JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
東京地下鐵道 デパート巡り乗車券
東京地下鐵道(← 旧・帝都高速度交通営団(営団地下鉄) ← 現・東京地下鉄(東京メトロ))は、現在の銀座線が日本橋駅まで延伸された昭和7年、当時片道10銭のところ、往復で13銭(のちに15銭)で、しかも普通乗車券では認められない途中下車が可能な「デパート巡り乗車券」を発売しました。
途中下車は各駅1回限りで、乗車の際に駅毎に決められた位置に入鋏を入れることで判別したようです。
これは上野広小路駅~日本橋駅間の各駅にあるデパートを巡るために企画された往復乗車券で、上野広小路駅の松坂屋、神田駅の地下鐵ストア、三越前駅の三越・地下鐵ストア、日本橋駅の白木屋(←東急百貨店日本橋店)、高島屋といったデパートを対象としていました。
「地下鐵ストア」は現在でも神田駅須田町方面改札口と6番出口の間の通路に商店の並んだ区画として残っていますが、天井は低くて暗く、人通りがまばらで華やかさはないものの、当時はそこそこ賑わっていたようです。
今も美容室、歯科、靴屋が残っており、歯科は診療しているのか良くわからない雰囲気で、既に商店が撤退したようなスペースはトタンで覆われています。
その後、銀座線が銀座駅まで延伸された昭和10年、乗車可能区間は銀座駅まで伸び、銀座駅の松屋・三越・松坂屋といったデパートも対象となり、運賃は13銭のまま据え置かれたようですが、その後15銭に改定されているようです。
御紹介の券は、銀座延伸以降の15銭券です。右上に書かれている運賃の活字を見ると、いかにも13銭から15銭に活字を変えたような状態で印刷されています。
当時、生活にゆとりのあるご婦人はこぞってデパート(当時は百貨店の方が一般的だったかもしれません…)へ買物に行ったようで、そのような利用客にはかなり重宝されたものと思われます。
今や東急百貨店日本橋店は既に撤退して「COREDO日本橋」という商業施設に生まれ変わっています。