2010/12/22upわかる目次 |
中学校教育課程研究会1・国語科部会提案 平成**年度**地区 |
この提案は実に不可解で徒労感だけが残った。
官制研修提案には指導主事殿が「指導」に当たってくださる。
当時の国語主事は、話が長く何を言っているのかわからなくて有名な人だった。
指導主事というのは、偉くなるとだめになるのか、だめな人が偉くなるのかどちらなのだろう。
官制研修提案は「本時の授業」はほとんどどうでもいい。
「前置き」を「他の人からどうしたら隙を突かれないか」を、
何より大事にするのだと再認識した。
生徒の学力がどうしたら向上するのか、
現場の授業の質がどうしたら向上するのか、
そんなことに指導主事は微塵も触れなかった。
だから塾の講師に、公立はもう終わりだ、と言われるのだ。
だから、本当に力をつけたい家庭でお金がある家は私立に行くのだ。
もちろん、公教育職員である以上「指導要領」に準ずる授業をするのは当たり前だ。
だが、端的にいえば「言い訳」作りのための文書作り、
指導主事との打ち合わせはただの苦痛で時間の無駄だった。
その人がせめて、
「まあ、官制研修だから仕方ないですよ」
くらいのさばけた人ならいいがそういう人はまずいない。
(最近、卓越した国語実践家が指導主事になった。
残念ながら国語主事ではないが、彼は例外だ)
開いた口がふさがらなかったことが一つある。
主事「普段の授業計画はあるのか」
ヒョ(僕は年間百時間の授業計画を四月前にすべて作っているのでそれを見せる)
主事「この、試験前にある<漢字練習>というのは何だ」
ヒョ「漢字の復習です」
主事「生徒にテストでいい点を取らせるためにするのか?」
ヒョ「???」
別記事で度々書いたが、この人も授業中に漢字指導をしない人だったのかもしれない。
『百年の大計』は実現したかどうかは別にして、
若い勉強家の教師への資料提供を目的としている。
だから「体裁を繕うための官制研修提案」を載せるのはちょっと不本意だが、
持ちネタはすべて吐き出して置くことにする。
アドバイスは以下のとおり。
(hyokoアドバイス)ここからーーーーーーーーーーーーーーー
「校内の研究授業には、進んで立候補しましょう」
「研究授業のときは、必ず自分で作った<授業評価用紙>を書いてもらいましょう」
「教育書を買い、授業CD・DVDを買うのに自腹を切りましょう」
「校内で友人と<勝手に授業研究会>を作り授業を見せ合いましょう」
「存在するなら近所の<国語とか授業研究サークル>に参加しましょう」
「そこへ行き、一度でも多く模擬授業をしましょう」
「官制研修提案を受けるのは遠慮しましょう」(ここまで)ーーーーーーーーー
……あ、偉くなるのが目的の人は別です。
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平成**年8月6日(金)
会場:**立**高校:(文書提案)**立**中学校 HYOKO
1 研究テーマ
「伝え合う力」を育む国語科授業の創造
「学習指導要領」定着へ向けての検討と工夫~「書くこと」の力をつけるために~
2 はじめに
「書くこと」の指導においては、(2003.11.7:全関東地区中学校国語教育研究協議会:基調提
案)での第3分科会「書くこと1年」の協議メモによれば、さまざまな書く力がある中で、
①どのように書く力をとらえているのか
②書く力を高めるにはどのようにすればよいのか
③生徒の相互評価と指導者の評価をどうするのか
が論点となっている。
以上三つの論点は、今後も義務教育の中で常に問題となるはずである。
本稿の協議においても以上の①~③の内容を中心にご指導ご助言いただければ幸いである。
一昨年から、2クラス60人弱の学年を3年間続けて授業してきた。継続してきた指導の流れについて報告する。
(参考)「B書くこと」指導事項
「B書くこと」(1学年)の指導事項
ア 身近な生活や学習の中から課題を見付け、材料を集め、自分の考えをまとめること。
イ 伝えたい事実や事柄、課題及び自分の考えや気持ちを明確にすること。
ウ 自分の考えや気持ちを的確に表すために、適切な材料を選ぶこと。
エ 書いた文章を読み返し、表記や語句の用法、叙述の仕方などを確かめて、
読みやすく分かりやすい文章にすること。
オ 書いた文章を互いに読み合い、題材のとらえ方や材料の集め方などにについて
自分の表現の参考にすること。
「B書くこと」(2・3学年)の指導事項
ア 広い範囲から課題を見付け、必要な材料を集め、自分のものの見方や考え方を深めること。
イ 自分の立場及び伝えたい事実や事柄を明確にすること。
ウ 文章の形態に応じて適切な構成を工夫すること。
エ 自分の意見が相手に効果的に伝わるように、根拠を明らかにし、論理の展開を工夫して書くこと。
オ 書いた文章を読み返し、文や文章を整えて、説得力のある文章にすること。
カ 書いた文章を互いに読み合い、論理の展開の仕方や材料の活用の仕方などについて自分の表現に役立てること。
3 「書く力」とは
以下、論点の順に私見を述べる。まず「書く力」とは何か。
①形式を模倣することができる。
②限定された「字数」と「条件」に従って書くことができる。
③説明的、論理的に事実や考えを書くことができる。文学的文章を書く力は求めない。(その力は才能による)
4 「書く力」を高めるには
次に、書く力を高めるための方法である。
①まず、見本を真似る。見本になる文章をそのまま視写することが書く力を高める。
②形式を統一する。「○○に賛成(反対)である。理由は( )つある。
一つ目に…二つ目に…三つ目に…」の形式でほとんどの作文を書かせた。
③なるべく多くの回数、書かせる。
④文字を書くスピードが速いことも必要である。速く書ければ楽に書き終わる。
楽にできれば書くことへの抵抗も減る。
●3年間の「書くこと」の指導の留意点●
中学校の「書くこと」の指導をこの三年間、次のような点に留意して行なった。
①字数を400字以内にしぼる。
②段落を4つ前後にする。
③評価の項目をいつもそろえる。
④書く前に見本を提示する。(資C・D)
⑤観点に沿って全員の作文に赤ペンを入れる。
⑥作文の評価は高めにする。
⑦書いた後にすぐれた作品を提示する。
①について
中学校においては400字の作文を、一単位時間(40分程度)以内に書くことができれば書く力としては充分であると考えている。
②について
3つか4つであることが多い。説明や自分の考えの理由を400字で書くのに、それが最も読みやすい段落数だと考えている。
③について
生徒に提示する“原稿用紙の使い方と作文の基本的な約束”に関する評価の項目は7つある。
1「題名・氏名の書き方」(資A)
2「段落作りと改行の仕方」(資A)
3「句読点とカッコの作り方」(資A)
4「漢字の使い方」(資あ)
5「文末が統一されているか」(資あ)
6「最後の一行だけ余ってもよい」(資あ)
7「一文が短く書かれているか」(資あ)
1、2、3は(資料A)のコメントの通り。
4は、漢字の間違い、使い方の誤りが一つでもあれば加点としない。
5は、文章全体が常体か敬体にそろっていなければ訂正する。
6は、例えば18行目までしか書けなければ加点しない。
7は、原則としては3行以上にわたる一文があれば長すぎると判断して加点しない。
以上を7点満点で採点する。
これ以外に“文章の内容”について、
「文のうまさ、又はおもしろさ」
をAAA~Cまでの間で評価する。
AAAは20点。AAは15点。A=10、B=5、C=3とする。
“形式点”と“内容点”の合計は最高で27点となる。
④について
教師が書いた作文例、又は過去の生徒の作文を読み聞かせる。作文例の質は生徒の作文の質を左右する。
⑤について
例えば、空けるべきます目が空いていなければ四角で示す。句読点が抜けていれば書き足す。漢字の間違いには赤線を引く。要するに当たり前のことを一人一人にする。
⑥について
文章を書くことは例えば人前で歌うことと同じように、個人的で繊細な作業である。決められた“技能と約束”に従って、自分の“内面”を表わすのが作文である。当然人に見せることを目的に書かせるわけだが読まれることの抵抗はある。書いてよかったと生徒に思わせることは次の作文を書くために必要である。
⑦について
教師が選んだ優秀作を数点印刷し、読み聞かせる。どこが良いのかを短く言う。
●3年間の「書くこと」の指導●
3年間の国語授業の実際を後掲した。3学年の1学期まで実際の指導。以後は計画となる。
<1学年の指導>
指導時間
13時間で12種類の作文を書いている。ほかに定期テストで作文問題を4回出している。
文学作品のまとめ作文(3回)、テーマ作文(3回)、手紙作文(班員通知票5回)、その他(おねだり作文2回)。
年間で求められる「書くこと」の時間数(10分の2~3)によれば、21~32時間必要となるわけで相当少ない。
だが、感覚としては(それ以前に比べるとかなり書かせた)と思っていた。
指導事項
エ.は評価項目を提示することで評価。
イ.は自分の考えをわかりやすく表現できているかで評価。
オ.は相手の書いた文章を読み感想を書き合えたかどうかで評価。
ア.はある課題に関連させて自分の考えを書けたかで評価。
ウ.は適切な材料選びの点で指導がゆきとどかなかった。
<2学年の指導>
指導時間
年間で求められる指導時間数は17~26時間である。
指導計画が甘く、書くことの指導時間は1学年に比べて減った。
指導事項
オ.は評価項目を提示することで評価。
イ.は立場又は事実が明確かどうかで評価。
エ.は根拠の説得力と文章の運び方の工夫により評価。
ウ.は構成が単調に陥らないかで評価。
カ.は相手の書いた文章を読み感想を書き合えたかどうかで評価。
ア.は広い範囲から課題を見つける点で指導が行き届かなかった。
<3学年の指導>
指導時間
3学年になってから「金曜日は、作文とディベートの日」と決めた。「書くこと」の指導時間の確保のためである。
年間で求められる指導時間数は17~26時間程度と考えられる。計画通り進めば17時間、最低限度の指導時数が確保できる。
5 書いた作品をどう評価するか
①指導者は評価項目を変えずに評価しつづける。それによって、生徒はどのような作文を書けばよいか感覚で覚える。
②肯定的なプラスの評価を心がける。
③生徒の相互評価をどうするかが、今後の課題である。おそらく、ただ漫然と読ませ合うのでなく評価の観点を与えて、具体的に指摘しあうことが必要である。
これを一学期間の評価にどうつなげるのか。今年度の三学年で、書く指導の作品類は7種類。それぞれの最高点が、6点から27点までで、「書く」領域の合計点は140点であった。
本校では観点の評価を、全教科統一している。
教科担任の設定する基準点に対して
A=80%以上・B=40%以上
結果、A=112点以上・B=56点以上・C=56点未満となった。
6 終わりに
以上をふまえて、協議していただきたい論点について確認する。
(1)「書く力」とは、何ができる力をさすのか。
(2)文章の“内容”の評価をAAA~Cで行なうとして、その判断材料は何なのか。
(3)現状では各学校の「書くこと」の指導を何時間程度取っているのか。
また、年間の「書くこと」の指導時間を10分の2~3程度取るために、具体的に何を削ればよいのか。または、どんな工夫ができるのか。
★作品例を元にした教師の評価の実際……
(資料あ)“原稿用紙の使い方と作文の基本的な約束”に関する評価
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国語科学習指導案
授業者:**立**中学校HYOKO
1 日時
20**(平成**)年7月9日(金)
2 学級
**立**中学校3年1組(**人)3年2組(**人)
3 学習題材
「**統合について」
4 学習題材について
(1)生徒にとって、最もタイムリーで関心の高い話題である。
(2)数回に渡り新聞報道がされており、生徒の持っている基礎知識や考え方の蓄積がある。
(3)3学年の思考能力・判断力に耐え得る適切さを持っている。
<評価規準>
国語への関心・意欲・態度
・自分の考え方や立場を明確にし、読み手に効果的に伝わるように書こうとしている。
書くこと
・自分の立場及び伝えたい事実や事柄を明確にし、根拠を明らかにして書いている。
言語についての知識・理解・技能
・目的に応じて文章の形態や展開を意識して書いている。
5 指導計画(1時間計画)
この時間の学習目標
事実を正確につかみ、自分の立場に沿って読み手に効果的に伝わるように書く。
学習活動
①新聞記事を読み、現在の統合の問題点について考える。
②統合の長所と短所について考えを出し合う。
③自分の立場(賛成か反対か)を明確にする。
④自分の考えをワークシートに書く。
評価と支援(B基準に到達していない学習者への手だて)
評価規準と基準
[規準]
自分の立場に沿って読み手に効果的に伝わるように書ける。
B基準
・統合問題を客観的に捉え、事実を元に自分の考えを書くことができる。
A基準
・統合問題について、自分なりの解釈を加え、論理の展開を工夫して書くことができる。
(立場の決め方のヒントや文の書き出しの例を元に書かせる)
評価の観点・方法
[書くこと]
学習中の観察
(ワークシートの記述)
[関心・意欲・態度]
作業進行の観察
※参考)統合に「賛成1人」「どちらともいえない12人」「反対39人」