語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【新聞】オスプレイ強行配備の支持派vs.批判派

2012年11月17日 | 社会
 (1)オスプレイが普天間基地配備が強行され、抗議をを後目に、全島にまたがる飛行訓練が始まっていた。そこに10月16日の事件【注】だ。沖縄の怒りは臨界点を超えた。

 (2)事件は東京でも大きく報じられた。
  (a)17日の夕刊各紙・・・・上京中の仲井真弘多・沖縄県知事が事件の第一報に接し、同日午前に森本防衛相と急遽面会、「正気の沙汰ではない」と断じ、地位協定の改定を求め、米軍に厳しく対応するよう要請したことを伝えた。

  (b)オスプレイ強行配備批判派
     ①朝日18日付け社説・・・・「沖縄の怒りに向かい合う」
     ②毎日18日付け社説・・・・「米政府は深刻さ自覚を」 
     ③東京18日付け社説・・・・「沖縄に基地がある限り」

  (c)オスプレイ配備支持派
     ①読売19日付け社説・・・・「再発防止への実効性ある対策を」 (オスプレイ配備支持)
     ②日経19日付け社説・・・・「米兵事件を繰り返さぬ対策を」 (オスプレイ配備支持)
     ③産経・・・・22日までのところ、他紙の社説に相当する「主張」では米兵事件を論じていない。代わって、17日には「オスプレイ妨害 危険な行為は放置するな」「中国軍艦 ついに武力の威嚇をみせた」を載せた。前者は、普天間基地周辺の上空に手製の凧を揚げ、オスプレイへの抵抗運動を続ける県民の行動を非難したものだ。

  (d)沖縄2紙
     ①沖縄タイムス18日付け社説・・・・「我慢の限界を超えた」
     ②琉球新報18日付け社説・・・・「卑劣きわまりない蛮行 安保を根本から見直せ」
    沖縄を踏み台にして安保の過大な負担を押しつけ、県民の人権を踏みにじる「構造的差別」を助長してきた日米両政府のやり方はもう許されないと告発【①、②】。安保の見直しまで明確に要求【②】。
    (b)-①、②は、米国に自国兵士の非行を厳しく取り締まるよう求める姿勢を明らかにするが、それは日米安保と両国の同盟関係を維持するうえで必要なのだ、と説く趣が強い。
    だが沖縄では、もはy安保と基地こそ自分たちへの加重な負担や米兵犯罪被害を生む構造的要因であり、それらの根絶には安保を廃し、基地をなくすしかない、とする声が、他を圧しつつある。
    こうした声を反映する(d)-①、②に近い立ち位置にある在京紙は(b)-③だけだが、オスプレイの訓練ルートが設定されている本土各地の地元紙もいまや沖縄の怒りに深い共感を示すようになっている。

 【注】「【沖縄】差別の構造化 ~琉球新報・沖縄タイムス~

 以上、神保太郎「メディア批評第回」(「世界」2012年12月号)の「(1)沖縄の声「空も陸も植民地か」をどう聞くか」に拠る。
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