法務問題集

法務問題集

憲法 > 国民 > 精神的自由権 > 取材の自由

2011-06-17 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
01. 取材の自由は、憲法21条で保障されている。

02. 新聞記者は、原則として、民事訴訟で取材源に係る証言拒絶権を有する。

03. 新聞記者は、刑事訴訟で取材源に係る証言拒絶権を有する。

04. 報道機関が取材目的で公務員に秘密漏示をそそのかしても違法とはいえず、贈賄等の手段を用いても違法性が阻却される。

【解答】
01. ×: 最判昭44.11.26(博多駅テレビフィルム提出命令事件)要旨1
報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあり、報道のための取材の自由も、同条の精神に照らし、十分尊重に値いするものといわなければならない。

02. ○: 最判平18.10.03 要旨2
民事事件において証人となった報道関係者は、当該報道が公共の利益に関するものであって、その取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れるとか、取材源となった者が取材源の秘密の開示を承諾しているなどの事情がなく、しかも、当該民事事件が社会的意義や影響のある重大な民事事件であるため、当該取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお公正な裁判を実現すべき必要性が高く、そのために当該証言を得ることが必要不可欠であるといった事情が認められない場合には、民訴法197条1項3号に基づき、原則として、当該取材源に係る証言を拒絶することができる。

03. ×: 最判昭27.08.06(石井記者事件)要旨1
新聞記者は記事の取材源に関するという理由によっては刑訴法上証言拒絶権を有しない

04. ×: 最判昭53.05.31(西山事件)要旨7
当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で女性の公務員と肉体関係を持ち、同女が右関係のため被告人の依頼を拒み難い心理状態に陥ったことに乗じて秘密文書を持ち出させたなど取材対象者の人格を著しく蹂躪した本件取材行為は、正当な取材活動の範囲を逸脱するものである

【参考】
博多駅テレビフィルム提出命令事件 - Wikipedia
証言拒絶権 - Wikipedia
石井記者事件 - Wikipedia
西山事件 - Wikipedia

憲法 > 国民 > 精神的自由権 > 報道の自由

2011-06-16 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
01. 報道機関の報道は、国民が民主主義社会で国政に関与する際に重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものである。

02. 報道の自由は、憲法21条で保障されている。

【解答】
01. ○: 最判昭44.11.26(博多駅テレビフィルム提出命令事件)理由
(略)、報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものである。(略)

02. ○: 最判昭44.11.26(博多駅テレビフィルム提出命令事件)要旨1
報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあり、報道のための取材の自由も、同条の精神に照らし、十分尊重に値いするものといわなければならない。

【参考】
報道の自由 - Wikipedia
博多駅テレビフィルム提出命令事件 - Wikipedia

憲法 > 国民 > 精神的自由権 > 知る権利 > 受信契約締結承諾等請求事件

2011-06-15 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
・最判平29.12.06(受信契約締結承諾等請求事件)理由第2 1(1)ア
 (略)
 放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。
 放送法が、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」、「放送の不偏不党、真実及び(
ア )を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」及び「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」という原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的として制定されたのは、上記のような放送の意義を反映したものにほかならない。
 上記の目的を実現するため、放送法は、前記のとおり、旧法下において社団法人日本放送協会のみが行っていた放送事業について、公共放送事業者と民間放送事業者とが、各々その長所を発揮するとともに、互いに他を啓もうし、各々その欠点を補い、放送により国民が十分福祉を享受することができるように図るべく、( イ )体制を採ることとしたものである。
 そして、同法は、( イ )体制の一方を担う公共放送事業者として原告を設立することとし、その目的、業務、運営体制等を前記のように定め、原告を、民主的かつ( ウ )的な基盤に基づきつつ( ア )的に運営される事業体として性格付け、これに公共の福祉のための放送を行わせることとしたものである。
 放送法が、前記のとおり、原告につき、( エ )を目的として業務を行うこと及び他人の営業に関する広告の放送をすることを禁止し、事業運営の財源を受信設備設置者から支払われる受信料によって賄うこととしているのは、原告が公共的性格を有することをその財源の面から特徴付けるものである。
 (略)

【解答】
ア. 自律

イ. 二本立て

ウ. 多元

エ. 営利

【参考】
NHK受信料 - Wikipedia

憲法 > 国民 > 精神的自由権 > 知る権利 > 法廷メモ訴訟

2011-06-14 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
01. 傍聴人は、法廷でメモを取る権利が保障されている。

02. 法廷での筆記行為の自由は、憲法21条の精神に照らして尊重に値し、故なく妨げられてはならない。

【解答】
01. ×: 最判平01.03.08(法廷メモ訴訟)要旨1
憲法82条1項は、法廷で傍聴人がメモを取ることを権利として保障しているものではない

02. ○: 最判平01.03.08(法廷メモ訴訟)要旨2
法廷で傍聴人がメモを取ることは、その見聞する裁判を認識記憶するためにされるものである限り、憲法21条1項の精神に照らし尊重に値し、故なく妨げられてはならない。

【参考】
法廷メモ訴訟 - Wikipedia