気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

玄関の七夕月のしつらえ

2015-07-07 00:46:51 | しつらえ
七夕月にちなんで、天の川から始まる色紙を選びました。
 
寸松庵色紙(三井記念美術館蔵)の色紙
『かな』散らし書きの優雅さを味わってください。
きのとものり あまのがわあさせ しらなみたどり
  つゝわたりはてぬ にあけぞし にける

・・・天の川、浅瀬白波、辿りながらも渉り果てずに、夜が明けたことよ       
『かな』の優雅さの典型的な古筆で完成期(11世紀後半)に当たり、
抑揚のあるダイナミックな書体で、所々に見られる
墨継ぎのリズムが相まって、全体に動きを感じさせています。
寸松庵色紙(すいしょうあんしきし)とは
『古今和歌集』の四季の歌を抜書きした写本の断簡 (きれぎれになった書き物)で、
江戸時代の茶人で織田家家臣の佐久間将監真勝が,大徳寺内に造った隠居所
寸松庵に、12枚を所蔵していたことからこの名があります。
もともとは粘葉装冊子本でしたが1紙ごとに分断され、色紙形になり、
現在は諸家に所蔵されております。
鈴木翠軒(昭和時代の書家)は『寸松庵色紙』について、
”線条の味と連綿の妙は、古筆中この右に出るものはない。
 先ず線の強さが尋常でない。意の向うところ、
 筆のゆくまま一気に書き流してはあるが、
 少しも軽躁の幣に陥っていない。ただただ敬服の外はない。”

二年前に東京のある茶道に関連する三美術館、
根津美術館、五島美術館、三井記念美術館へ伺ったおり、もとめております。
残る畠山美術館へも機会を見つけて・・・