自由に対する最も厳しい制約となるものであることにかんがみ、これについては、公共の福祉を理由とする例外の許容をも認めない趣旨を明らかにしたものと解すべきである。
 けだし、諸外国においても、表現を事前に規制する検閲の制度により思想表現の自由が著しく制限されたという歴史的経験があり、また、わが国においても、旧憲法下における出版法、新聞紙法により、文書、図画ないし新聞、雑誌等を出版直前ないし発行時に提出させた上、その発売、頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて( ア )的な検閲が行われたほか、映画法により映画フイルムにつき内務大臣による典型的な検閲が行われる等、思想の自由な発表、交流が妨げられるに至った経験を有するのであって、憲法21条2項前段の規定は、これらの経験に基づいて、検閲の( イ )的禁止を宣言した趣旨と解されるのである。
 そして、前記のような沿革に基づき、右の解釈を前提として考究すると、憲法24条2項にいう「検閲」とは、( ウ )権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき( エ )的( オ )的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解すべきである。

【解答】
ア. 実質

イ. 絶対

ウ. 行政

エ. 網羅

オ. 一般

【参考】
札幌税関検査事件 - Wikipedia