今年のGWの山行きはぼんさんの発案に乗って北アルプス黒部五郎岳を目指した。
ここは北アルプスの中でも比較的マイナーな場所。
GWの北アルプスだと登山者銀座になっている場所もあるが、ここはそういうことは少なめ。
そういう点からここを選ぶ(選んでもらった)。
ルートは飛騨神岡を出発地点とし飛越新道~神岡新道を歩き、途中テントを張り北ノ俣岳を経由し1泊2日で黒部五郎を往復という計画。
距離は結構ある、でもこのルートは急登が少なめで比較的緩やか。
コースタイムも参考にして各自個人装備でテントを担いでもなんとかいけるだろうということで1人1張りのテント装備で行く。
しかしそこは北アルプス、残雪が十二分にあるし5月といえどそこはまだ冬山とも言えるエリア。
雪装備、防寒対策で荷物は膨らんだ。
当初は3~4日の予定だったが天気予報が良くないので1日ずらす。
しかしそれでも予報が良いわけではない。
当初は回復傾向にあるとの予報だったが、時間が経つにつれ雨が降る可能性があるとか、それが雪に変わる可能性があるとか、強風だとかという予報に変わってくる。
それでも5日は晴れる予報、4日の多少の崩れは仕方ないかと思い現地に入り天候を見ながら進むとする。
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(左)山へ向かう道中の1コマ。
私は飛騨神岡方面に来るのは初めて。
天気イマイチで高揚感にはかなり欠けるが、こちらではまだ所々に桜を見ることが出来て得した気分。
(右)当日は5時岐阜集合で残雪の為登山口にある林道終点までは行けないがクルマをデポする場所に8時前着。
ザックを下ろし、ウェアを着込み出発準備に取り掛かる。
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(左)現地の気温はフェーン現象により数日前より異常なくらいに高くなっているという情報があったのでウェア選択には悩んだが、私は完全冬装備のハードシェルの上下をチョイスし、レイヤリングで温度調整することにした。
出発時点でのレイヤリングは、
上半身 : キャプリーン3ラウンドネック長袖 → シールドジャケット(ウィンドシェル)
防水ハードシェルはとりあえずザックに入れておく。
下半身 : 厚手アンダータイツ → ライトアルパインパンツ
その他、スノーシューを使わない時はザック雨蓋にマウント。
ショベルは万が一の時や雪面の整地用に。
(右)林道をテクテク歩き登山口に8時7分着。 スント計測の標高は1515M(天気崩れ気味だったので誤差有り)。
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(左)そして登山口付近より早くも小雨落ちてきた。
「早すぎる・・・ここで雨降ってきてどうすんねん」と言いたいところだが仕方なし、その時はまだ着ていなかった防水ハードシェルを着込む。
が、その小雨もすぐに止み、以降降ったり止んだりを繰り返す。
基本的にハードシェルを着て行動するには暑すぎる気温になっているので都度の脱ぎ着が面倒くさい。
また、ザックカバーを置いてきてしまったことを後悔する。
ザック自体に多少の防水効果があるというものの、本降りになって中のシュラフやウェアが濡れたら一大事だからだ。
(右)半袖になるぼんさん。
登山口から暫くはそこそこ運動量があるので半袖でもいけるぐらい。
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雪がなかったのは登山口からほんの僅かで、以降は雪の上を歩くことになる。
大きく重いザックを背負い雪の斜面を上っていくのは体の発熱量多く暑い。
このときはまだジャケットなど着たくない気温だった。
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(左)緩んだ雪が多くなって来てたのと、ザックにマウントしてたスノーシューが重かったので足に装着することにした。
(右)樹林帯の中をどんどん上を目指して歩く。
がしかし、ガスが出て山の上の方は全く見えず展望も何もない。
標高は1700M程まで来ているのに全然樹林帯を抜ける気配がない。
正直かなり退屈だ。
つまらん。
なのでただひたすら先を行く。
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そして更に標高を上げてくると小雨ではあるが断続的に降るようになってくる。
ベースレイヤーを雨で濡らすわけにはいかないのでハードシェルを着っぱなし。
暑い。
いくらゴアテックスといえどその汗を全て通すような発汗量ではない。
汗で内部が蒸れてくる。
不快だ。
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(左)尾根らしきところにまで出てきた。
しかし先に進むにつれ雨脚は強まっていて、更にガスが濃くなってきて視界不良になってくる。
この時11時40分。
(右)雨は止むことなく降り続けるようになり、このガス具合、展望どころではない。
標高も上がってここで2000M付近、雨が上がるどころか更にきつくなったり雪に変わるんじゃないのか?
気温も低くなって来ているのにこの先に進んでよいものか?と不安に思うようになる。
計画では北ノ俣岳を越して黒部五郎に続く尾根上までいくつもりだったが最早その計画は頭から消えた。
しかし北ノ俣岳までの行程半分以上は来ている。
引き返すか?
正直引き返したい。
どうするか?
話し合って、とりあえず北ノ俣岳避難小屋を目指し、そこに退避して先のことを考えることにした。
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(左)そしてガスはまた更に濃くなる。
ぼんさんのGPSで位置を確認しながら避難小屋付近に着き、その道標も見つけるが肝心の避難小屋が見当たらない。
ここで合っているのか?
どうなんだ?
(右)GPSのスケールを調整し歩くこと1分ぐらい、避難小屋発見!
一安心!
マジで。
こんな近くにあったのにこの不安感は一体なんなのだ?
ちなみに私もGPS持ってきていたが私の物は古く地図が出ないタイプだしログをとるためだけに持ってきたので見ること一回もなし。
そして知らんまに電源落ちてて全く使うことなかった。
意味無し。
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12時20分避難小屋に退避!
汗と雨でビタビタになったウェアの調整、腹ごしらえ、冷静に今後の行動予定の練り直し!
まだ昼だというのに夕暮れが迫って時間に追われているような気分だった。
つづく。