JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
別線往復乗車券
小倉⇔博多間の別線往復乗車券です。
新下関⇔博多間は在来線経由ですと新下関⇔下関間がJR西日本山陽本線、下関⇔門司間がJR九州山陽本線、門司⇔博多間がJR九州鹿児島本線を通ることになり、新幹線経由ですと新下関⇔小倉間がJR西日本山陽新幹線(山陽本線)、小倉⇔博多間がJR西日本山陽新幹線(鹿児島本線)を通ることになります。
運賃を見てみますと、在来線経由の場合、新下関⇔博多間は1,600円、小倉⇔博多間が1,250円、新幹線経由の場合、新下関⇔博多間は1,450円、小倉⇔博多間が1,110円となります。
新下関⇔博多間が絡む場合、JRの旅客営業規則第16条の3の「新幹線と新幹線以外の線区の取扱いの特例」において、「次の左欄に掲げる線区と当該右欄に掲げる線区に関し、第26条第1号ただし書、第2号ただし書及び第3号にそれぞれ規定する普通乗車券の発売、第68条第4項に規定する鉄道の旅客運賃計算上の営業キロ等の計算方並びに第 242条第2項に規定する区間変更の取扱いにおける旅客運賃・料金の通算方又は打切方については、前条第1項の規定を準用する。 ~山陽本線中新下関・門司間及び鹿児島本線中門司・博多間、山陽本線(新幹線)中新下関・小倉間及び鹿児島本線(新幹線)中小倉・博多間~」とあります。
これはJR西日本とJR九州の運賃体系の違いによるもので、JR化後の弊害と言えましょう。
この規則に準じ、新下関~博多間を含む区間については、在来線と新幹線とでは運賃が異なりますが、この区間を含む場合については、ゆき在来線、かえり新幹線(逆も同じ)であっても往復乗車券を発売し、片道601km以上の区間については往復割引が適用されることになります。
前置きが長くなりましたが、ゆき在来線、かえり新幹線を選択して小倉⇔博多間の往復乗車券として発券されたものが、今回エントリーさせていただきました「別線往復乗車券」です。
往路1,250円プラス復路1,110円の合計である2,360円が発売額となります。
ゆき券を見ますと、通常の往復券と違うところは、
① 括弧書きで「¥」表示がありませんが、発売額の記載があること。
② かえり(復)券の博多→小倉間が新幹線経由であること。
③ かえり(復)券の運賃が割引無(片道601km以上の場合は割引前の運賃)で1,110円である旨の記載があること。
④ ゆき券の経路コードはC14ですが、かえり(復)券の経路コードがC62である旨の記載があること。
の4点が挙げられます。
かえり券を見ますと、
① ゆき(往)券が全線在来線経由のため「---」と記載されていること。
② ゆき(往)券の運賃が割引無(片道601km以上の場合は割引前の運賃)で1,250円である旨の記載があること。
③ かえり券の経路コードはC62ですが、ゆき(往)券の経路コードがC14である旨の記載があること。
の3点が挙げられます。
このような特殊な様式の「別線往復乗車券」ですが、マルスには独立のメニューとして設定されているようです。