趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
山形鉄道 長井駅発行白兎駅ゆき 片道乗車券
あけましておめでとうございます。
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さて、2023年の干支は兎(卯)です。今年も干支である兎(卯)の付く駅を探してみました。
ウサギの付く駅名というものは意外に少ないようで、JR全線ではJR四国予讃線の卯之町(うのまち)駅のみで、その他の私鉄・公営および第三セクターでは山形鉄道フラワー長井線の白兎(しろうさぎ)駅しか探し出せませんでした。
新年第1回目の今回は、白兎駅関連の乗車券類を御紹介したいと思います。
2011(平成23)年7月に山形鉄道フラワー長井線の長井駅で発行された、白兎駅ゆきの片道乗車券です。
桃色山形鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券です。
印刷場は不明ですが、同社では乗車券類を専門で印刷している印刷業者ではないような印刷場で調製されたもののようで、若干薄めの表面に光沢のある券紙が使用されています。
裏面です。裏面には券番だけがありますが、どうやら印刷場から納品されたときは券番は無い状態の可能性があり、券番はゴム印で捺印されているようです。
白兎駅は山形鉄道がJR東日本の長井線を継承してから2年が経過した1989(平成元)年12月に新規開業した駅で、無人駅になります。同社ではその後のあやめ公園駅や四季の郷駅を開業していますので、一番新しい駅ではありません。
同社には他に、ウサギ駅長のもっちいが赴任している宮内駅がありますが、残念ながら兎(卯)の付く駅ではありませんので、今回選外になってしまいました。
東京臨海高速鉄道 東京テレポートから330円区間ゆき片道乗車券
前回エントリーで東京臨海鉄道が開業した頃の乗車券をご紹介いたしましたので、今回は現在発行されている乗車券をご紹介いたしましょう。
2018(平成30)年8月に東京臨海高速りんかい線の東京テレポート駅で発行された、330円区間ゆきの片道乗車券です。
青色TWR東京臨海高速鉄道自社地紋の金額式券売機券で、券紙の地紋は開業時から変わりません。
様式も券売機のバージョンアップによって日付が西暦表示になっておりますが、現在のJR東日本の券売機券と似ており、この点についても開業時のままになります。
再掲になりますが、開業時の乗車券です。開業時は路線名が「臨海副都心線」という名称であったために「臨海副都心線○○○円区間」となっておりましたが、路線名が「りんかい線」に改称されたころから、「りんかい線○○○円区間」という表記に変更されています。
ゆりかもめの場合は会社名が改称されたために左上の社名表記が変更になっていましたが、東京臨海高速は社名の変更は行われていないため、開業時と同じ社名が記載されています。
東京臨海高速鉄道 国際展示場から180円区間ゆき片道乗車券
前回エントリーでゆりかもめ関連の乗車券をご紹介いたしました。東京の臨海エリアにはもう一つ、第三セクターが運営している「りんかい線」関連の乗車券をご紹介いたしましょう。
1996(平成8)年5月に東京臨海高速鉄道臨海副都心線の国際展示場駅で発行された、180円区間ゆきの片道乗車券です。
青色TWR東京臨海高速自社地紋の金額式券売機券になります。
東京臨海高速鉄道臨海副都心線はご紹介の券が発行された年の3月に新木場駅~東京テレポート駅間が部分開業し、途中駅は東雲駅と国際展示場駅のみでした。
その後、2000(平成12)年には「りんかい線」の愛称ができ、同時に路線名を臨海副都心線からりんかい線に改称しています。
ご紹介の券は線名が「りんかい線」となる前のもので、臨海副都心線の表記があります。
東京臨海高速鉄道株式会社は、東京都が90パーセントを出資する第三セクターで、他に周辺自治体や銀行・損保・JR東日本などが出資しています。
ご紹介の券は一般的な券売機券で、JR東日本が出資している関係からか、同社の券売機券とよく似た様式になっています。ただし、ここではご紹介いたしませんが、特別補充券については東京都交通局の様式に酷似しており、どのような経緯でそのようになったのか、興味深い部分があります。
ゆりかもめ 芝浦ふ頭から250円区間ゆき片道乗車券
前回エントリーでゆりかもめの前身である東京臨海新交通の乗車券をご紹介いたしましたので、今回は同社がゆりかもめとなった現在の乗車券をご紹介いたしましょう。
2015(平成27)年7月にゆりかもめ東京臨海新交通臨海線の芝浦ふ頭駅で発行された、250円区間ゆきの片道乗車券です。
社名部分が「(ゆりかもめ)」となっていますが、青色ゆりかもめ自社地紋は東京臨海新交通時代から引き続き同じものが使用されている金額式券売機券です。ただし、印刷の都合からかもしれませんが、社名が改称された1997(平成10)年ころから地紋の青色が若干薄い色になっています。
再掲いたしますが、東京臨海新交通時代のものと基本的に様式に変化はないものの、券売機の代替によって字体に変化があり、日付の西暦表示、発駅名のローマ字表記、発売時刻の印字等、部分的に変化があることがわかります。
東京臨海新交通 新橋から180円区間ゆき片道乗車券
1995(平成7)年12月に東京臨海新交通(現・ゆりかもめ)東京臨海新交通臨海線の新橋駅で発行された、180円区間ゆきの片道乗車券です。
青色東京臨海新交通自社地紋の金額式券売機券となっています。図示いたしませんが、裏面は自動改札対応の黒色磁気体が塗られています。
東京臨海新交通株式会社は東京都が出資する第三セクターの会社で、新橋~有明間の鉄道事業および軌道事業である臨海線を運営する会社として1988(昭和63)年に設立されています。そして1995(平成7)年に「新交通ゆりかもめ」の愛称で路線を開業しましたが、路線名がすぐそばを走る「りんかい線」に似ていてわかりづらいことから「臨海線」と呼ばれることはほとんどなく、愛称名である「ゆりかもめ」と呼ばれることが一般的であったことから、1998(平成10)年に社名を「株式会社ゆりかもめ」に改称しています。ただし、路線名は現在でも「東京臨海新交通臨海線」のままになっています。
社名が変更となってからも券紙に使用されている地紋に変更はありませんが、現在発行されている乗車券は、左上の社名が「(東京臨海新交通)」から現在の社名である「(ゆりかもめ)」に変更されています。
その他、券売機のバージョンアップにより、発行時刻やローマ字表記などの印字が追加されています。
由利高原鉄道 久保田から前郷ゆき 片道乗車券
2018(平成30)年10月に由利高原鉄道久保田駅で発行された前郷ゆきの片道乗車券です。
青色由利高原鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
この券は矢島駅の売店で「使用済硬券」として売られていた袋の中に入っていた1枚です。
久保田駅は国鉄矢島線から同社に移管された際に開業した乗車券を発売していない無人駅ですので、この券を見つけた時には違和感を感じました。
裏面を見ると、ますます違和感を感じました。
なんと、券番が0000です。
セットを購入した時、久保田駅で乗車券の臨時発売をしたかどうかを矢島駅の方にお伺いしましたが、そのような事実はなく、どうやら、1年前の2018(平成30)年10月21日に矢島駅で「矢島駅開業80周年記念乗車券セット」という記念硬券乗車券セットが発売されていて、久保田から前郷ゆきの乗車券はその中の1枚であるとのことでした。
本来であれば、券番0000番の券は会社で保存するような見本券であったものなのかもしれませんが、何かの間違いで使用済硬券セットに紛れてしまったのではないかと推測され、これは有り難くコレクションとして頂戴させていただいた次第です。
高千穂鉄道 延岡駅から高千穂ゆき片道乗車券
平成3年11月に、高千穂鉄道(廃止)延岡駅で発行された、高千穂ゆきの片道乗車券です。
黄緑色高千穂鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券です。印刷会社は不明です。
発駅から発行駅名までの一連の記載が網羅され、九州の私鉄硬券に良く見られる「途中下車前途無効」という表記になっています。
裏面です。
表面にも発行駅名が記載されていますが、ご丁寧に裏面にも「延岡駅発行」という表記があります。
一枚の硬券片道乗車券で、発行駅名が2か所に記載されているものは、全国的にも珍しいような気がします。
高千穂鉄道は平成元年4月にJR九州が国鉄から引き継いだ高千穂線を移管して開業した第三セクター路線でしたが、平成17年の台風で途中の橋梁が流失したことで全線休止となり、被災状況の甚大さから復旧が断念され、復旧されないまま平成19年に延岡~槇峰間 (29.1 km) が廃止され、平成20年の年末に槇峰~高千穂間 (20.9 km) の全線が廃止されてしまっています。
下北交通 大畑駅発行八戸ゆき片道連絡乗車券
前回エントリーで同社の普通片道乗車券は自社完結および国鉄連絡関係なく同じ様式の相互式券で設備されていると申し上げましたが、中には若干様相の異なる券も設備されていました。
日付は入れておりませんが、前回エントリーの券と同時に購入した、八戸ゆきの国鉄連絡乗車券です。青色JPRてつどう地紋のB型相互式大人・小児用券で、こちらも山口証券印刷で調製されています。
100km以下のいわゆる近距離連絡乗車券については自社完結券同様に赤褐色地紋となっておりますが、101km以上である長距離連絡乗車券については相互式ではあるものの、青色地紋となっており、途中下車が可能な発売日共2日間有効の独特な様式になっていました。
そして、連絡乗車券ではありますが、一般的に記載されている接続駅の表記はなく、一見すると自社完結券のように見えてしまいます。
下北交通 大畑駅発行正津川ゆき片道乗車券
昭和62年9月に、下北交通大畑線大畑駅で発行された、正津川ゆきの片道乗車券です。
赤褐色JPRてつどう地紋のB型相互式大人・小児用券で、前回エントリーの普通入場券と同じ山口証券印刷で調製されたものです。
この券は実際に乗車した券とは他に購入したもので、大畑駅から1つ目の駅までの最短区間の乗車券になります。
同線の普通乗車券は硬券がメインで、一般式等はなく、自社完結や国鉄連絡も関係なく、基本的にどの区間でも同じ様式である相互式のみで設備されていたようです。
北条鉄道 ~長駅~長寿切符 ~その3
前回および前々回にて北条鉄道 ~長駅~長寿切符セットを御紹介いたしておりますが、今回は2枚目にあります片道乗車券を御紹介いたしましょう。
青色北条鉄道自社地紋のA型大人・小児用矢印式券で、普通入場券同様に関東交通印刷で調製されたものと思われます。
比較的珍しいかと思いますが着駅も縦書きとなった矢印式で、左下に「矢印内の1駅ゆき」という注意書きが印刷されています。
券面には普通入場券同様、「寿」の影文字が印刷されています。
裏面です。
裏面には運賃箱対応として表面同様の縦書きの矢印式の発駅および着駅表示と、「発売当日限り有効 下車前途無効」の文言と発行駅名が印刷されています。
よくわからないのが券番で、前々回御紹介いたしました台紙の券番が0988、前回御紹介致しました普通入場券の券番が0088でありましたので乗車券も同じかと思いきや、なぜか0100となっており、セット売りされているにもかかわらず、2枚の券の券番が揃っていないという奇妙な切符セットになっています。
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