学芸員である以上、美術史上の苦手な分野は持つべきではありませんが…私がどうにも捉えられないのがロシアの美術や文学。もちろん、全てが苦手なわけではありません。数年前に茨城県笠間市の県立陶芸美術館で見たロシア・アバンギャルドの陶芸は面白かったですし、文学にしてもゴーゴリや初期のドストエフスキーはユーモアにあふれていて、とても好きな小説です。しかし…それ意外となると、どうも私自身のなかで消化できず、つかみ切れない。
栃木県の宇都宮美術館では「ロシア構成主義のまなざし」展を開催しています。20世紀に入ると、ロシアは西ヨーロッパのモダニズム、特にキュビスムを吸収して、シュープレマティスムが生まれます。シュープレマティスムは、その旗手であるマレーヴィッチによれば、「自然の物体の外観は無意味で、本当に必要なのは感情である」の言葉からもわかるように、「感情」を本質としていました。「感情」といっても、喜怒哀楽ではなく、絶対で永遠化された世界観を差します。それがロシア構成主義につながっていきます。(正直に申せば、この時点で私はすでに苦手意識を感じている…(苦笑))この展覧会では、ロシア構成主義の一翼を担ったロトチェンコとステパーノワの2人に焦点をあてて紹介しています。
展覧会会場には、2人の油彩、ポスター、立体、陶器、衣服、写真など、様々なジャンルの作品が集められています。そのなかでも、私はステパーノワの油彩、特に音楽をテーマにした作品群が好きでした。人物や楽器を正方形や四角、円で構成しており、人の表情や指使いなどの細かい部分はまったく描かれていないのに、なぜか絵からはガチャガチャした音楽が聞こえるような気がしました。不思議ですね。ジャズの流れるお店に、この絵を飾ると面白いかも…などと考えたりもして(笑)ロトチェンコは、写真の構図がとても面白く感じられました。絵画も写真もすなわち構図が重要、ロトチェンコは撮り方を工夫することで、構図を思案する実験的な試みを行ったのかもしれません。
私はロシアの美術や文学が苦手なので、展覧会を見る前までは重苦しいかな…と考えていましたが、とても面白くみることができました。難解なロシア構成主義を2人に絞ったこと、絵画だけでなく様々なジャンルを扱っていることで、親しみやすい内容になっています。ぜひ、ご覧下さい♪
栃木県の宇都宮美術館では「ロシア構成主義のまなざし」展を開催しています。20世紀に入ると、ロシアは西ヨーロッパのモダニズム、特にキュビスムを吸収して、シュープレマティスムが生まれます。シュープレマティスムは、その旗手であるマレーヴィッチによれば、「自然の物体の外観は無意味で、本当に必要なのは感情である」の言葉からもわかるように、「感情」を本質としていました。「感情」といっても、喜怒哀楽ではなく、絶対で永遠化された世界観を差します。それがロシア構成主義につながっていきます。(正直に申せば、この時点で私はすでに苦手意識を感じている…(苦笑))この展覧会では、ロシア構成主義の一翼を担ったロトチェンコとステパーノワの2人に焦点をあてて紹介しています。
展覧会会場には、2人の油彩、ポスター、立体、陶器、衣服、写真など、様々なジャンルの作品が集められています。そのなかでも、私はステパーノワの油彩、特に音楽をテーマにした作品群が好きでした。人物や楽器を正方形や四角、円で構成しており、人の表情や指使いなどの細かい部分はまったく描かれていないのに、なぜか絵からはガチャガチャした音楽が聞こえるような気がしました。不思議ですね。ジャズの流れるお店に、この絵を飾ると面白いかも…などと考えたりもして(笑)ロトチェンコは、写真の構図がとても面白く感じられました。絵画も写真もすなわち構図が重要、ロトチェンコは撮り方を工夫することで、構図を思案する実験的な試みを行ったのかもしれません。
私はロシアの美術や文学が苦手なので、展覧会を見る前までは重苦しいかな…と考えていましたが、とても面白くみることができました。難解なロシア構成主義を2人に絞ったこと、絵画だけでなく様々なジャンルを扱っていることで、親しみやすい内容になっています。ぜひ、ご覧下さい♪