とだ*やすこの「いまここ@島本」

暮らしの豊かさ最優先!
ひとが主役のまちづくり!

大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

日本の奨学金、このままでいいの?

2014年06月16日 | とだ*やすこの一般質問
平成26年6月会議、一般質問で大学生の奨学金問題を取り上げます。「若者の就学、結婚生活を支援する奨学金制度を ~切れ目のない少子化対策の視点から~」

危機的な少子化問題に対応するため、子育てをしやすい地域づくりに向けた環境整備が基礎自治体の重要な課題となっています。また、国の方針として、結婚、妊娠・出産・育児について「切れ目のない支援」を行うことが地方公共団体に求められています。

今回の一般質問では、日本の若者が結婚に踏み切れない、前向きになれない背景になっているとも思える「日本学生支援機構」の奨学金制度問題について明らかにしたいと思います。

教育に対する公的支出の水準が低い日本は、OECD加盟国のなかでも子ども一人当たりの教育費が高く、家計への負担が重いです。日本における大学の授業料が過去30年どのように推移しているか、まず、ここを把握しておく必要があります。

たとえば1975(昭和50)年には、国立大学36,000円、私立大学平均182,677円(その差は5.1倍)。「受益者負担」という考え方をベースに国公立大と私立大の授業料の格差は年々縮小、初年度の教育負担は百万円規模になっています。

もはや経済的に恵まれない家庭環境に育ったのであれば、ぜひとも努力して国立大学に、という時代ではなくなっています。

民間企業労働者の平均賃金は1997年の467万円をピークに下降、整理解雇、非正規雇用労働者の増加に伴い、親が子どもの学費を負担することがきわめて困難になっています。過半数を超える学生がなんらかの奨学金制度を利用しています。

多くの大人は、奨学金と言えば、利子がつかなかったかつての奨学金をイメージします。ところが、独立行政法人「日本学生支援機構」(旧育英会)の奨学金には、利息の付かない第一種奨学金 と、利息の付く第二種奨学金があります。

そして!!!
現在、若者の多くが利用している「有利子奨学金」は、奨学金というのは名ばかりの「学生ローン」です。

奨学金については「なぜ返さないのか」「借りたものは返さないといけない」という議論が根深くありますが、実は、奨学金制度の問題について大人が理解するのが難しい理由のひとつに、日本の奨学金制度の劇的な変化があります。

その変化は「世代間断層」と呼べるほどのものです。2012年度の「奨学金の延滞者に関する属性調査結果」によると、2012年度に返還すべき奨学金を滞納した人はおよそ33万4000人。3ヶ月以上延滞した人は19万4千人。

この問題に詳しい「奨学金問題対策全国会議」が編まれた「日本の奨学金はこれでいいのか! 奨学金という名の貧困ビジネス」(あけび書房)によると、同年度、期限を過ぎた未返還は925億円に上っているそうです。

同調査によると、延滞が継続している理由として「返還するものだとは思っていない」と回答した人は0.3%。決して故意に滞納しているわけではなく、返したくても返せない人が増えています。

また、同機構の返還金回収関係資料によると、当年度期日到来分の回収率は約95%ですから、実際にはほとんどの人が努力して返済しているのです。そうして、まじめに返済している若者が置かれている状況も実は厳しいものです。

たとえば月に10万円を借りると、4年間で480万円。利子を3%とすると返還総額は概ね646万円になるそうです。卒業後の返還年数は20年、結婚、出産、子育てなど重要なライフイベントが重なります。

奨学金という借金が結婚・妊娠・出産の壁になる可能性は充分にあります。そこでわたしは、若者が結婚、妊娠、出産、育児に希望をもてるよう支援できないかを考え、次のことを提案します。

①きわめて成績優秀であるにも関わらず、家庭の経済状況により進学が危ぶまれる若者が高等教育を受けられるよう、島本町独自の「給付型奨学金」を新設する。
②有利子奨学金を利用する若者に対する救済措置として「利子補給制度」を創設する。

もちろん日本学生機構の奨学金制度の問題は、国の方針、国の制度の問題です。これは絶対に改善しなければならない(その理由は後の機会にお伝えします)。

本当の意味で「奨学金」と呼べるのは「給付型奨学金」「無利子の奨学金」です。若者が希望をもてる政策として、町独自の給付奨学金制度があってもよいとわたしは考えます。


他の議員の一般質問については島本町HPをご覧ください
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする