ようやっとという気持ちで避難小屋に着いた。
しかしぼんさんとの会話の中で「避難小屋が既に人で満員だったりしたら即下山しよう」というのがあった。
というのもその時でガス濃く雨が降っている、テントを持ってきているというものの雨降りの雪面の上にテントを張って過ごすというのはかなり辛そうだし、雨が雪に変わる可能性もある。
これはシンドイ。
(左)そんなドキドキした思いで避難小屋の扉を開ける。
(右)誰もいなかった。
しかし先客の荷物が多数。
「何人だ?」「オレ達が入る余地は?」
あった。
見る限り4人分のマットと荷物、少し離れて他の荷物。
4人がいることは明らかだ他に何人来るのだろう?と思いながらザックやウェアについた水を落とし室内を濡らさないように入る。
そしてマットレスを出し座るところを確保してからまず着替え。
汗に濡れたアンダーウェアを替えフリースを着込み、ハードシェルパンツも脱ぐ。
パンツとタイツが汗で濡れていた、しかしその替えは持ってきてない。
ちょっとヤバイかなと思ったけど、そのうち乾いた。
ところでこの避難小屋、高床式構造になっているのだがその周辺にはまだ2M超の雪が残り出入りするのにちょうど良い高さになっていてこの地の雪の多さを実感した。
またガイド本等この避難小屋に水場があると書かれているが、この雪では汲めない。
避難小屋内にあるノートには数日前に来たパーティが水場のあるところの雪を2~3M掘ったが水は出ていなかったと書かれていた。
ちなみに食事等の水は周辺の雪をバーナーで溶かして使うことも考えたが、残雪期で雪も汚れているだろうと思って私は食事用として水1.5L担いできた、重いけど。
そして作戦タイム。
二人の意見はあっさり一致 「今日はここから動かない」
それが決まれば後の時間、ここでどう快適に過ごすかということになる。
そうこうしていると道中私達が抜いてきた若者2名が入ってきた。
これで小屋内にはまだ出て帰ってきていない人も含めて合計8名。
狭い小屋内、もうパッツンパッツンの満員である。
この時、早く着いて良かったと思った。
で、思い返してみると私たちは4パーティ計10人程の登山者(山スキーヤー含む)を抜いてきた。
この後その人達が来るかもしれない。
しかしもう入れない。
そういうことである。
そしてそのうち先行者が帰ってきた。
4人パーティで黒部五郎を目指したが天候悪化で引き返してきたとのこと。
そして尾根の2600Mでも雨や霙が降っていたとのこと。
この時期この標高で雨とは・・・。
(左)とりあえず昼飯。 実は初めて食べるアルファ米のえびピラフ。 ウマイじゃないか。
その後はぼんさんや後に来た若者(京都のかしこ大学学院生)と世間話をしながら時間を過ごす。
がしかしすることなくて時間は過ぎない(笑)
(右)時折扉から外を覗く。
雨脚は強くなったり弱くなったりを繰り返し、時間とともに気温が下がってくるのが分かる。
そしていつしか雨は雪に変わる
また、案の定小屋を頼りに3組のパーティが次々にやってきた。
しかし満員。
皆、小屋の周りでビビィやテントやツェルトを出して夜に備えてた。
正直外の人には申し訳ないという思いもした。
でも「小屋の中は快適で安心だ」
それにしても避難小屋に入るなんてちっとも考えていなかったが随分助かった。
そして何もしないまま時間は過ぎ、明日は午前4時起きでとりあえず北ノ俣岳を目指し、そこから先は天候と時間を見てどうするかを考えることにして持ってきたビイルも呑まず18時半過ぎに寝ることになった。
何故ビイル呑まなかったかというと、すし詰めの小屋から人の上を跨いで雨降る外にわざわざシッコ行くのがイヤだったから。
それにしても山の夜は早い。
だってすることないから。
まだつづく。