JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
西武鉄道 武蔵境駅発行 110円区間ゆき 片道乗車券(~その2)
1994(平成6)年1月に、西武鉄道多摩川線の武蔵境駅で発行された、同駅から110円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のA型金額式券売機券になっています。
同駅では国鉄時代からJRに移管された後も引き続き出改札業務の委託が続けられておりましたが、同駅の出札窓口が軟券化されると硬券での発売は廃止され、券売機での発売のみになっていました。
この方式は以後しばらく続きましたが、2004(平成16)年11月に中央線の高架化工事に伴って、JR東日本と西武鉄道の改札口が分離され、JR東日本による西武鉄道の乗車券の発売は終了しています。
西武鉄道 武蔵境駅発行 110円区間ゆき 片道乗車券(~その1)
1984(昭和59)年4月に西武鉄道多摩川線の武蔵境駅で発行された、同駅から110円区間ゆきの片道乗車券です。
緑色せいぶてつどう自社地紋のB型金額式大人専用券になっています。
前回エントリーの続きになりますが、同駅の出改札業務は国鉄に委託されておりましたため、御紹介の券も国鉄窓口での発売になり、発駅の前に、東京西鉄道管理局の窓口で発行されたことを示す「◯西」の符号がつけられています。
この頃になりますと、国鉄の近距離券売機のボタンの内の2口座について西武多摩川線用の90円と110円のボタンがあり、西武線の乗車券は券売機での発売が主流になっていましたが、硬券での発売も引き続き行われており、券売機を案内されることなく、普通に購入することができました。
西武鉄道 武蔵境駅発行 北多摩駅ゆき片道乗車券
1957(昭和32)年9月に、西武鉄道多摩川線の武蔵境駅で発行された、北多磨(現・白糸台)駅ゆきの片道乗車券です。
桃色せいぶてつどう自社地紋のB型矢印式大人・小児用券で、横赤一条の入ったものになります。
当時の武蔵境駅は国鉄中央本線の武蔵境駅の構内の片隅にホームがあり、出改札業務は国鉄の窓口で行われておりましたため、発駅である「武蔵境」の前に、東京鉄道管理局(分割後に東京西鉄道管理局)の「◯東」符号が付けられています。
西武多摩川線は、管理人が小学校に入学した後の昭和49年頃までは通票閉塞になっていて、武蔵境駅の中央線下り線と共用のホームの中程に木造の小屋があり、そこに信号機器がおかれ、西武鉄道の運転要員の係員が常駐し、タブレットの受け渡しや腕木式信号機の切替えなどの運転業務を行っていました。
また、供用ホームであったために中間改札等はなく、西武鉄道の乗車券を所持していない旅客が多くいたため、折り返しの停車時間には西武鉄道の車掌が車内を巡回し、国鉄の乗車券を回収のうえ西武鉄道の乗車券を発売する精算業務がおこなわれておりました。
京急電鉄 定期券取扱乗車券(~その2)
前回にひきつづき、京急電鉄の定期券取扱乗車券の話題です。
2024(令和6)年5月に、京急本線北品川駅で発売された定期券取扱乗車券です。桃色PJRてつどう地紋のA型矢印式券売機券です。
前回エントリーのものとは購入方法を変え、交通系ICカードを使用して購入しました。右下に「[IC]」の符号が付いていることから、交通系ICカードで決済されたことが分かります。
御紹介の券は実際に使用してみました。自動改札機入場時にはパンチ穴が開き、普通乗車券と何も変わることはありませんでしたが、出場時には集札されることなく返却されます。
京急電鉄 定期券取扱乗車券(~その1)
2024(令和6)年5月に、京急電鉄本線の北品川駅で発行された定期券取扱乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋のA型矢印式券売機券になっています。
定期券取扱乗車券は、定期券取扱窓口のある駅へ行く必要がある旅客が該当する駅まで行くために購入する乗車券で、窓口での所用が終わった際、使用済の乗車券と引き換えで額面額が払い戻されるものです。
同社の定期券取扱窓口は品川駅・横浜駅・上大岡駅・横須賀中央駅の4駅ですが、各駅に設置されております定期券発売機能のある券売機では大抵の用事を済ませることができるため、払い戻し等の限られた内容での使用になるかと思います。
当然ながら、定期券取扱窓口のある駅では発売されておりませんが、該当する4駅以外の各駅では、定期券発売機能のある券売機でのみ発券できるようになっており、乗車券の選択画面のなかで「定期券センター」というボタンを押すと、最寄りの駅までの発券ボタンが現れます。
同駅の場合は品川駅が最寄りの駅になりますので、横浜駅までの選択はできません。
東京近郊の私鉄各線では、定期券窓口のある駅へ行く場合には、目的駅までの乗車券を購入し、改札口を出場する時に定期券窓口に行く旨を申告して証明印を受けて窓口へ提出する方法が一般的ですが、同社の他、西武鉄道でも同様の方法が採られているようです。
購入時に領収書を発券してみました。但し書きには「定期券取扱乗車券」代金と記載されており、普通乗車券とは区別されているようです。
ちなみに、西武鉄道では定期券購入用乗車券は払い戻しが原則であることから、領収書の必要が無いものという考え方であると思われますが、領収書を発券する機能は付けられていません。
京急電鉄 北品川駅から品川駅まで 往復乗車券
2024(令和6)年5月に、京急電鉄本線の北品川駅で発行された、品川駅までの往復乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋のA型券売機券になります。首都圏の私鉄各線では往復乗車券の発売を終了している傾向にある中、同社では現在でも往復乗車券を発売しています。
同社の往復乗車券には「ゆき」券と「かえり」券の区別は無く、御紹介の普通回数券のような券が2枚発券されるようになっています。そのため、発券された2枚の券のどちらを先に使用しても問題はありません。
また、各々の券片に運賃が表記されており、発売額の300円という数字は、各券片の発売額を合算しなければ見えてきません。
さらに、券番も2枚同じ券番で発券されるため、同じ券番の同じ券が2枚という珍現象が起きます。
購入時に領収書も印字してみました。但し書きは「往復券」となっており、片道乗車券の時の「乗車券」とは区別されています。
京急電鉄 北品川駅発行 品川駅接続JR東日本線片道連絡乗車券
何となく更新する時間がなかったため、3回ほど更新をサボりました🙇
2024(令和6)年5月に、京急電鉄本線の北品川駅で発行された、品川駅接続、JR東日本線150円区間ゆきの片道連絡乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋のA型金額式券売機券で、乗り継ぎ割引が適用された様式です。
同社の北品川駅から品川駅までの運賃は150円ですので、自社線の150円とJR東日本線の150円の合計である300円から、双方から5円ずつ割引した10円が割引額になりますので、発売額が290円になります。
券面には発駅名のローマ字表記である「Kita shinagawa」と、JR線の「JR Line」が無理矢理入れられた感じで、窮屈な感じがします。これに、ICカードで購入したため、余計に窮屈感が否めません。
購入した際に領収書も印字しました。但し書きは「乗車券」となり、どの区間の乗車券を購入したかまでは明記されていません。
券売機の横に掲示されていたものです。
同社では、2023(令和5)年3月を以て、一部の区間を除く連絡乗車券の発売を終了し、現在では発売されておりません。IC乗車券を利用するか、乗り継ぎ駅で再度購入するというのが基本のスタンスになります。
ここで「一部の区間」ということになりますが、たとえ乗り継ぎ駅で再度購入できる区間であっても、御紹介のような乗り継ぎ割引が適用されるものについては現在でも発売が継続されています。また、同社では都営地下鉄や京成電鉄線、北総鉄道線のように、直通運転が実施されており、乗り継ぎ駅で乗車券の購入が難しい区間については、従来通り発売が継続されています。
東京急行電鉄 (玉)渋谷駅発行 玉川線ゆき 13円券
桃色JPRてつどう地紋のB型券で、単能ロール式の自動券売機で発券されたものになります。
券売機で発券されたということで、発駅の表記が(玉自)となっており、「玉川線出札口の自動券売機」ということを示しているものと思われます。
裏面です。券番のみになっています。
券番は6ケタの数字になっていますが、前2ケタがロール紙の付番で、ハイフンから4ケタが券番になります。
ロール式券売機は硬券を予め入れておいた硬券式に替わるもので、予め印刷しておいた券紙を、発売都度切断して発売する様式の券売機です。
券の四隅にあります穴が、券紙を送るトラクターフィーダーと呼ばれる歯車を填めるスプロケットホールと呼ばれるもので、歯車の回転により、等分の券紙を都度送れるようになっています。
東京急行電鉄 (玉)渋谷駅発行 玉川線ゆき 20円券
頂き物ですが、東京急行電鉄(現・東急電鉄)の玉川線渋谷駅で発行された、玉川線ゆき片道乗車券(20円)です。
緑色PJRてつどう地紋の千切り式半硬券で、井口印刷で調製されたものと思われます。
軌道線である玉川線は地方鉄道である砧線を除く全線が乗切り運賃制になっていたため、「玉川線ゆき20円」という独特な表現の乗車券になっていました。
発売時に券を千切って発行していましたが、日付は入れていなかったようです。
同線は大部分が廃線になり、現在、三軒茶屋駅~下高井戸駅間の本線がら枝分かれした支線区間の下高井戸線の部分が世田谷線として存続しています。
玉川線渋谷駅は現在の渋谷マークシティのあるあたりにあり、東横線の駅とは場所が分かれていて別管理されていたことから、東横線の「(東横)渋谷駅」と区別できるよう「(玉)渋谷駅」とされていたようです。
この区別の方法は同線が廃線になり、替わって新玉川線が開業してからも、「(新)渋谷駅」とされて残り、新玉川線が田園都市線になってからも、「(田都)渋谷駅」という表記になっていました。
新潟交通 小中川駅発行 東関屋駅ゆき片道乗車券
1985(昭和60)年4月に、新潟交通電車線の小中川駅で発行された、東関屋駅ゆきの片道乗車券です。
青色TTDてつどう地紋のD型準常備式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。
御紹介の券は管理人が実際に使用したものではなく、当日燕駅から乗車した際の乗車券を東関屋駅が戴きたい旨を申し上げた際、駅員氏に「着札の硬券何枚かあるけど、持って行くかい?」と言われ、戴いたものの中に入っていたものです。
同社では、有人駅各駅に硬券の乗車券が設備されていましたが、常備券があっても平行して準常備券が設備されていたりして、基準がよく分かりませんでした。
途中の規模の小さな委託駅では、すべての口座を用意していてはコスト増になってしまいますが、準常備口座を採用することで口座の絞り込みができるため、このような券が設備されていたのだと思われます。
しかし、着駅である東関屋駅は新潟駅方面へのバスとの接続駅でもある駅で、それなりの需要もあったかと思いますが、常備券口座が設備されていなかったのは意外です。
裏面です。日本交通印刷で調製されたD型券は券番が「№ ◯◯◯◯」という様式で振られているのが特徴です。
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