とだ*やすこの「いまここ@島本」

暮らしの豊かさ最優先!
ひとが主役のまちづくり!

大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

請願の採択表明、その賛成討論3

2016年10月06日 | JR島本駅西まちづくり
つづき

このまま事業が進められる場合、先に述べたような手法で改定された島本町都市計画マスタープランに記載されていることを根拠にして、島本町民が必ずしも必要としない大型施設が立地されてしまうのではないかという心配と不安がつきまといます。

また、業務代行方式の組合施行の土地区画整理事業では、当該地のあり方が地権者と町民にもたらす便益よりも、業務代行事業者の利益が優先される可能性があるのではないか.

それよりも、地権者と町民とにとって利益のある方法をともに考えたい、請願者の思いはそこにあるとわたしは思います。9月1日に公表された直近の地権者意向調査において、売却したい方と農地維持したい方とは、面積規模で拮抗していると認識しています。

土地区画整理事業の成立という限定的な目的のための合意形成が行われていくことで、島本町全域、人口3万人のまちづくりの視座が薄められることが危惧されます。

地権者の土地の売却と島本町の都市計画は本来分けて議論するべきであり、行政も議会も住民も、まず、そのことを正しく理解する必要があります。

しかし今はそれができていない。立ち止まって考える時間と機会を提供するのが町の責務ではありませんか、というのが請願者の主張。これは請願要旨、1.2.3すべてに共通している点です。

賛成、反対で町を二分化することが目的ではありません。誰が賛成で誰が反対かではなく、島本町を今後どのような町にしていくのかという責任ある態度が、島本町議会に求められているのです。

そのことを理解しないまま、総務建設水道委員会で反対した委員が行なった質疑は不誠実、ときに不適切なものでした。また、署名簿を閲覧し、署名者本人に「署名されましたね」と声かけをしている議員も存在します。

牽制や圧力となり、請願署名の取扱い、個人情報保護の視点から極めて重要な問題、議会への信頼を失うものです。

いうまでもなく請願人の願意は、必ずしも住民の総意というわけではありません。島本町民の意思を代表するのは町長並びに議会です。町長は「議会の審議がある」という理由で、請願者の要望に向き合うことを避けられたのではありませんか。

なぜ、JR島本駅西側のまちづくりについて、堂々とビジョンを語られないのでしょう。

なぜ、およそ5年の歳月と年間100万円規模の「まちづくり活動支援金」を費やした計画案を、自ら誇りをもって住民に説明されないのでしょう。そこに根本的な問題があるとわたしは考えます。

本請願は、執行部ならびに町民の代表としての議会に、今一度、住民の目線に戻って考える必要があることを厳しく迫るものであり、2601筆の署名は、駅から田園風景のみえる島本町を愛し、誇りに思う住民の素直な声であると同時に、第3者的な立場を貫く島本町の姿勢に驚き、憤り、そして不安を覚える住民の強い意志です。

なお、本日(9月30日)新たに114筆の署名が追加提出され、総計2715筆となりました。

島本町まちづくり基本条例を活かし、住民主体のまちづくり実現をめざして、憲法で保障された「請願権」を行使された本請願には、充分以上に願意の妥当性があり、わたくし戸田靖子は、本請願を採択すべきものとして賛成させていただきます。



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10月3日お昼前の若山台調整池(消防署横)
台風18号の前に現場を確認しました

この調整池を埋めて開発するという計画があり
人びとの新しい歩み(平野・戸田)は猛反対しました
現在は事実上の凍結となっています

調整池は絶対に埋め立ててはいけません、と
今日も現場で出会った方から切実なお声
わたしたちの主張は間違っていないと確信しています
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長岡京市女性支援センター、「LGBT」再発見!

2016年10月05日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
昨日4日、長岡京市女性支援センター「みんなの元気UP講座」に参加しました。テーマは「『LGBT』再発見!~多様な性を知って、あるがままの自分を認める~」で、佐倉智美さんのお話をお聴きしました。

人を男女で分断してそれぞれの役割規範を強いる社会が、いかに多くの人の生きやすさを阻害しているか、理解が深まりました。恋愛の対象は異性であるべきと決めつけることも、実態とは違っていることなのだと気づかされました。

身体のあり様と内面的に自らが望むあり様が異なっていることで生まれる、さまざまな障害。その人に障害があるのではなく、その人が生きていくうえで社会にさまざまな障害がある、それをして障害者と呼んでいるということが、いまさらながら理解できました。

的を射たたとえ話ではありませんが、わたしは幼い頃、親からよく「男に生まれたらよかったのに」と言われていた記憶があります。翻せば、女・子どもは黙っていればよいという環境のなか、女であってしかも子どもであった自分が、いかに生きづらさを抱えて生きていたか。

このことに気づくことができたのは「外国」との出会いでした。うまく身に着けたつもりの「女さしさ」は、20代後半、たびたび訪れたトルコ共和国では意味をなさないものでした。

国民の大多数がイスラム教徒であるトルコ共和国で、老いも若きも女性は毅然とした印象、一方、微笑む術を身に着けただけの「空っぽ」の自分を自覚しました。良くも悪くも性差は社会的文化的につくられたものです。

30代、香港で暮らすようになって日本的規範性から解放され、日本人のお友だちと標準語で話すことさえ居心地がよくすべてが新鮮でした。ところが帰国して「関西弁でないと表現できない自分」があったことに気づき、たいそう驚きました。

決して不幸ではない。むしろ充実している。なのにいつもなにかを演じているような感じ、どこにいても居場所がないような、混沌。

トランスジェンダーの内面の苦悩、社会的苦労とは比べ物にならないとは思いつつ、わたしの経験した混沌と彼ら彼女らのそれは「質的」には同じなのかもしれない、と思うことがあります。

実は、随分前にテレビ番組の「恋愛相談(?)」のような特集で、カバちゃんやIKKOさんが、女性の深層心理を深く理解するコメントをされていて、たいへん感動したことがあります。その奥にあったであろう苦悩を想い、お二人の人としての凄さに涙しました。

「いろいろな人がいることが普通」。「想定外をできるだけなくしていく、それが人権尊重の基本となる方針」。「多数派基準による普通を構成しない社会」で、ありのままの自分でいられる人、ありのままを認め合える関係が増えていけば、誰もがもっと生きやすくなる、と「みんなの元気UP講座」でひとつ理解が深まりました。

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請願の採択表明、その賛成討論2

2016年10月04日 | JR島本駅西まちづくり
つづき
第1号請願:JR島本駅西側地区を農地として維持し活用する事を求める請願に、戸田が賛成した理由を述べます。 

まず、島本町が、土地区画整理事業の必要性を無秩序な開発を理由にしていることの問題点を指摘し、その正当性を覆されたことです。土地区画整理事業による開発が必要な理由として、島本町は、無秩序な開発を避けるためであると繰り返し述べてきました。

例えば、市街化調整区域のままで資材置場や青空駐輪・駐車場などに転用される可能性があるのは事実ですが、そのわずかな可能性のために当該地区全域を開発してしまうのは過剰反応であるとの主張です。

なおかつ、行政の意志で無秩序な開発は抑制できるはずと指摘されています。まさにそのとおりであり、耕作を放棄して資材置場にせざるを得ない状況をつくる前に適切な施策、支援を行う責任が行政にはあり、ニーズ調査に基づき秩序を保って駐輪駐車場を行政が責任をもって整備供給すれば、通常、それ以上の整備は市場原理により進まないと考えられます。

すなわち乱開発は島本町の意志で防げます。極めて起こる確立の低い乱開発を理由に、土地区画整理事業という手法を用いて全面的に開発してしまうというこれまでの島本町の主張は、その正当性を失いました。


次に、都市農地に対する住民のニーズが確実に高まりつつあり、昨年、都市農業振興法が成立、今年5月には同基本計画ができていること。このことは、西側の将来を決めるにあたって、地権者以外の住民の意向を考慮すべき重要な根拠になると考えます。

後継者の課題についても、担い手は認定農業者、大阪版認定農業者、作業受託組織、兼業農家で定年退職などにより新たに農業専従者となる者など多様であり、必ずしも家族である必要はなくなっています。

むしろ新たな担い手へのマッチングを行政が担わなければならない時代。都市近郊農業は付加価値が高く、都市的な生活を享受しながら営農、農体験ができるという特徴から担い手が確保しやすくなっています。

農地を農地のままで活用しつつ地権者に一定の利益がもたらされる手法は多々あるはず、よって農地保全を望む立場から「町民の意思を十分反映させた計画を長期的視野から作り直す」ことは本来可能であり、本請願には願意の妥当性があると判断します。

次に、島本町都市計画マスタープランの改定プロセスにおける不作為についての指摘です。
第一、 基礎調査である住民意識調査をしていない。第四次総合計画策定時のものを活用して基礎調査とした。
第二、 素案に対するパブリックコメントでは、農地保全、景観維持を望む声が多数あったにも関わらず、そのことが同プランにまったく反映されていない。住民説明会やワークショップの開催を求める意見10数件も無視されている。
第三、 島本町都市計画マスタープランにある付帯意見「JR島本駅西地区については本町の新たな玄関口となる重要な地区であり、地権者、住民の意向を十分取り入れ、農地の保全活用にも配慮しながら都市機能を充実強化し、秩序あるまちづくりの推進に努められたい」が、まったく守られていない。

他にも、北部大阪・都市計画区域マスタープランにおける保留区域設定の際に付された付帯意見も反故にされています。二度の保留区域申請に至った経緯が住民に説明されることもありませんでした。

なお、2度目の保留区域設定の際の公述人Bさんの意見、縦覧期間に出された意見書16件は、すべて保留区域設定に反対、もしくは区域の縮小を求めるものであり、本請願の提出はこれらを機に住民活動が生まれたものと考えられ、決して唐突なものではありません。

先の事業協力者と土地区画整理事業準備組合との間に生じていた問題が、およそ2年間の硬直状況を経て、職員の努力と苦労によって法的手段を回避するに至ったのは昨年の夏、ようやくオープンな議論が可能になり、思いを同じくする方が知り合い、議論し、調査研究を重ね請願署名に至られるには、むしろ短い期間といえましょう。

つづく


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こちらは山崎地区の農風景

大阪染工組合事務所の昭和建築
天王山との連続性
日本ウイスキーを育てた風土

わたしの好きな島本、です
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請願の採択表明、その賛成討論

2016年10月03日 | JR島本駅西まちづくり
9月定例会議が終わりました。週末は、第2保育所と町立ふたつの幼稚園の運動会でした。パンフレットを振りかざして応援してしまうほど白熱したリレーのかけっこ、どの子も可愛く、頑張っていました。

さて、最終、集まった署名が2715筆にもなった「第1号請願:JR島本駅西側地区を農地として維持し活用する事を求める請願」について、島本町議会は同請願を賛成少数で否決しました。

およそ20名の傍聴者があり、賛成討論には傍聴者から大きく「拍手」が起こるなど議長が静粛に!と制する場面もありました。

反対討論には、議会の権限外である(???)、紹介議員(戸田)の説明不足である(?)との指摘も多々ありましたが、それらについての反論は、また別の機会、少なくとも会議録(未校正原稿)を確認してからにしたいと思います。

賛成:戸田・平野・河野・佐藤・外村
反対:村上・野村・清水・岡田・川嶋・関・田中・平井

当該地は民間の企業跡地における民民間の再開発ではなく、市街化調整区域である優良農地を壊して行う官民共同の公共事業であり、島本町が都市計画決定を行い、町財政から多額の支出が見込まれる事業であることから、地権者のみならず住民レベルの議論が必須であると戸田は主張してきました。

しかしながら、土地区画整理事業に踏み込む議論は、本請願の趣旨から外れてしまうため、このことを踏まえたうえで、戸田は以下のような内容の賛成(採択)討論をしました。実際の議場では違う表現をしているところもあります。

*****************

JR島本駅西地区を現状のまま市街化調整区域とし、農地農空間を現状のまま活かしていくのか、本格的な人口減少・超高齢社会を迎える中、駅に近いという例外規定によって市街地として開発していくのか、この選択は、島本町にとって数十年に一度あるかないかの重要な政策決定、都市計画決定であり、地権者の意向だけで決められるものではありません。

ホームから田園風景と里山の稜線が連続してみられる駅は、大阪京都間で他に例をみない駅として独自的優位性が期待できるものです。島本町の魅力を戦略的に高めるためには、当該地区が農地・農空間であることが極めて重要と考えます。かねてこの場で繰り返し主張してきたふたつの点は、請願提出に至られたみなさんの思いと政策的に一致し、100%共感できるものです。

本請願における請願事項2は、「住民のまちづくりへの参画」について、請願事項3は「島本町の都市計画決定」について述べられており、主権者の主張として極めて妥当なものです。「まちづくりへの住民参画」は、まちづくりの基本条例の基本理念で、都市計画決定は議会の議決事項ですから、本請願の内容は、議会の権限事項であることに疑いの余地はありません。

いうまでもなく地権者の私権の領域に踏み込むものでもありません。市街化区域に編入しないと開発はできませんので、「JR島本駅西側地区の将来について、町民の意思を十分反映させた計画を長期的視野から作り直し、そのことが満たされるまでは、当該地区を市街化区域に編入しない」ということは、すなわち「農空間を開発する計画を一時ストップする」ことであり、請願事項1についても必然的主張であると判断します。

以下、本請願に賛成する理由を述べます。 

つづく



第1号請願:JR島本駅西側地区を農地として維持し活用する事を求める請願

請願要旨
1.JR島本駅西側の農空間を開発する計画を一時ストップしてください。
2.JR島本駅西側地区の将来について、町民の意思を十分反映させた計画を長期的視野から作り直してください。
3.2.が満たされるまで当該地区を市街化区域に編入しないでください。
コメント (1)
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